海竜めざめる の商品レビュー
海洋で船の事故が多発。各国がそれぞれ罪のなすりあいをするなか、「潜海異生物」が原因と看破した科学者の知見は、「いたずらに不安をあおるだけ」と本気にされない。しかし事態は見過ごしにできないほど悪化し……。 1953年の原作。ラジオが主流の世界で何年にもわたって起こる怪異を描くSF...
海洋で船の事故が多発。各国がそれぞれ罪のなすりあいをするなか、「潜海異生物」が原因と看破した科学者の知見は、「いたずらに不安をあおるだけ」と本気にされない。しかし事態は見過ごしにできないほど悪化し……。 1953年の原作。ラジオが主流の世界で何年にもわたって起こる怪異を描くSFで、少しまったりしているところもあるのだが、その正体不明なところと、じわじわ真綿で首を絞めるように事態が悪化していくところ、各国の罪のなすりあい、経済こそ大切だと唱える人々、デマの流布など、パンデミック下の今読むと、どれもこれも思いあたることばかり。SF作家ってやっぱりすげえなと思わされる。 星新一の訳文がすごく読みやすいことに感激。下訳者がいたかどうかは知らないけど、星みもたっぷりあるので、ちゃんと星さんが自分で手がけた訳業なのだろう。
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この度、細々と続けてきたHPをワードプレスに移転することにしました。 それを機会に更新頻度を上げようと思います。 更新第一弾として、この作品を選び、読み比べてみました。 深海の宇宙怪物 (SFこども図書館 3) https://sfklubo.net/the-krake...
この度、細々と続けてきたHPをワードプレスに移転することにしました。 それを機会に更新頻度を上げようと思います。 更新第一弾として、この作品を選び、読み比べてみました。 深海の宇宙怪物 (SFこども図書館 3) https://sfklubo.net/the-kraken-wakes1/ 海竜めざめる 星新一訳新旧 https://sfklubo.net/the-kraken-wakes2/ 『海底の怪』国松文雄訳 元々社〈最新科学小説全集 第4〉 https://sfklubo.net/out-of-the-deeps/ ボクラノエスエフ 近い過去に潰えていた夢 https://sfklubo.net/bokuranosf/ 編集後記&参照リンク集&コメントコーナーなど http://sfkid.seesaa.net/article/468464332.html
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ハヤカワ銀背、文庫での星新一翻訳とSFこども図書館の長新太イラストで堪能できる!叢書が途絶えてしまったボクラノSF版。お話では結構ヘヴィーなグロシーンがあるのに、このゆるいイラストに油断させられるという福音館書店の企画、恐るべし。。。
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読み始めでは、まさかこういう話になるとは思わなかった。 登場しない相手、長期にわたる展開。 SFを小説で読む醍醐味は、こういうのなんじゃいかと思う。映像では伝わらない面白さがある。 星新一の文章が、事態を深刻に感じさせず、この世界観に合っている。 ひたひたと水没していく世界は、い...
読み始めでは、まさかこういう話になるとは思わなかった。 登場しない相手、長期にわたる展開。 SFを小説で読む醍醐味は、こういうのなんじゃいかと思う。映像では伝わらない面白さがある。 星新一の文章が、事態を深刻に感じさせず、この世界観に合っている。 ひたひたと水没していく世界は、いつか起こりえる現象だと思うと、まるで作り話とも思えないところが、SFの恐いところだ。
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SF。破滅SF。海洋SF。 宇宙からの侵略ものだが、実際に怪物と闘うシーンは意外と少ない。 世界各地での被害と、それに対する人類の対応、さらには自然環境も絡めた地球の危機を詳しく描いている印象。 怪物の正体、今後の人類の行方など、少しモヤモヤした感じは残るが、スケールの大きさと文...
