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赤い月、廃駅の上に の商品レビュー

3.6

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2013/06/05

「鉄道」と怪奇が共通点となる短編集。 有栖川有栖さんの怪奇小説は初めて読みましたが、大当たりです。 わかりやすい気持ち悪さやグロさ、恐怖から少しずれた、わかったかどうかわからない、けどぞっとする、そんな作品がぐっときました。 夢の国行き列車 …かつての万博少年が行き着いたの...

「鉄道」と怪奇が共通点となる短編集。 有栖川有栖さんの怪奇小説は初めて読みましたが、大当たりです。 わかりやすい気持ち悪さやグロさ、恐怖から少しずれた、わかったかどうかわからない、けどぞっとする、そんな作品がぐっときました。 夢の国行き列車 …かつての万博少年が行き着いたのは…。切なく悲しい話。けれど、トンネルの向こうからは、温かい風が吹いているような気がします。 密林の奥へ …密林に雨が降る。そして、森が育つ。得体のしれないぞっとする話です。ありえないんだけど、そう笑ってすませられない。一番怖かったかも。 テツの百物語 …ラストシーンが秀逸。何が起きてるかわからないなりにめっちゃ怖いんだけど、最後の一行に救われます。 貴婦人にハンカチを …いい話。ちょっと嬉しくなる。一つ前の作品とつながってるのかと思いましたが、たまたまですね。 黒い車掌 …あの駅を出たあたりから、車掌がどんどん黒くなっていく。これ、めっちゃ怖いです。主人公が、絶望的な結論に自分で気づいてしまうところとか、それでも毅然としているところとか。 海原にて …日本近海を航行する調査船から見たものは… シグナルの宵 …バーの常連が自殺し、四十九日に合わせ、双子の弟が飲みにくる。 最果ての鉄橋 …最近の三途の川は、鉄道でわたるらしい。死後の世界なのですが、登場人物ひとりひとりが生き生きとして、清々しい作品。ラストも予定調和なが、ちょうどよく意外でいい。 赤い月、廃駅の上に …「愛の駅」として有名な駅で、深夜現れた「彼ら」 途中下車 …Y駅で見つけたのは、「アタシャール」という看板。もっともよくわからないながら、気持ちのいい話。読後感のいい作品がラストで気持ちいい。

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2012/12/23

図書館より。 鉄道がテーマとなる怪談短編集。 一番鮮烈な印象を残したのは表題作の『赤い月、廃駅の上に』 バイクで旅をする少年が廃駅で一晩過ごすことになる話です。 この短編集の中で群を抜いて怖かった…ほかの短編が怪談や奇談といった趣の直接的な怖さ以上に不気味さを伝えるような作風の...

図書館より。 鉄道がテーマとなる怪談短編集。 一番鮮烈な印象を残したのは表題作の『赤い月、廃駅の上に』 バイクで旅をする少年が廃駅で一晩過ごすことになる話です。 この短編集の中で群を抜いて怖かった…ほかの短編が怪談や奇談といった趣の直接的な怖さ以上に不気味さを伝えるような作風のものが多かっただけになお一層この作品が際立った感じがします。 『途中下車』は見知らぬ駅で下車をしその周りをぶらつくのが趣味というサラリーマンが主人公。 これはなんとも怪談らしい話。不気味さの中に切なさもあって巧い感じがしました。主人公の趣味が自分と少し被っていたのもこの話が印象的だった理由かな? 有栖川さんらしい作品なのは『貴婦人にハンカチを』 見知らぬ女性と乗り合わせることになった男が主人公。 話自体はありがちかもしれませんが、ラストの主人公の一言がきざでロマンチックなのが有栖川さんらしいなあ、と思わずにやり。 『最果ての鉄橋』は死んでしまった人たちがあの世に行くために乗る列車の話。 妙に現実的なあの世への横断方法やその列車から脱出しようとする人々の奮闘などが面白かったです。

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2012/11/13

不思議だったり不気味な話を集めた全十編の短編集。タイトルの通り、全編に電車や駅が関係します。 ペンネームを登場人物にする手法が苦手なため、昔アンソロジーで読んだっきりで敬遠していた作家ですが、これは推理ものじゃないので大丈夫でした。 大半がダークな話ですが、そのわりに読後...

