成功する治療院経営バイブル の商品レビュー

高瀬智亨【著】

2012/12/12

治療院専門税理士さんが書いた本ということで期待して読ませていただきました。
本書の内容は、これから独立開業をしようと考えている治療院経営者が知っておくべき経営と会計と法律に関して説明している一般的な概説書でです。
もちろん治療院経営者なら本書に書かれているような基礎知識は知っておかなければならのは当然ですが、本書を読んだからといって治療院経営に成功できる内容は書かれていません。
本書が想定している読者層は整骨院・接骨院の経営者なので、これから整骨院・接骨院を開業しようとしている経営者には参考になるところはあるでしょう。

2011/03/28

治療家が患者の痛みやストレスを緩和する「技術」を習得することは、とても重要である。しかし、成功する治療院経営に必要な条件は、「技術の習得」だけでは足りない。「売上を上げる仕組みのマーケティング」と「治療院を維持していくためのマネジメント」を加えたい。（Amazon.co.jp）

治療院専門税理士が著者だけに、しっかりと地に足をつけた内容になっている。治療家経営者が最も陥りやすい「腕が良ければ客はついて来る」という自己満足的な思想をバッサリ斬り捨て、マーケティングとマネジメントの重要性を教えてくれる。確かに技術力が高い治療院は集客力はあると思うが、そういう治療院は得てしてマーケティングやマネジメントもしっかりしている所が多い。ホームページや院内便りなどの定期的な情報発信をしたり、患者さんと距離を近づけるお礼状や体操教室などを開催しているのだ。患者さんだけを治療するだけで経営していこうと思えば、集客にも限界があるし、治療院の発展性も限られてしまう。

参考になったマーケティング戦略としては、「CTPTマーケティング」だ。簡単に説明すると、どのようなサービス（コンセプト:C）を誰に（ターゲット:T）どのような過程で（プロセス:P）どのような媒体（ツール:T）を使用するかというもの。真新しさもない当り前の戦略なのだが、切り口を断面化することで訴求力も高まるし要因分析もしやすくなる。治療院は提供できるサービスが限られるため、繊細な患者ニーズのマッチングはとても重要だ。本著の後半からは、会計・税務関係がメインになり、知識の刷り込みが更にできる。ただ、税金関係は年度毎に改正される可能性がある。現政権下でも、配偶者控除の是非が論議されているみたいだし、最新情報は常にチェックする習慣をつけたい。

全体的に新しい発見こそ無かったのだが、成功した治療家経営者になるためには良書だと思う。治療院経営のノウハウを広範囲にわたって紹介してくれるので、これから開業される方や開業希望者の方はオススメかな。