回想のブライズヘッド(下) の商品レビュー
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セバスチアンはなにに苦しんでいたのか。 戦争が人の運命をどう変えたのか。 ジューリアがねぇ。 お父さまはの中国の間。 ひととひとか分かり合えるってことは あるよだろうか。 信仰とはなにか。 カトリックとプロテスタントの違い 雑婚。 結婚は人に幸せをもたらすか 信仰がある人とない人との隔たり レックスとベリルの嫌悪を感じずにはいられない描き方。 うーん。 古き良き時代を懐かしむ長い長い回想。
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これの上巻も含めて何冊か自分が読んだウォーの本の中で、一番文章が心に響いた。英国貴族の没落を描いてアメリカでウケたという内容(ヒイ)。テーマはカソリックにこだわって自分の幸せを見出だせない愚かな生き方なのだろうか。メンツって大事だけど「なんのためのだ?」と気付いちゃうと全てが崩壊...
これの上巻も含めて何冊か自分が読んだウォーの本の中で、一番文章が心に響いた。英国貴族の没落を描いてアメリカでウケたという内容(ヒイ)。テーマはカソリックにこだわって自分の幸せを見出だせない愚かな生き方なのだろうか。メンツって大事だけど「なんのためのだ?」と気付いちゃうと全てが崩壊する。下巻で全く出てこないセバスチャンのように酒浸りになる。その行為こそが神に近付くことだそうで。まあ働かなくても生きてけるならそれも良し。
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最初は大学で知り合ったセバスチャンを通じてブライズヘッド家の人達と知古を得たチャールズだったが,セバスチャンが壊れてしまってからは,疎遠になる.思わぬ再開を果たしたジューリアとの間に恋が燃え上がるのだが,結局,心の底からわかり合うことが出来ずに別れることになる. 途中まではモームの小説のようであったが,最後の最後で不幸な結果となる.結局,ブライズヘッド家の人達は皆,カトリック信仰のために不幸になったように思える.
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上下巻で話が断絶した感がある。下巻の最後で上巻の最初の場面と繋がっている。スティーブン・キングが推薦しているのはイギリスを味あわせる小説である。
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ブライズヘッドという広大な邸宅、そこに住む人々――。華麗にして、精神的苦悩に満ちた回想録。 やはりなんといっても、主人公の友人・セバスチアンの人物造詣が魅力的であった。 貴族の次男であり、大変な美貌の持ち主、そして人を魅了せずにはいられない人柄。 そんな彼が、厳重なカトリックの...
ブライズヘッドという広大な邸宅、そこに住む人々――。華麗にして、精神的苦悩に満ちた回想録。 やはりなんといっても、主人公の友人・セバスチアンの人物造詣が魅力的であった。 貴族の次男であり、大変な美貌の持ち主、そして人を魅了せずにはいられない人柄。 そんな彼が、厳重なカトリックの家(この家がブライズヘッドである)にどんどん蝕まれていく様子が読者をひきつける。家族が彼に構えば構うほど、荒廃していくセバスチアン。ああ、なんと繊細でいて純粋な存在。しかも美しいと来た。彼がその生来の魅力ゆえに、家族の影響を受け流すことができずにいる様が、鮮やかに描かれている。 純粋なものがその純粋さゆえに傷つくのを描写するのは、ときにあざとくなりがちだと思うけれど、本書ではそれが必然的に描かれていて違和感がなかったと思う。 その友人の姿に傷つきながらも、どうすることもできずにいる主人公が、非常に冷静でこれまたよい。彼は後年画家になるのだが、その鬱屈しているとも取れる芸術への傾いだ態度が面白く、説得力があった。 全体的に文章は美しく感傷的なのだが、一方で皮肉っぽく、ときにそれは辛辣にも感じられた。しかし解説によると、この著者の著作ではこの本はむしろ異例で、他の本はもっと突き放した書かれ方だそうである。こ、怖いなぁ。この本でもかなり突き放してると思ったのに。 ちなみに、この本ではセバスチアンの家族をめぐって、かなり宗教的(ほぼカトリック)の話も展開されるが、素人にはそこらへんのニュアンスがさっぱりであった。 カトリックの人が読んだらどう思うのだろう。 下巻では話の展開がややまどろっこしく感じられるところもあったが(ジューリアのところ、私は少々長いと思った)、やはりセバスチアンの存在が大きくて、全体の話を上手く引き締めてくれていたと思った。 しかし私は、話の本文とは関係ないところでちょっと気に入らないところがあったのだ。それは、上巻に解説が載っていて、その解説内で下巻の内容がネタばれされていることである。 どうして下巻に解説をつけなかったのだろう・・・それがわからない。どうして全てを読んでしまう前に、読者の可能性を狭めるようなことをしたのだろう?? 感想を書いてみるとたくさん褒めているのに、評価という点になるとあまりぱっとしない本があるが、これはどうもそれらしい。解説だけが不満の全てではないけれど、なぜか☆3つ。
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