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城の中のイギリス人 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2013/12/09

澁澤さんの他著にて知り、読みました。 こういう小説なんていうのかな、怪奇小説でいいんだろうか。 ある男の、城の中で行われる淫靡で破滅的な行為の数々。その城に招かれた主人公はこれまで見たこともないような料理などのもてなしを受ける。 その料理の描写が実に細かい。徹底的に細部まで...

澁澤さんの他著にて知り、読みました。 こういう小説なんていうのかな、怪奇小説でいいんだろうか。 ある男の、城の中で行われる淫靡で破滅的な行為の数々。その城に招かれた主人公はこれまで見たこともないような料理などのもてなしを受ける。 その料理の描写が実に細かい。徹底的に細部まで書ききったその料理がゲテモノだったりするのが残念だが(笑) さすがに物語終盤、母子を「壊す」シーンは気分が悪くなった。 そして、すごく読みやすい訳をつけている澁澤さんありがとうございます!序盤で黒人の言った台詞、「おっと合点承知の助」には声を出して笑いました(笑)原文は何て書いてあったんだろう?

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2013/10/22

タイトルからはまったく想像できない程の衝撃的な作品です。訳者の渋沢龍彦さんが”文学的ポルノグラフィティー”と言うように、エログロ色の強い作品になってます。心臓の弱い人は読まないでね。 九州大学 ニックネーム:稲生平八郎

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2011/04/17

女性差別と言われれば、その通り。人間に対する冒瀆だと言われれば、それも否定できない。でも私は、この小説を評価せずにはいられない。それは何故か。それはきっと、私の中にも破壊への欲望があるからだと思う。 この小説の中には、当然あるだろうと思われる被害者の声(嘆きや怒りなどによる叫び、...

女性差別と言われれば、その通り。人間に対する冒瀆だと言われれば、それも否定できない。でも私は、この小説を評価せずにはいられない。それは何故か。それはきっと、私の中にも破壊への欲望があるからだと思う。 この小説の中には、当然あるだろうと思われる被害者の声(嘆きや怒りなどによる叫び、感情の露出)が描かれない。描かれるのは、もっぱら行為そのものとモンキュの思想だ。そのことが、この小説をただ一つの場所へと収斂させていくような気がする。 モンキュは言う。「エロスは黒い神である」と。 自身の欲望に従って生きること、また、人を人とも思わない残虐な行為も、すべて人間から発することなのだ。そこから目をそらして生きることも可能だろう。しかし、そうではない生き方、そうではないどころかそれを実行に移す生き方、それがモンキュの生き方だ。そして、それを本当の意味で否定できる者が、一体、存在しているものだろうか? だから、エロスは神、しかも黒い神なのだと思う。

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2011/02/25

「この書物は闘牛の一種と思っていただきたい」最初の頁でこのようにお願いされた本書。成る程、闘牛とは言ったもので、こちらは読み始めから体中がむんむんと熱気で汗風呂状態になる。 なにせ変態オンパレード。 先日読んだ変態好辞苑をそのまま引っ括めてぶち込み、ゴキブリの如く黒光りさせ、グロ...

「この書物は闘牛の一種と思っていただきたい」最初の頁でこのようにお願いされた本書。成る程、闘牛とは言ったもので、こちらは読み始めから体中がむんむんと熱気で汗風呂状態になる。 なにせ変態オンパレード。 先日読んだ変態好辞苑をそのまま引っ括めてぶち込み、ゴキブリの如く黒光りさせ、グロテスクだけれども薄気味悪く光る世界を創り出している。 でも最初の方で黒人が「合点、承知の助」と言うのだけれども合点承知の助って、ギャグ?その言葉の起源なんか知らないけどそれは無くない?合点承知の助って、合点承知の助って、合点承知の助って・・・

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2010/12/27

猟奇とエロスの間には薄皮一枚の隔たりしかないことを教えてくれる本。 夢中になって読み耽って、一気に読破しちゃいました。 陰惨で淫猥で、あらゆる背徳のオンパレードなんで万人にはお勧めできないけど、 しばしモラルを忘れて窮極の快楽を妄想してみるのも一興かと。 金も暇も権力もあって...

猟奇とエロスの間には薄皮一枚の隔たりしかないことを教えてくれる本。 夢中になって読み耽って、一気に読破しちゃいました。 陰惨で淫猥で、あらゆる背徳のオンパレードなんで万人にはお勧めできないけど、 しばしモラルを忘れて窮極の快楽を妄想してみるのも一興かと。 金も暇も権力もあって、昔の貴族にはこういう狂人が本当にいたんだろうなー

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2012/08/18

いや、すごいものを読んでしまったorz。元はと言えば、朝日新聞の土曜別刷り版に掲載されていた書評なのだが。作者の序文中の言葉を借りれば、「地獄の安全弁をふっとばしてしまった」ような作品。しかしこれ、全国紙に本文をそのまま掲載することはありえないだろうに、書評なら許されるのだなぁ・...

いや、すごいものを読んでしまったorz。元はと言えば、朝日新聞の土曜別刷り版に掲載されていた書評なのだが。作者の序文中の言葉を借りれば、「地獄の安全弁をふっとばしてしまった」ような作品。しかしこれ、全国紙に本文をそのまま掲載することはありえないだろうに、書評なら許されるのだなぁ・・・。うーーん。何か、肉食系の欲望を突き詰めるとこうなるのではないか、といった感じ。何事も極めるというのは大変なことです・・・。未成年者と残酷なものが駄目な人にはちょっとおすすめしません。

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2009/10/04

装丁の美しさに負けて購入。(大好きな色なんだもの...) 澁澤が『血と薔薇』で紹介していた「イギリス人」の全訳。 読後1週間、悪夢を頂戴した。 鋭く視覚的な描写、刺々しいまでの色彩感覚。 あらゆる境界はあえなく溶かされ、マンディアルグの世界に流出してゆく思いだった。 言葉の無力...

装丁の美しさに負けて購入。(大好きな色なんだもの...) 澁澤が『血と薔薇』で紹介していた「イギリス人」の全訳。 読後1週間、悪夢を頂戴した。 鋭く視覚的な描写、刺々しいまでの色彩感覚。 あらゆる境界はあえなく溶かされ、マンディアルグの世界に流出してゆく思いだった。 言葉の無力に打ちひしがれ、鬱屈していた私を字義通り鞭打った一冊。 マンディアルグ、素晴らしい。 いつかフラ語で読みたい。 ※ほか生田訳もあります。これは文庫で手に入る。

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