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生涯現役社会のつくり方 の商品レビュー

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2009/12/23

★お年寄りは粗大ゴミじゃない! 私は忙しい生活の方が自分に合っていると思っている。みなさんはどうだろうか?アルバイト、課題、遊びなど理由は様々だが、私は忙しい時、気が付くとよく「風邪なんて引いているヒマはない!」と言っている。つまり、することがあると自然と体調に気をつけているの...

★お年寄りは粗大ゴミじゃない! 私は忙しい生活の方が自分に合っていると思っている。みなさんはどうだろうか?アルバイト、課題、遊びなど理由は様々だが、私は忙しい時、気が付くとよく「風邪なんて引いているヒマはない!」と言っている。つまり、することがあると自然と体調に気をつけているのだ。 これとまったく同じことが、日本の高齢者にも言えると、この本の著者である横石さんは主張している。言い換えると、「おじいちゃん、おばあちゃん達に、もっと活躍の場が必要だ!」ということだ。私はこの本を読んで、高齢化社会に必要なのは、お年寄りを邪魔者扱いすることではなく、お年寄りの活躍する社会を作ることだとわかった。 お年寄りが活躍する社会を作るには、定年後も好きな事を仕事として持つことが1番だ。まさにタイトル通り、「生涯現役」であり続けることである。仕事をすることで適度に忙しくなり、私と同じような考えを持つ人は健康に気を使うようになる。本の中では、お年寄りが仕事を持ち健康を気にかけることで、日本の老人医療費2兆円の削減も不可能ではない、と書かれている。さらに、仕事があると社会と繋がりが持てるし、仕事の成果が評価されると自信がつく。何より、年金のほかに収入が入ることで、お年寄りが自立して暮らせる。ここがポイントである。 偶然にもこの本を電車の中で読んでいる時、高齢と思われる女性に席を譲る機会があった。ところが、「大丈夫です、すぐに降りますから」と、私の申し出は断られてしまった。もしかしたら建前だったのかもしれないが、自分の行動を振り返ってみると、「お年寄りは体が弱いから、席を譲らなきゃ」と思い込んでいるような気がした。このことから、「お年寄りは何も出来ない」と思い込んでいるのは、実はお年寄りではない人達なのだ、としみじみ感じた。社会がお年寄りの可能性を諦めてしまっては、高齢化問題はリスクにしかならない。この本を読むと、「お年寄りが多いからこそ」という社会の仕組みを作ることが、高齢化社会に必要な変化なのだ、という著者の熱意が伝わってくる。私も今度から電車で席を譲る時は、「どうぞ」ではなく「座りますか?」と、相手の意思を確かめる言い方にしようと思う。 誰だっていずれ年を取る。自分がおじいちゃん、おばあちゃんになった時にどんな社会であって欲しいか、想像しながら読んでみると、一層楽しめる本である。 (オススメ人:渡辺 恵津美)

Posted byブクログ