33個めの石 の商品レビュー
テーマごとに文章がまとめられているが、わたしにはそれが読みにくかった。多分毎回話が変わって頭がこんがらがるからだ。 人工中絶のところが1番興味深かった
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33個めの石にはなるほどと感銘をうけました。亡くなれば、平等に追悼するのはしごくあたりまえである。福知山脱線事故では 運転手は追悼から外されたのは残念だ。赦すことの難しさを象徴的に感じられた。
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「無痛文明」という言葉を目にして著者にたどり着き、軽いものから探して読んでみた。短くまとまっていて読みやすい。殺人や戦争、生命倫理などの重い主題について、易しく、そして優しく述べられていた。
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1つの話題は2ページで終わるのでとてもあっさりしている. そのテーマについて掘り下げるというよりは、思いついたことをさらりとめもしてみたような文章. 時折話題にのぼる未来においての科学的、医学的な問題はかなり著者のバイアスのかかった想像に基づいているのがやや気になった. 哲学者だ...
1つの話題は2ページで終わるのでとてもあっさりしている. そのテーマについて掘り下げるというよりは、思いついたことをさらりとめもしてみたような文章. 時折話題にのぼる未来においての科学的、医学的な問題はかなり著者のバイアスのかかった想像に基づいているのがやや気になった. 哲学者だが、自身の情感、後ろめたさなどもたっぷりと記述しているところに好感がもてる. アメリカの大学での無差別殺人事件で犯人にも追悼の石(33個目の石)を置く人がいれば、取り除く人がいた.大学は犯人の墓石は作らなかったし、日本の福知山線脱線事故でも運転士の追悼がなされなかったエピソードなど、どちらもすっきり割り切れる問題ではないが心に引っかかるものがあった.
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33個目の石という話をご存じですか お金にならない事実はニュースにすらならないようです 恨みつらみや癒しは手っ取り早くお金になりニュースになります しかし波立たない事実は興味を惹かず気休めにもならないので お金儲けになりにくいのでしょう 33個目の石とは あの有名な...
33個目の石という話をご存じですか お金にならない事実はニュースにすらならないようです 恨みつらみや癒しは手っ取り早くお金になりニュースになります しかし波立たない事実は興味を惹かず気休めにもならないので お金儲けになりにくいのでしょう 33個目の石とは あの有名な無差別乱射事件 バージニア工科大学で32人が殺された話です 犯人もその場で自殺しました 殺された32人の家族が供養のために石を32個並べたのだそうです 最後に自殺した犯人のために置かれた石が 33個目の石だったのです その後学校側で供養のモニュメントをつくったそうですが そのときは32個で設計されたということです 人の集いを通り越して公的集団になると 心がかたくなになるようです 心を閉ざした悪魔の世界では悲惨な話を好み 尾ひれを付けてお金を絡めて話題にしますが こんな静かな事実はお金にむすび付かず喜べないので ニュースにもならないわけです
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2006年、バージニア工科大学で学生が銃を乱射32人の学生、教員を死傷させた事件から読みとる現代社会の中での命とは何か。なかなか含蓄の深いエッセイ集。
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この本を読んだから何かがわかるという本ではない。読んだあとからが世界に問いを発する始まりの本。 ~主義だとか~論というようなお堅いいわゆる哲学語は出てこない。しかし、人の命や価値であったりその集合体である社会について、現代に生きる私たちが直面している様々な痛みをテーマとしたエ...
この本を読んだから何かがわかるという本ではない。読んだあとからが世界に問いを発する始まりの本。 ~主義だとか~論というようなお堅いいわゆる哲学語は出てこない。しかし、人の命や価値であったりその集合体である社会について、現代に生きる私たちが直面している様々な痛みをテーマとしたエッセイ群をもって、現代のほころびにびしびしと疑問が投げかけられている。 どこかおかしい現代の社会や科学に「ちょっと待った、それでいいの?」と問いかけるために今私たちが考えるべきことがあるんだよ。 赦しについて、自殺について、痛みを忘れてしまいたい社会について。戦争、差別、監視、「みんないっしょに」、歪なこの現代世界につまずく私たちそれぞれが無視していてはいけない、多くの問題を考えるための、現代の哲学入門のたための気づきを与える本。
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「赦す」ということ。著者はそこから書き始めている。 NHKドラマの『白州次郎』で、次郎の妻正子が「赦さなければならない。なぜなら私も赦されているのだから」と独白していた。あの何者も恐れぬ男の妻にして自らが誰よりもエキセントリックな生き方を貫いた白州正子の台詞だった。あのドラ...
