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アイの物語 の商品レビュー

4.3

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    59

  2. 4つ

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  3. 3つ

    20

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2010/03/13

いや凄い。 何の予備知識も無いまま、殆ど偶然的に手に取った本だったと云うこともあり、予想以上に色々吃驚した。 人と云うもの、一番の魅力。抱える自己矛盾。理想と現実。キレイ事と云われるものすら、創りだすのは人自身。その事実。 物語の力=人の力(数少ない美点)。 読者が、作者に愛され...

いや凄い。 何の予備知識も無いまま、殆ど偶然的に手に取った本だったと云うこともあり、予想以上に色々吃驚した。 人と云うもの、一番の魅力。抱える自己矛盾。理想と現実。キレイ事と云われるものすら、創りだすのは人自身。その事実。 物語の力=人の力(数少ない美点)。 読者が、作者に愛されていると感じることのできる物語。 すごい!すごい!すごい!

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2018/10/07

間違いなく名作。 「詩音が来た日」が特に秀逸の出来で、思わず涙してしまった。 人の心を持たないはずのロボットの方が、かえって人の心の本質を知っている。夢物語には違いないが、素敵な話だなぁ。 p.385より引用。 「彼女は優しく、しかし確信をこめた口調で言った。 『正しい部分も悪...

間違いなく名作。 「詩音が来た日」が特に秀逸の出来で、思わず涙してしまった。 人の心を持たないはずのロボットの方が、かえって人の心の本質を知っている。夢物語には違いないが、素敵な話だなぁ。 p.385より引用。 「彼女は優しく、しかし確信をこめた口調で言った。 『正しい部分も悪い部分も含めて、あなたのすべてを許容します』」

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2010/02/21

「衰退した人類の生き残りの少年と、地球の支配者となったアンドロイドの交流を通して、異種族間の理解と物語の力、人類の存在の意味まで語りきった異色作」 というと大上段な感じだが、短編集を独自の味付けで編み直して、人類の想像の産物としての人工知能を作者なりに意味づけたようなお話。 お...

「衰退した人類の生き残りの少年と、地球の支配者となったアンドロイドの交流を通して、異種族間の理解と物語の力、人類の存在の意味まで語りきった異色作」 というと大上段な感じだが、短編集を独自の味付けで編み直して、人類の想像の産物としての人工知能を作者なりに意味づけたようなお話。 おそらくは普段から作者の考えていることがかなり一貫していて、様々な問題のある現実と、夢物語としてのサイエンスフィクションとしての解決に同様の理論、理想論があるから、このようなお話に編み直せるのだと思う。 このお話の中で「バカの壁」的に人類の限界が示されるのだが、衰退した人類の突きつけられる限界としては苦さが無く、腑に落ちる感じが面白い。 力が足りなくても、万能ではなくても、それを嘆くばかりでなくやれることをやろうという気にもさせてくれる、良作でした。 短編集として、一番印象に残った話をあげようかとも思ったけれど、短編部分もそれぞれの良さがありながら、やはりこの本は、こう編まれたから心に残るのだと、思うのですよね。

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2020/10/25

新しい年が明けたけど、年賀状もおせちも無いお正月はさしずめ『門松は冥土の旅の一里塚めで度くもありめで度くも無し』といった具合。 その年頭に読む、衰退した人類に代わりマシンが支配する未来のお話。これが深い。 食料を盗んで逃げる途中に女性型アンドロイドに捕獲された“僕”。 アイビスと...