不思議だったり不気味な話を集めた全十編の短編集。タイトルの通り、全編に電車や駅が関係します。 ペンネームを登場人物にする手法が苦手なため、昔アンソロジーで読んだっきりで敬遠していた作家ですが、これは推理ものじゃないので大丈夫でした。 大半がダークな話ですが、そのわりに読後感が爽やかだったり救いがあったりして楽しく読めました。この感覚は恩田陸『朝日のようにさわやかに』に通じるものがあります。 お気に入りは「黒い車掌」と「最果ての鉄橋」。 あと「海原にて」は…将来この話のとおりにならないよう祈るばかりです(笑)

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2012/07/13

有栖さんの文章は大好き。 安定してて安心。 鉄道絡みの少し不思議な話たち。 ちょっとゾクッとさせて、優しくて、切ない―― 帯にある通りだ、凄い。 なんかこう、優しい感じなんよね、有栖さん作品。 『最果ての鉄橋』はラストに笑っちゃったよ。 これ、あの世も見てみたいな。

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2012/04/01

何かが、くる。 一人もしくは一匹ではない。 (夢の国行き列車/密林の奥へ/テツの百物語/貴婦人にハンカチを/黒い車掌/海原にて/シグナルの宵/最果ての鉄橋/表題/途中下車)

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2011/10/15

作者の名前だけは聞いたことがあるのに読んだことナシ。→借りてみる。 短編。どれも鉄道に関するもので少しゾッとする内容。後から話を思い出すのかな?

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2011/09/13

電車をめぐる10個の珠玉の短編集。 笑いあり涙あり感慨深くそして何思う。 アリスよ、てっちゃんだからって!! 旅は電車(しかも鈍行)にのってゆっくり、 ゆっくり急がないでまるで人生のように、 楽しみながらいっぱいの酒でも飲んで、 目標にでもつけたら楽しいんじゃないかな...

電車をめぐる10個の珠玉の短編集。 笑いあり涙あり感慨深くそして何思う。 アリスよ、てっちゃんだからって!! 旅は電車(しかも鈍行)にのってゆっくり、 ゆっくり急がないでまるで人生のように、 楽しみながらいっぱいの酒でも飲んで、 目標にでもつけたら楽しいんじゃないかな。

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2011/09/09

鉄道をテーマにした怪談集。 「幽」という怪談専門誌で連載されていたものを、まとめたもの。 短編で読みやすかった。 廃線となった鉄道や、寂れた駅舎など ノスタルジックな情景が浮かんでくる作品でした。 ***************************************...

鉄道をテーマにした怪談集。 「幽」という怪談専門誌で連載されていたものを、まとめたもの。 短編で読みやすかった。 廃線となった鉄道や、寂れた駅舎など ノスタルジックな情景が浮かんでくる作品でした。 *********************************************************** 内容紹介 有栖川有栖の新境地! 初の幻想怪談集。 赤い月の光----。それは邪気を招く不吉な月。 鬼月が出た夜は、異界への扉が口をあける・・・。 17歳の引きこもりの青年が、クロスバイクで旅に出た。 四日目にある町の廃線跡の駅舎に辿り着き、野宿をする。 そこに現れた鉄道忌避伝説を追う30代の鉄ちゃんライターの佐光。 空に赤い月が出ているのを見た青年は不気味さを振り払おうとダベり始める。深夜に差しかかるころ、佐光はトイレに行くため駅舎を出る。 それを見計らったかのように、赤い月はますますその光を増し・・・。

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2011/07/01

■赤い月の光----。それは邪気を招く不吉な月。鬼月が出た夜は、異界への扉が口をあける…。17歳の引きこもりの青年が、クロスバイクで旅に出た。四日目にある町の廃線跡の駅舎に辿り着き、野宿をする。そこに現れた鉄道忌避伝説を追う30代の鉄ちゃんライターの佐光。空に赤い月が出ているのを...

■赤い月の光----。それは邪気を招く不吉な月。鬼月が出た夜は、異界への扉が口をあける…。17歳の引きこもりの青年が、クロスバイクで旅に出た。四日目にある町の廃線跡の駅舎に辿り着き、野宿をする。そこに現れた鉄道忌避伝説を追う30代の鉄ちゃんライターの佐光。空に赤い月が出ているのを見た青年は不気味さを振り払おうとダベり始める。深夜に差しかかるころ、佐光はトイレに行くため駅舎を出る。それを見計らったかのように、赤い月はますますその光を増し…。怪談専門誌『幽』に連載された8編に加え、他誌に発表された2編を加えた初の怪談集、堂々刊行。 ■■異色の鉄道ホラー短編集。ものすごく怖いってことはないんですが、端々でぞくりとする。 

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2011/06/09

鉄道関連の短編集。ファンタジー寄り/ちょっと怖い感じの話が多いかな。ミステリーを期待して読んでしまったので、評価はちょっと低めかも。

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