江戸の食生活 の商品レビュー
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-20090430 江戸期の食文化を、列島の空間的ひろがりのなかで大きく網羅的に捉えた著作。武士から町人.農民まで、何が食卓にのぼり、タブーは何だったか、医食同源思想や飢饉時の対応、アイヌ.琉球の多様な食まで。
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振り売りは、貧しい者の生計を立てる方法として理にかなっていた。 粗食を好む者のほうが却って食物の味わいを知ることができる。もし味わいを得たければ一食抜けばよい。 日本の近世社会においては、米に聖なる食物としての価値観が著しく収斂し、代わりに肉が穢れた食物として差別に直結するよ...
振り売りは、貧しい者の生計を立てる方法として理にかなっていた。 粗食を好む者のほうが却って食物の味わいを知ることができる。もし味わいを得たければ一食抜けばよい。 日本の近世社会においては、米に聖なる食物としての価値観が著しく収斂し、代わりに肉が穢れた食物として差別に直結するような形で排除されていた。 山に住む人たちも、山しづ、山がつと呼ばれて、蔑視されていた。 ジオファジア=土食文化 アイヌにも見られる 肉食文化が存在するか否かのバロメーターは、内臓をすべて食べつすくすかどうかにかかっている。
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江戸時代の食生活について、三都などの町や普通の村から、山村、海村、蝦夷、琉球、そして伊豆まで、幅広く詳細に研究した本。資料にうってつけ。
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江戸期を中心に、膨大な文献に基づいて語られる江戸のさまざまなシーンでの食生活を詳述する。獣肉だけをとっても、現代以上に随分とバラエティに富んでいることに驚く。ただ、学術的な価値は認めるが、残念ながら読み物としての面白みには欠ける。
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大都市江戸の食べ物商売は,現代の飲食産業にも匹敵するほどの繁盛ぶり.加えて武士の日記にみる食生活,大名の饗宴の献立や,肉食の忌避とその実態,アイヌや琉球の多様な食生活など,食をめぐる江戸の生活文化を,さまざまな文献を紹介しつつ考察する.日本列島の空間的広がりのなかで,近世の食文化...
大都市江戸の食べ物商売は,現代の飲食産業にも匹敵するほどの繁盛ぶり.加えて武士の日記にみる食生活,大名の饗宴の献立や,肉食の忌避とその実態,アイヌや琉球の多様な食生活など,食をめぐる江戸の生活文化を,さまざまな文献を紹介しつつ考察する.日本列島の空間的広がりのなかで,近世の食文化を大きく捉えた好著.
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