新しい年が明けたけど、年賀状もおせちも無いお正月はさしずめ『門松は冥土の旅の一里塚めで度くもありめで度くも無し』といった具合。 その年頭に読む、衰退した人類に代わりマシンが支配する未来のお話。これが深い。 食料を盗んで逃げる途中に女性型アンドロイドに捕獲された“僕”。 アイビスと名乗るそのアンドロイドは、僕に対しロボットや人工知能に纏わる7つの物語を読み聞かせる…。 題材以外に関連性もない物語は、しかし、マシンと人の歴史の真実を少しずつ露わにする。 6つ目の「詩音が来た日」で介護用アンドロイドが辿り着いた結論に唖然とし、最後の「アイの物語」で語らえるマシンの価値観と行動に慄然とする。 ヒトが如何に非論理的で非倫理的であるかが浮き彫りにされ、これからどれだけ経ってもヒトが達することはない高みがあることを思い知らされながら、それでもヒトがヒトとして生きる美しさと未来への可能性を示唆する。

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2010/03/21

アンドロイド「アイビス」が人間の少年である「僕」に対して、アンドロイドと人間の関わりについての物語を聞かせる。それらの物語は単純にアンドロイドと人間との関係を綴ったものではなく、アンドロイド自身や人間自身の存在そのものについても示唆に富む。 「理解できないものは退けるのではなく、...

アンドロイド「アイビス」が人間の少年である「僕」に対して、アンドロイドと人間の関わりについての物語を聞かせる。それらの物語は単純にアンドロイドと人間との関係を綴ったものではなく、アンドロイド自身や人間自身の存在そのものについても示唆に富む。 「理解できないものは退けるのではなく、ただ許容すればいいだけのこと。」

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2016/01/17

悪くはないし、一つの疑問をひたすら追い求めて、それに論理的な回答を出すという形式はカタルシスを感じさせるものだったけれど、やはり『神は沈黙せず』と比べてしまうと…すこし陳腐に思えてしまうところもある。

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2019/06/02

[関連リンク] 404 Blog Not Found:感無量 - 書評 - アイの物語: http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51262311.html

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2009/10/04

機械が地上に君臨し、戦いに敗北した人間は細々と暮らしながら衰退しつつある、数百年後の未来。 コロニーからコロニーへ流浪する一人の「語り部」は、ある日うつくしい女性型アンドロイドに捕らえられる。 彼女の名は、アイビス。 アイビスは「語り部」に、遠い過去に人間が作った物語を読んで...

機械が地上に君臨し、戦いに敗北した人間は細々と暮らしながら衰退しつつある、数百年後の未来。 コロニーからコロニーへ流浪する一人の「語り部」は、ある日うつくしい女性型アンドロイドに捕らえられる。 彼女の名は、アイビス。 アイビスは「語り部」に、遠い過去に人間が作った物語を読んで聞かせる。 それは、人間とアンドロイドや人工知能との物語。 彼女が物語を聞かせる、真の目的とは? 機械と人間との、ほんとうの歴史とは? はたして、物語は人間を救えるのか? 機械とヒトの千夜一夜物語。 とにかく、アイビスの語る物語の一つ一つが面白い。 共通しているのは、「物語とは」そして「AI(人工知能)とは」という問題。 後者は、「人間とは」という問題と表裏の関係にあると言えるだろう。 げんに、小説は終盤になると、この「人間とは」という問題に迫ってゆく。 知的存在としてのヒトの限界はどこにあるのか。 それに対する答えは、衝撃的だった。 ここ1〜2年で読んだ中で、もっとも素晴らしく感動した小説でした。 おすすめします。

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2009/10/04

長いけど、すぐ読めました。一つ一つは独立した物語ですが、終着点は全て同じ。機械とヒトの物語。面白いです。

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2011/09/28

人類が衰退してマシンが君臨する世界。アイビスという名のアンドロイドに捕えられた主人公。そしてアイビスは物語を読んで聞かせる。物語の合間にアイビスと主人公の会話があります。人間の本質の痛い所をついてます。物語の力やアイビスのセリフは印象に残りました。アイビスを通して人というものを客...

人類が衰退してマシンが君臨する世界。アイビスという名のアンドロイドに捕えられた主人公。そしてアイビスは物語を読んで聞かせる。物語の合間にアイビスと主人公の会話があります。人間の本質の痛い所をついてます。物語の力やアイビスのセリフは印象に残りました。アイビスを通して人というものを客観的に見る事が出来ます。全体を通して著者の試みは成功していると思います。

Posted byブクログ