不毛地帯(2) の商品レビュー
どろどろした商社の世界。シベリア抑留の話が終わって平和な話が続くのかと思ったら、下山事件ばりの鉄道自殺のシーンがあったり、中東での戦争の影響があったり、飽きさせなかった。
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11年のシベリア抑留から帰国した壱岐正は、商社の世界にドップリと浸かってゆく。2巻では、防衛庁の発注する航空機の受注に関する攻防が中心になっている。壱岐は日本国のためを思い、もっともふさわしいと思われる航空機を防衛庁に納入しようとするが、利権がらみの問題で別の航空機を納入しようと...
11年のシベリア抑留から帰国した壱岐正は、商社の世界にドップリと浸かってゆく。2巻では、防衛庁の発注する航空機の受注に関する攻防が中心になっている。壱岐は日本国のためを思い、もっともふさわしいと思われる航空機を防衛庁に納入しようとするが、利権がらみの問題で別の航空機を納入しようとする東京商事・鮫島と鋭く対立する事になる。 商社、内閣、防衛庁、アメリカの航空機メーカーを巻き込んだ泥仕合は本当に凄まじい。防衛庁の極秘資料を持ち出して逮捕者が出るなど、皆すさまじいまでの執念を見せる。商社の仕事は本当に命がけだな、と思った。
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「不毛地帯(2)」山崎豊子 社会小説。濃紺。 大本営参謀の頭脳をもって熾烈な商社の争いにどっぷり漬かっていく壹岐正。 昭和戦後の日本商社、今で云うところのCSRのシの字もない、泥沼の金仕合、出し抜きあいの世界です。 本当にこんなんだったのかな。昭和って。 物売りってなんだろう...
「不毛地帯(2)」山崎豊子 社会小説。濃紺。 大本営参謀の頭脳をもって熾烈な商社の争いにどっぷり漬かっていく壹岐正。 昭和戦後の日本商社、今で云うところのCSRのシの字もない、泥沼の金仕合、出し抜きあいの世界です。 本当にこんなんだったのかな。昭和って。 物売りってなんだろう。利鞘稼ぎってなんだろう。(4)
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ようやく商社の話。 色々な利権を巡るドロドロとした生々しさが良い。 やはり、リサーチ・取材の量が凄まじいのだろう。 主人公がこれまで冴えなかったが、だんだんと能力が開花されてきたという感じか。
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一気に読んでしまった…軍と商社(会社と読み替える)の相違点に触れたあたりが、当たり前のことなのだけど、妙に印象に残った…「軍では国家目標を達成するためには、命令によって兵隊を動かすことができるが、商社は自由意志を持った意思の人間の集団であるから、社員が納得し、自覚して案件の遂行に...
一気に読んでしまった…軍と商社(会社と読み替える)の相違点に触れたあたりが、当たり前のことなのだけど、妙に印象に残った…「軍では国家目標を達成するためには、命令によって兵隊を動かすことができるが、商社は自由意志を持った意思の人間の集団であるから、社員が納得し、自覚して案件の遂行に持っていかなければならない。」これが文化も含めたバックグラウンドが違う人達の集まりになるとなおさらのこと。そこが強くないとこの先ホント生き残れないな、と日々思うことと合致。
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キャラクターを例えば軍人の出で立ちのようとか描写されても軍人がどんなものかわからないし、僕にはキャラクター描写が雑に書かれてるように思える。だがその反面想像力をかき立ててくれる。壱岐のバックグラウンドは軍人というより国家に役立つという信念で行動を説明できると言ったほうがよりしっく...
キャラクターを例えば軍人の出で立ちのようとか描写されても軍人がどんなものかわからないし、僕にはキャラクター描写が雑に書かれてるように思える。だがその反面想像力をかき立ててくれる。壱岐のバックグラウンドは軍人というより国家に役立つという信念で行動を説明できると言ったほうがよりしっくりくる感じがある。、
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シベリア抑留後、第二の人生として商社マンを選んだ壱岐正。 最初は、軍隊しかしらない自分が商社マンなど務まるだろうか、と自問自答しているが、物語が進むにつれ、商社マンとしての頭角をめきめきと現していく姿は面白い。 シベリアでの過酷な日々を経験しているからこそ、生き残ったものとして...
シベリア抑留後、第二の人生として商社マンを選んだ壱岐正。 最初は、軍隊しかしらない自分が商社マンなど務まるだろうか、と自問自答しているが、物語が進むにつれ、商社マンとしての頭角をめきめきと現していく姿は面白い。 シベリアでの過酷な日々を経験しているからこそ、生き残ったものとしての責任感を日々感じ、また、人生を達観している様は、おそらく、その当時生きた多くの人々も、またそうだったであろうと感じられる。 シベリア抑留とは全く次元が異なるが、会社の状況が厳しいいま、私は職場異動を経験して、比較的恵まれた状況で仕事をしている。その状況に、謝の念を抱くと共に、自分に課せられた責任感を感じていることと、どこか似ている気がする。 商社というのは、理系の私にしてみれば縁遠い世界であった。しかし、単にものづくりをするだけでは生き残れなくなった製造業に属している身からすると、世界各国から商売となりうるモノや技術を集めて自分のビジネスにするという点において、製造業が商社から学ぶべきことは非常に多いと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
飛行機商戦の次は自動車商戦。しかし、壹岐にはまさしく、七人の敵はおろか、同じ社内にも足を引っ張ろうとする敵が五万と。が、それは敵だけでなく、味方についた人間はとことん尽すのは、やはり彼の人力なのだろうか。 今まで読んだ山崎さんの作品の中では、物足りなさがぬぐえないのは商戦と政治絡みの、女の私には分かりにくい物語なのかもしれない。それに千里が・・1巻では、それほど鼻につかなかったけど、2巻ではあからさまな対抗意識に開口してしまいました。
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次期戦闘機決定がメイン。 技術に携わる私としても、製品を見る視点は性能という壱岐や川又と近い。しかし、そこには商社だけでなくメーカーや省庁の利権が複雑に絡み合い、性能の良し悪しの一筋縄では上手く行かない。各々が譲れないところ、妥協できるところを提示し合う歩み寄りが大事だと思った
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壹岐がいよいよ本領を発揮。 しかし、社内政治の理不尽さはいまも昔も変わらず、本質を見失うものなんだな、と思った。
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