苦節十年記/旅篭の思い出 の商品レビュー
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第6回 苦節十年記/旅籠の思い出(もとの全集では別巻。それだけあって雑多だが、どれもよい。特に自伝的エッセイと、なんといっても自分史。) ◇カラーイラスト ◇(旅のエッセイ) ・旅籠の思い出 ・上州湯宿温泉の旅 ・颯爽旅日記 ・東北の湯治場にて ◇(イラスト) ・旅の絵本 ・桃源行 ・つげ義春流れ雲旅 ◇(自伝的エッセイ)★ ・断片的回想記 ・密航 ・自殺未遂 ・四倉の生 ・万引き ・クロという喫茶店 ・妻のアルバイト ・カメラ商開業未遂 ・最初のひとつ ・いつも変わらぬ貧乏話 ・つげ忠男の暗さ ・つげ忠男の不運 ・苦節十年記 ・つげ義春自分史★★★ ◇夢日記 (解題・高野慎三 解説・名人伝 池内紀)
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2009年、つげ義春コレクション(ちくま文庫)の1冊。つげの弟のつげ忠男について書いた2編のエッセイでは、何やら「冷たい兄」であるかのように書いてあるが、つげの作品にはそんなに冷たい人物は登場しないわけであるし、エッセイは誇張ないし大幅削除の残り物なのだろう。長兄と次男のつげ(義...
2009年、つげ義春コレクション(ちくま文庫)の1冊。つげの弟のつげ忠男について書いた2編のエッセイでは、何やら「冷たい兄」であるかのように書いてあるが、つげの作品にはそんなに冷たい人物は登場しないわけであるし、エッセイは誇張ないし大幅削除の残り物なのだろう。長兄と次男のつげ(義春)は中学にも行かずに少年工として家計を支え、不平など全く言わずに働き続けた兄を、つげは最も尊敬する人だとも書く。2人の兄のおかげで中学を卒業できた忠男が、2人の兄を尊敬しないはずがない。
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前半の旅行記に部分は、昭和のにおいぷんぷんで、良き時代だなあと思った。現在でも残っている場所もあるようだが、おそらく単純にさびれてしまっているのではないだろうか。これらの文章の書かれた昭和40年代のあたりは、良い感じでさびれていたのではないかと思う。 後半のエッセイの内容は壮絶。...
前半の旅行記に部分は、昭和のにおいぷんぷんで、良き時代だなあと思った。現在でも残っている場所もあるようだが、おそらく単純にさびれてしまっているのではないだろうか。これらの文章の書かれた昭和40年代のあたりは、良い感じでさびれていたのではないかと思う。 後半のエッセイの内容は壮絶。特に自分記は、こんな人生もあるのかと思えるほど悲惨な内容になっている。
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読み終わってから本棚を見てみて、はじめて半分くらいは新潮文庫版「つげ義春とぼく」で読んでることに気が付いた。でも面白いからいいです。 僕がつげ義春読み始めたのは大学生の頃で、そのころすでに、それなりのサブカル系漫画ファンなら必ず誰でも名前を知っている伝説の作家だったと思う。それが...
読み終わってから本棚を見てみて、はじめて半分くらいは新潮文庫版「つげ義春とぼく」で読んでることに気が付いた。でも面白いからいいです。 僕がつげ義春読み始めたのは大学生の頃で、そのころすでに、それなりのサブカル系漫画ファンなら必ず誰でも名前を知っている伝説の作家だったと思う。それが本人自筆の年譜を読むと80年代ずっとノイローゼに苦しんでいたという。ちょうど映画にもなった「無能の人」のころで、このギャップが不思議だ。 ただそんな87年、子供に買ったファミコンで気をまぎらわせ、「スーパーマリオ?をクリアする」なんて書いてあるのを読んで、ああ本当に同時代に生きていた人だったんだ、と少しホッとした。
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