SF。破滅SF。海洋SF。 宇宙からの侵略ものだが、実際に怪物と闘うシーンは意外と少ない。 世界各地での被害と、それに対する人類の対応、さらには自然環境も絡めた地球の危機を詳しく描いている印象。 怪物の正体、今後の人類の行方など、少しモヤモヤした感じは残るが、スケールの大きさと文明批評は魅力的。
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[ 内容 ] 相次いで目撃される謎の火球。 それと呼応するように、海で続発する異変。 そして静かに忍び寄る破滅。 世界の終末を鮮やかに描き出した名作。 イギリスEBC放送の職員マイク・ワトソンは妻フィリスとの新婚旅行の最中、アフリカ北西の大西洋上で、海に落下する数個の赤い火の玉を...
[ 内容 ] 相次いで目撃される謎の火球。 それと呼応するように、海で続発する異変。 そして静かに忍び寄る破滅。 世界の終末を鮮やかに描き出した名作。 イギリスEBC放送の職員マイク・ワトソンは妻フィリスとの新婚旅行の最中、アフリカ北西の大西洋上で、海に落下する数個の赤い火の玉を目撃する。 同様の火球の目撃談が世界各地で相次ぎ、それと呼応するように、海で続発する異変。 火球の落下点の調査に向かった潜水艇は、忽然と行方をくらまし、原因不明の船舶事故が次々と報告される。 そして、海流は不気味に色を変え……。 火球と海で起きた異変との関連を指摘し、警鐘を鳴らす冷静な声は、人々には届かず、国ごとに異なる利害、そしてそれぞれの思惑から、国家間では疑心暗鬼が渦を巻き、国際協調も進まない。 世界で何が起ころうとしているのか。 何一つはっきりとしたことはわからないまま、場当たり的な対応が繰り返される。 そして、静かに、緩慢に。 終末は深海から訪れる。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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NHKのダイオウイカに興奮→ミエヴィルの「クラーケン」に手を出す→パンクでちょっとしんどくなったので、昔懐かしい The Kraken Wakes 「海竜めざめる」に浮気。岩崎書店版の「深海の宇宙怪物」に衝撃を受けたのは小学校の時。長新太さんのこの絵はかわいいのにとても怖かったの...
NHKのダイオウイカに興奮→ミエヴィルの「クラーケン」に手を出す→パンクでちょっとしんどくなったので、昔懐かしい The Kraken Wakes 「海竜めざめる」に浮気。岩崎書店版の「深海の宇宙怪物」に衝撃を受けたのは小学校の時。長新太さんのこの絵はかわいいのにとても怖かったのをよく覚えている。原作のこわさがしっかりと映像化されている。最初に読んだSF(空想科学小説?)が小学一年生の時の「宇宙戦争」だったせいか、イギリス破滅SFはわたしの原点でもある。特にこの作品の持つ閉塞的な恐怖は忘れられない。
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とても面白い。 深海のイールでは怪物の正体に興冷めしたが、このくらい徹底して最後まで謎のままだと緊張が途切れず読み進められる。
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侵略ものSF。侵略者が実に地味に攻めてくる。現実に海面が上昇している現在、人類はさらに地味に攻められている。 星新一訳だからといって中身が星風というわけではない。
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地名がいっぱい出てくる。よく調べたなぁ~。 ジャーナリストが取材を通して、危機に翻弄されるだけではなく、生き方の選択もする、というのは、いまどきのSFっぽい。 世間から評価されない博士がマッドサイエンティストばりに奮闘する様は古いSFを感じる。 オチは宇宙戦争っぽいね。肩透...
地名がいっぱい出てくる。よく調べたなぁ~。 ジャーナリストが取材を通して、危機に翻弄されるだけではなく、生き方の選択もする、というのは、いまどきのSFっぽい。 世間から評価されない博士がマッドサイエンティストばりに奮闘する様は古いSFを感じる。 オチは宇宙戦争っぽいね。肩透かし。 結局、深海に潜むのは何者だったのかは描かれず、こちらももやもや。 絵がふんだんに入っていて、それだけで楽しい本。
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