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女たちは二度遊ぶ の商品レビュー

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159件のお客様レビュー

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2009/11/19

男女の出会いと別れについて描いた11個の話。 基本的に男目線なんだけど、それぞれのタイトルに「どしゃぶりの女」「平日公休の女」とつけられているように、キーを握っているのはいつも女性です。 この連作短編の特徴は、「こんな恋愛もあったな」という語り方ですね。 すでに思い出になってい...

男女の出会いと別れについて描いた11個の話。 基本的に男目線なんだけど、それぞれのタイトルに「どしゃぶりの女」「平日公休の女」とつけられているように、キーを握っているのはいつも女性です。 この連作短編の特徴は、「こんな恋愛もあったな」という語り方ですね。 すでに思い出になっていることを、主人公が語っていく、という形式は珍しくないけど、その語り方が「昔こんなに好きな女がいた」とか「忘れられない恋がある」というよう形ではなく「こんな女がいたな」と、ある意味で「本気でない恋愛」を語るところがこの作品の軸だと思います。 「本気じゃない」の意味するところが字義通りかどうかは難しいところだけど、きっとそこらへんにタイトルの「遊ぶ」に込められた意味と、吉田修一が現代の恋愛に感じるところが表現されているのではないかと勘繰っています。(「本気でない」という言葉は著者のものではなく、私の個人的な感覚です) 吉田修一の恋愛小説は、「東京湾景」もそうだったけど、いつもクールな感覚を受けます。 クール、いや違うかな、ヒリヒリするとでもいうか。 所々で、必ずしも恋愛的な要素だけじゃないけど、ヒリヒリするような共感の仕方をします。 あと、これは恋愛小説だけじゃないんですが、吉田修一が描く主人公の男たちは、時折危うさを見せることがあります。暴力性とか攻撃性とか、しかもそれを自分の感情に裏付けられた行動じゃなくて、むしろアンビバレントな感情を抱きながら逆の行動とか心にもない言動をしてしまうような危うさ。 そういうところに、異常に共感してしまうことがあります。 そして、そういう吉田作品の危うさに共感する時にはいつも、自分が「生きている」ということを強く感じさせられる。いや「生きている」というよりはもっと俗っぽい感じ。「暮らしている」感覚という方が近いかな。 自分がどうしようもなく「暮らしている」「生きている」ということの痛感。 それは良くも悪くもあって、元気になることも鬱になることもある。 的外れな感覚なのかもしれないけど、彼の小説のそういうところが好きです。

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2009/10/29

短編小説。 女たちの心情がなぜここまで書けるのか? 不思議である。 タイトルにも惹かれるが、読んでみると内容にも惹かれる一冊だった。

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2009/10/04

こういう女性はいそうだと思ってしまいます。男と女の考え方の違いとは・・・そういうことを思いながら読みました。

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2009/10/04

誰も掬い取らなかった「さりげない現実」や「さりげない人間像」を切り取り、実に面白かった。吉田修一は短編の名手となったなあ。

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2009/10/04

男の目線から描いた女性と男性の人間模様。 これがただの恋愛物語でないところがとても面白い。 吉田修一氏の本はこれが初めてだけど、グッと引き込まれるような感覚に襲われたかと 思うと、またバッと引き離されたような感覚に陥るところが何だか不思議である。 ホラーかと思えば、恋愛ものだった...

男の目線から描いた女性と男性の人間模様。 これがただの恋愛物語でないところがとても面白い。 吉田修一氏の本はこれが初めてだけど、グッと引き込まれるような感覚に襲われたかと 思うと、またバッと引き離されたような感覚に陥るところが何だか不思議である。 ホラーかと思えば、恋愛ものだったり、はたまた人生の駆け引きだったり・・・。 二度遊ぶというのは結局のところ、女のほうが男より上手なのよってことなんだろうか?

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2009/10/04

ずっと読んでいる本が進まずに寄り道がてら読んだ本だった。さくさくと読み進め、二日で読み終わった。 吉田修一という人の様々な視点から手法を変えて文章を書くことの出来る才能に驚き、とても楽しく読むことができた。 ここに描かれる11人の女性はどの人も個性が強いが、世の中に存在しそうな人...

ずっと読んでいる本が進まずに寄り道がてら読んだ本だった。さくさくと読み進め、二日で読み終わった。 吉田修一という人の様々な視点から手法を変えて文章を書くことの出来る才能に驚き、とても楽しく読むことができた。 ここに描かれる11人の女性はどの人も個性が強いが、世の中に存在しそうな人ばかりだった。 男性の作家が描く小説の中の女性はいつも興味深く読んでいるが、吉田修一の表現する女性は、対象に敬意を表しているように感じた。だからと言って媚びて美しく描いているわけではなく、リアルに生々しく描かれているのだが、なぜだか愛情と優しさを私は感じた。

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2009/10/04

男の目線として、女の人をこんな風に捉えられるのは、 この作者さんは、もしかしたら女の人に人気のある人なのかな、と思いながら読みました。  そんな妄想した自分が悪いのですが、  この女性を見る目線に立つ男の人物像が、  こざっぱりとして、女ウケして、要領よく生き...

男の目線として、女の人をこんな風に捉えられるのは、 この作者さんは、もしかしたら女の人に人気のある人なのかな、と思いながら読みました。  そんな妄想した自分が悪いのですが、  この女性を見る目線に立つ男の人物像が、  こざっぱりとして、女ウケして、要領よく生きてて・・・  と、何とも腹立たしい(←ただの好みの問題)気持になったので星みっつ。 ★祝100冊目。

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2011/09/12

別におもしろくない訳じゃなくて、結構おもしろくさらっと読めるのだけど、私は吉田修一さんのもっとどろっとした濃い作品の方が好きなので、あっさりしすぎて物足りない。期待してただけに残念。

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2009/10/07

09/03/15読了 言葉にできないような感情をきちんと書いている。こういう短編集が好き。この作者も好き。

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