やんごとなき読者 の商品レビュー
とっても面白かった!もしエリザベス女王が読書にのめり込んだら、というお話。私の知識不足のせいで、なぜ読書に夢中になることが良しとされないのかが分からなかったけれど、解説を読んで納得。ただ、知的でないことを良しとするイギリス社会への風刺がきいたユーモアに気付けなくても十分に面白か...
とっても面白かった!もしエリザベス女王が読書にのめり込んだら、というお話。私の知識不足のせいで、なぜ読書に夢中になることが良しとされないのかが分からなかったけれど、解説を読んで納得。ただ、知的でないことを良しとするイギリス社会への風刺がきいたユーモアに気付けなくても十分に面白かった。読書にもある種の筋力が必要だとか、本を読んでいなかった時間が惜しいとか、そういった気持ちを身分も国籍も違う女王と私が共有できることが嬉しく、読書の楽しさの普遍性を感じた。
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第144回 「本は暇つぶしなんかじゃないわ。別の人生、別の世界を知るためのものよ」...(2012.6.15) 「本は暇つぶしなんかじゃないわ。別の人生、別の世界を知るためのものよ」 ささいなきっかけから初めて図書館で本を借り、読書の喜びに目覚めた女王陛下。 公務への影響を...
第144回 「本は暇つぶしなんかじゃないわ。別の人生、別の世界を知るためのものよ」...(2012.6.15) 「本は暇つぶしなんかじゃないわ。別の人生、別の世界を知るためのものよ」 ささいなきっかけから初めて図書館で本を借り、読書の喜びに目覚めた女王陛下。 公務への影響を案じる周囲の妨害にも怯まず読み続け、ひとかどの読書家となった彼女はある決断を下します。 作中、陛下は臣民との謁見でも読書の話題から離れられません。 もし彼女に「今何を読んでいますか」と訊かれたら、あなたは何と答えますか?
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エリザベス女王が読書にはまったらどうなるか? という一風変わった設定の本 女王が読書にはまりすぎて日常の仕事がおろそかに…は 思わず我が身を振り返る 本を読まない人に読書を勧めるくだりでは 「止めておいたほうがいいんじゃないかな」と 女王にストップをかけたくなる 最後が秀逸すぎました イギリス上流社会の方々は読書はなさらないんですね 知的でないこと」が美徳、ですか。。
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白水社が出す本と読書に関する作品は外れがない。英国で最も勤勉で読書家なのは中流階級で、上流下流は本を読まず、英国の階級闘争とは、上流下流連合対中流なのだと読んだことがあるが、成程と思った。だから「漁船の絵」の郵便配達人の主人公が本好きなのが妻の目には異様に映るのだ。本好きならやっ...
白水社が出す本と読書に関する作品は外れがない。英国で最も勤勉で読書家なのは中流階級で、上流下流は本を読まず、英国の階級闘争とは、上流下流連合対中流なのだと読んだことがあるが、成程と思った。だから「漁船の絵」の郵便配達人の主人公が本好きなのが妻の目には異様に映るのだ。本好きならやっぱりいつかプルーストを読破せねばと、女王に影響されてしまった。本好きの琴線に触れる傑作。ケンブリッジ公爵ご夫妻は、オーウェルやブロンテと同じ名を持つお子様方を是非本好きに育てて欲しいな。私が女王陛下と違うのは、読書をしない相手に本は勧めない点だ。
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これは本読みでない人にも 「なんか面白い本、ない?」って言われたときに 胸張って薦められる類の本です。 エリザベス女王が読書にハマったら・・・・なんて 設定も面白いし、「そうそう、そーなの、あるある!」の連続で、ついでにイギりスものらしい風刺もそこここでバッチリ効いていて、ニヤニヤしっぱなしです。
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なんという心たのしい一冊であろうか。現職のエリザベス女王が、齢80にして突然読書に目覚めたら・・・という架空のお話。この方は映画になったり、こうして本の主人公になったり、本当に愛されている女王なのだなあ。 何事をも、何者をも「偏愛」してはならぬと教えられ信じてきた女王は「読書をた...
