雷神の筒 の商品レビュー
織田信長の鉄砲衆の頭の橋本一巴を描いた歴史小説。信長は鉄砲を活用したことが躍進の理由とされるが、本書では一巴が鉄砲に注目したことが先である。楽市楽座や鉄甲船も一巴のアイデアとなっており、主人公補正が強い。しかし、それを採用し、現実化させる信長も天才である。しかも、信長は非情であり...
織田信長の鉄砲衆の頭の橋本一巴を描いた歴史小説。信長は鉄砲を活用したことが躍進の理由とされるが、本書では一巴が鉄砲に注目したことが先である。楽市楽座や鉄甲船も一巴のアイデアとなっており、主人公補正が強い。しかし、それを採用し、現実化させる信長も天才である。しかも、信長は非情であり、一巴は報われない。皆が主人公を持ち上げるような主人公補正はない。 織田信長は兵農分離を進めた。これを職業軍人政策と見ることは現代の公務員感覚のバイアスがある。信長の思想は「合戦のないときは、足軽どもに、荷を運ばせ、銭を稼がせる」ものであった(152頁)。信長の兵農分離は民間感覚にあふれたものであった。 「商いというもの、なによりも、人の欲しがるものを長く売るのが肝要」との台詞がある(208頁)。商売の本質が示されている。売ったら売りっぱなしのマンションだまし売りは本当の意味の商売ではない。 信長は仕えたくない主君であった。明智光秀が謀反を起こしたことも理解できる。信長に嫌われた家臣に対して「おまえが仕えるのではない。おまえの砲術が仕えるのだ」と語る台詞がある(427頁)。人間ではなく、スキルで仕える。ジョブ型の発想である。人脈第一のコミュニケーション至上主義の昭和の日本型組織よりも先進的である。
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信長に仕えた鉄砲名人?の橋本一巴の話。 鉄砲伝来と普及、運用と、国内での製造開始や、煙硝の調達などなど、非常に興味深い歴史が背景。 記録にチラリとだけ名前があらわれる人物を膨らませて、とても面白い人として描いているのがスゴイ。 またこの作家さんの小説を読みたいと思えた。 歴史に名...
信長に仕えた鉄砲名人?の橋本一巴の話。 鉄砲伝来と普及、運用と、国内での製造開始や、煙硝の調達などなど、非常に興味深い歴史が背景。 記録にチラリとだけ名前があらわれる人物を膨らませて、とても面白い人として描いているのがスゴイ。 またこの作家さんの小説を読みたいと思えた。 歴史に名前はあるけれど、知らなかった人に出会いたいと思った。中盤以降少しだれたけれど、面白かった。
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鉄砲名人橋下一巴。なるほど題材は面白い。けど『火天の城』以降の山本兼一は何かいまひとつだなぁ。面白いのだが何かいまひとつ。
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時は戦国。天下統一の覇者となる織田信長は諸国の戦闘において新兵器である銃を戦術的に取り入れて勝利を重ねていったが、その銃の調達や開発、果ては銃兵隊の調練に至るまでを行った家臣がいた。 それは織田信長の幼少期から共に歩んだ橋本一把という男。その生涯を描く。 史実とフィクションが織...
時は戦国。天下統一の覇者となる織田信長は諸国の戦闘において新兵器である銃を戦術的に取り入れて勝利を重ねていったが、その銃の調達や開発、果ては銃兵隊の調練に至るまでを行った家臣がいた。 それは織田信長の幼少期から共に歩んだ橋本一把という男。その生涯を描く。 史実とフィクションが織り交ざったものではあるため、この人物像はフィクションなのかもしれないが、戦術家・狙撃手として非常に優秀な人材であるが心根の優しい橋本の人物には好感を抱かずにはいられない。 小説ではあるが、とても大切なことを教わった気がする。 ・世の中を動かすのは金の流れ。世の中のどこに何を回せば、渦が作られ金が動き、果ては時代が動くことを読む。 ・自分の命を差し出さず、離れたところから敵を殺すことができる。だから戦場で笑っていられるのだ。 ・戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。 久々に会う、良い本でした。
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織田信長に鉄砲を指南した橋本一巴について書いた本です。 橋本一巴は織田軍の鉄砲頭であったそうですが、あまり歴史には登場しておらず、この本では織田信長の戦歴にあわせて、橋本一巴がどのように活躍したのかを創作されています。 どうも橋本一巴はずけずけと物を言う人間のようで、たびたび...
織田信長に鉄砲を指南した橋本一巴について書いた本です。 橋本一巴は織田軍の鉄砲頭であったそうですが、あまり歴史には登場しておらず、この本では織田信長の戦歴にあわせて、橋本一巴がどのように活躍したのかを創作されています。 どうも橋本一巴はずけずけと物を言う人間のようで、たびたび信長に疎まれることがあっても、鉄砲の技術だけでなく、戦術の立案にも秀でていたようで、たびたび登用されているのところは面白いです。 ↓ ブログも書いています。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-d684.html
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※このレビューにはネタバレを含みます
信長・テクノクラート三部作の一つ。 織田家鉄炮頭、橋本一巴の鉄炮狂いの生き様を描く。 前二作とは打って変わって、鉄炮一筋に生きながらも鉄炮と自身の存在理由に悩む今回の主人公は、また違った魅力があって面白い。 一巴は鉄炮の存在意義を、天下万民の安寧のために使うことに求めつつも、攻められる側からすれば信長側になんの義があるのか、所詮合戦は己が欲のためにするものではないのかと迷う様は、人間臭くて共感を覚える。 ラストの孫市との決闘シーンも、天下万民のためでもなく、信長のためでもなく、ましてや家族のためでもなく、鉄炮のために生き鉄炮のために散る、まさに職人としての生き方だろう。 最後に解説で作者のことを触れている。 「50代前半はまだ若い、これから歴史の中からどのような物語を紡ぎだしてくれるのか、大いに楽しみだ。」 この言葉が虚しく響く。
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『火天の城』に続き、信長旗下の人シリーズ。 中から、そしてより「庶民」な感覚に近い場所にいる人物の視点だからこそ見えてくる、信長の一面が面白い。 「そう見るんだな~」と、火天の城の信長と似ているけど、やっぱり違う。同じ人を同じような場所から見ていても、見えてくるものはやっぱり違う...
『火天の城』に続き、信長旗下の人シリーズ。 中から、そしてより「庶民」な感覚に近い場所にいる人物の視点だからこそ見えてくる、信長の一面が面白い。 「そう見るんだな~」と、火天の城の信長と似ているけど、やっぱり違う。同じ人を同じような場所から見ていても、見えてくるものはやっぱり違うんだな、と。 個人的に佐々成政がちょくちょく出てくるのが嬉しい!
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織田信長のもとで鉄砲隊をつくり、天下統一をたすけた橋本一巴の生涯が書かれた作品。 鉄砲に魅せられ、鉄砲を極め、鉄砲に人生を捧げた男の話だが、鉄砲の話だけではなく、夫婦間の絆の深さがつたわる部分がすばらしいと思った。
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「火天の城」に続いての一冊。信長に仕える主人公が瀕死の重傷をおい、息子から最終的には尊敬される。 周りの人間があっさりと死んでしまう。 この辺が共通点か? 物語そのものはリアリティがあり、いい意味で愚直な男の生き様が心地良い。
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鉄砲に興味がなくても戦国時代が好きなら楽しく読めます。 有名じゃない人にスポットをあててるので新鮮味があります。 悪い信長がでてくる。
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