ヨーガの思想 の商品レビュー
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身体の操作により精神の究極の解放を目指す。悠久のインド文明とともに生まれ、現代せれぶたちに愛好されるまでに世界的ブームとなったヨーガ。豊饒にして混沌たるインド思想を通底する特異な身体観とその背景にある哲学的思弁の本質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。 インダス文明の頃には存在していた瞑想の風習は、やがて侵入してきたアーリア人の信仰にも取り入れられていく。4~6世紀に『ヨーガスートラ』が成立し、ヨーガは体系化される(古典的ヨーガまたはラージャヨーガ)。それは生活習慣や坐方、呼吸を整え、次第に自己の内面へと意識を向けていき、最終的に主客の滅却、心の働きの停止を目指す。13世紀には坐方と呼吸法に重点を置くハタヨーガが成立する(古典的ヨーガの予備段階という位置づけ)。
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専門的でわかりにくい部分もあったものの、これまでゴチャゴチャしていたヨーガの成り立ちや歴史がスッキリ整理できた。 欲を言えばヴィンヤーサヨーガなどの新しい流派について、もう少し言及が欲しかった。
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ヨーガは、ストレッチ的な体位がもてはやされているが、瞑想をすることなど宗教的、哲学的な要素の強い面もある。後者の部分を時系列で掘り下げた良書。 ヨーガの基本的な言葉を説明した後、インダス文明、体系化以前のヨーガ、仏教との交わり、古典ともいうべき「ヨーガスートラ」の内容と解説、現...
ヨーガは、ストレッチ的な体位がもてはやされているが、瞑想をすることなど宗教的、哲学的な要素の強い面もある。後者の部分を時系列で掘り下げた良書。 ヨーガの基本的な言葉を説明した後、インダス文明、体系化以前のヨーガ、仏教との交わり、古典ともいうべき「ヨーガスートラ」の内容と解説、現代に多くの影響を与えたハタヨーガ、近代のヨーガ、現代のヨーガと時代を区切って解説している。 世界史の流れの中や他宗教との交わりの中での、ヨーガを深く知ることができた。その意味でも良い本だと思う。
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