なんという心たのしい一冊であろうか。現職のエリザベス女王が、齢80にして突然読書に目覚めたら・・・という架空のお話。この方は映画になったり、こうして本の主人公になったり、本当に愛されている女王なのだなあ。 何事をも、何者をも「偏愛」してはならぬと教えられ信じてきた女王は「読書をたのしむ」ことは「よろしくないこと」と信じていた、のだが・・・。 王宮の庭に来ている移動図書館をふとしたことから見つけ、毎週本を借りにくる厨房で働く若者が読書の導き手となり、女王は花がひらくように「読者」としての才能を開かせる。女王の変わりようが周囲の者たちを困惑させ、しまいにアルツハイマーを疑われ・・・。 それにしても、なんという洒落た邦題をつけたことか。内容にもぴったり。ああ、たのしかった。
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おめでたい話題の続く英国ですが、この小説は、英国女王エリザベス2世が主人公のフィクションです。日本の皇室では、まず考えられないですよね・・・。 物語は、偶然、一冊の本を移動図書館で借りた女王が読書の楽しみに目覚め、少しずつ変わっていく様子が描かれています。女王の変化にふり回される...
おめでたい話題の続く英国ですが、この小説は、英国女王エリザベス2世が主人公のフィクションです。日本の皇室では、まず考えられないですよね・・・。 物語は、偶然、一冊の本を移動図書館で借りた女王が読書の楽しみに目覚め、少しずつ変わっていく様子が描かれています。女王の変化にふり回される側近の滑稽なこと! 一人の人間として成長していく女王の姿に共感を覚えます。
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職場に、私の親と同年代のすてきな女性がいる おすすめの本を聴いてみたらこれを教えてくれたので、図書館で借りて読んだ エリザベス女王がもし読書に夢中になったら……という仮定に基づく架空のおはなし 装丁にしても内容にしても、余白が多い本だ 出てくる小説家や政治家や文学作品はほとん...
職場に、私の親と同年代のすてきな女性がいる おすすめの本を聴いてみたらこれを教えてくれたので、図書館で借りて読んだ エリザベス女王がもし読書に夢中になったら……という仮定に基づく架空のおはなし 装丁にしても内容にしても、余白が多い本だ 出てくる小説家や政治家や文学作品はほとんど知らないのだけれど、さらっと読めるから不思議 読書や本に関する感じ方や、女王というきわめて特殊な立場のものの考え方にさえも、納得できた たしかに、「本好きにはおすすめの本」だ 解説も親切だった
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「遅すぎる。あまりにも遅すぎる。それでも彼女はいつものように決然と読みつづけ、絶えず遅れを取り戻そうと努めていた。」 「自分の人生を本にするのではない。本を書くなかで人生を見つけるのだ」 「一冊の本は別の本へとつながり、次々に扉が開かれてゆくのに、読みたいだけ本を読むには時間が足りない」
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表紙の雰囲気が素敵です。 金色の女王の横顔に題名がそこはかとなく弧を描いて配置されてる ところが、とっつきやすい感じを演出。 角の唐草模様っぽい模様の色合いも高貴なイメージの色です。 こーゆー風に、今現在の王室を題材にフィクションを書けるってゆーこと 自体、日本とは違うよなーっと思います。 それだけ王室が身近な話題ってこと、なのかしら? 突然読書のおもしろさにはまってしまった女王。 立場上、なにかに夢中になる、とゆーことをしてこなかった。 女王という立場にあるべき生き方を。 するべきことを、周囲の期待を違えずしてきた女王が読書によって 変わっていく。 それは周りにはあまり歓迎されない変化だったが、 女王はかまわず、ひとつの答えにたどりつく。 いろんな作家名がでてきたが、 これらを知っていたらもっと楽しめるのだろう、と思う。 でも、そうじゃなくても、おもしろい。 服装に関するエピソードとか、ちょっとしたやりとりとか、 くすっと笑える。 常にみられる立場にあるってのは大変なんだろうなあっと思ったり。 フィクションと分かっていても、実際あるかも、と思わせるような 女王の心の動きの描き方がうまい。
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