「赦す」ということ。著者はそこから書き始めている。 NHKドラマの『白州次郎』で、次郎の妻正子が「赦さなければならない。なぜなら私も赦されているのだから」と独白していた。あの何者も恐れぬ男の妻にして自らが誰よりもエキセントリックな生き方を貫いた白州正子の台詞だった。あのドラマの中で最も耳に残ったひと言だった。 表題の『33個めの石』とは、米国の大学で起きた銃乱射事件の被害者を追悼する32個の石と、事件直後に自殺した犯人を「赦し」ともに弔らおうとして置かれた33個目の石、のことである。大学当局はその33個目の石を公認はせず何度か取り除くのだが、何度除いても誰かが1個置き直す。勿論のことだが著者は、犯行を絶対に「赦せぬ」とする多くの人びとにも共感する。だが、やはり誰かが33個目の石を置いてくれることの救いも公平に賞賛している。 深い話である。やはり哲学と呼ぶにふさわしい。 著者の哲学を貫いているのは素朴なヒューマニズムの感覚だと私は思う。だから宗教の嘘臭さを指摘する。そして教え子の自殺を深い感受性で悼むのだと思う。「どうして自殺はよくないのか、それは私が悲しむからだ、と言いたい気持ちが私にはある」と彼は言う。 「素朴な」とは、上から目線のエラそうな表現だったかもしれない。だが、私自身、なぜ自殺しちゃいけないのか、なぜ人を殺しちゃいけないのか、そして被害者は言うに及ばず加害者の命とてなぜ尊いのか、という問いには、宗教や倫理の小難しい理論じゃなくて、他の事はともかくコレばっかりはいけないからいけないの、と信じたい。だから著者の主張には完全に共感できる。 なぜだか昨今不寛容になってしまった世界。世界ばかりじゃなく若者も年寄りも皆自分流にばかりこだわり、自分サイド以外の存在に不寛容に成り下がってはいないだろうか。私たち自身の悩み苦しみから私たちを救い、ひいては世界をも救う手だては、「33個めの石」の中にある。そのメッセージを私は確かに著者から受け取った。
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作者は哲学者で大阪府立大学教授だそうです。 最近で言うと、『草食系男子の恋愛学』を書いた、 と言われて、本屋でそんなタイトルを見たことがあるなぁ、 と思いつつ読んでみました。 読後感としては、私は、著者の私的意見には賛同できないところは 非常に多かったけれど、深く考えさせられる「...
作者は哲学者で大阪府立大学教授だそうです。 最近で言うと、『草食系男子の恋愛学』を書いた、 と言われて、本屋でそんなタイトルを見たことがあるなぁ、 と思いつつ読んでみました。 読後感としては、私は、著者の私的意見には賛同できないところは 非常に多かったけれど、深く考えさせられる「きっかけ」を与えてくれた本です。 バージニア工科大学・銃乱射事件。 32人が犠牲になった追悼祭で、そっとその犯人(銃で自殺)分の 慰霊のための石が置かれていた、というエピソード。 「赦す」ということ。 私自身がそのような心をもてるのか。。。 心の底から、そう思えるのか。 自分の大切な人を失ったとしたら、私はその犯人を赦せない。 ただ、もし自分が被害者だったら、残った人には、その犯人への憎しみだけで生きて欲しくはない、とも思う私もいます。 考えさせられる「きっかけ」がありました。 ただ、作者のスタンスはチョットどっちつかずで不満あり。
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筆者の極論に偏った意見がすごいしんどい。 自分で問題提起してそれに対して酷評して、こんな世の中おかしいよね? みたくまとめてるのが、すごい独りよがり感を出してて、痛い。 途中途中科学に対する偏見も見られるし、人の意見は一切聞き入れないであろう考え方も見え隠れしてる。 故郷を毛嫌い...
筆者の極論に偏った意見がすごいしんどい。 自分で問題提起してそれに対して酷評して、こんな世の中おかしいよね? みたくまとめてるのが、すごい独りよがり感を出してて、痛い。 途中途中科学に対する偏見も見られるし、人の意見は一切聞き入れないであろう考え方も見え隠れしてる。 故郷を毛嫌いしている考え方が、すごい寂しいと思った。自分のルーツを大事にしない人はちょっと、なぁ。。。。
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