Op.ローズダスト(下) の商品レビュー
面白かった! 最後のお台場決戦は迫力満点。 圧倒的熱量。 警察や公安、自衛隊に本当にあんな人いたらいいな。 “新しい言葉”探そう…。
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福井晴敏氏は正しいと思う。 福井氏に添って生きていきたい、という思いばかりが強くなる。 「国益という名の重石を抱え、救援の手をこまねく政府の無策 ――組織の論理がもたらす感性の硬直が、臨界副都心に取り残された一万の人間を殺す。 助けようと思えば助けられない道理はないのに、 無名の他所を人間と捉えられない想像力の欠如、 なにごとも合理で量る感性の摩耗が人を殺す。」 と、世の中を冷静に見極めたうえで、 「個々人が指の先ほどの美徳を発揮すれば、 がんじがらめの世界が救われる余地はいくらでもある。」 というシーンへと発展させる。 この辺りの美しさが、たまらない。 それから主要メンバーの幕の引き方、 ラストシーンへの展開の見事さ、 朋希と一功の戦い、戦い後の状態、 そのどれもが完璧すぎて。 さすがにこれだけ何冊も出してくれると、 主人公とその仲間(味方?)は死なないのだろう、 という予想はたってくる 笑 でもそれに関して不自然だとか、そんなことはもう思わない。 非現実的なことといったらどうせ、お台場が戦場になることからして、 「作り物」以上の何ものでもないから。 登場人物も、誰もかれも好き。最高。 人間くさい描写が特にないのに、 (性的な言葉はいっさい出てこないし、他愛もない描写・会話などもゼロ) ものすごく人間味に溢れているキャラクターが、 大勢出てくる。 どの世代のどのタイプの人間も、すべて好き。 そして最後、参考文献のあまりの少なさに驚愕した。 自衛隊や兵器、戦場、国際情勢、経済、右翼、左翼・・・ 何から何まで、専門的な知識に溢れているシーンを、 圧倒的なボリュームと緻密な描写で構成しているにも関わらず、 参考文献がたったの3冊って!! いったいどれだけの知識が、福井氏の頭の中には詰まっているのだろう。 自叙伝的なものを読んだときには、 ぜんぜんそんなタイプに思えなかったのに 笑 ・・・とにかくまあ、すごすぎる人だ。
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群衆に埋没したくないとか言いつつ、 他の人と違うのは不安になるのが日本人の特徴だ。 悪く言えば、自分は特別だと言う中二病的な希望をもった 自身の行動や言動に責任が持てない人種とも言える。 そんな、まわりに流されやすい日本を愁いた作品。 物語の最後に主人公はこの作品の作品の...
群衆に埋没したくないとか言いつつ、 他の人と違うのは不安になるのが日本人の特徴だ。 悪く言えば、自分は特別だと言う中二病的な希望をもった 自身の行動や言動に責任が持てない人種とも言える。 そんな、まわりに流されやすい日本を愁いた作品。 物語の最後に主人公はこの作品の作品のテーマになっている 新しい言葉というモノを見つける。 ただそれは別に新しい言葉でも何でもなく、 昔から何度となく使われたてきた言葉だった。 言葉の温度も新鮮さも世界の温度も色も 受け取る人によって価値は変わる。 空の色がいつもよりも明るいのはその人の気持ちが明るいからだ。 冬の日本海が鈍色なのはその人の気持ちが暗澹としているからだ。 一方古い言葉と言うものは確かに存在する。 万人にとってイメージの固定化された言葉のことを言う。 あれはホント嫌なものです。
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ローズダスト計画を実行するファミリー一人ひとりの気持ちがよくわかる作品だった。一方で、話が長すぎて間延びした感じもあり。読んでいて飛ばしたくなる場面がいくつかあったりした。クライマックスはもう少し盛り上がっていたらよかったかもしれない。
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おもしろかった。 これから日本はちゃんと自分で考え変わらなくちゃいけない っていうことを読んで感じた。
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さて、最終巻。 劇画的、といえばそれまでなのかもしれませんが、作者の伝えたい思いというか、日本の行く末というか。 なんというか、ものすごく心打たれてしまいました。 とにかく、この世界に浸って、いろいろ考えるべきかな、と。
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久々の大作でした。この国の在り方を考えさせられる内容で「1日で3割が7割に変わる国民」や「全ての悲劇を生み出したのはこの国の状況」という言葉は胸に突き刺さりました。
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福井晴敏は、「亡国のイージス」「終戦のローレライ」の作者。 両作ともに、素晴らしく面白かったという記憶があり、本書も期待して読んだが、正直言って、がっかりした。全く面白くない、ということではないのだけれども、前2作が素晴らしかっただけに、それが期待水準となり、今回の「Op.ローズ...
福井晴敏は、「亡国のイージス」「終戦のローレライ」の作者。 両作ともに、素晴らしく面白かったという記憶があり、本書も期待して読んだが、正直言って、がっかりした。全く面白くない、ということではないのだけれども、前2作が素晴らしかっただけに、それが期待水準となり、今回の「Op.ローズダスト」はその水準に達していなかった、ということだ。 とにかく長い。 長いこと自体は、前2作も同じなので問題ではないのだけれども、本書は無駄に長い感じがする。無駄な解説・感想、繰り返しが多く、このような作品に必須のスピード感が全く出てこない。 ストーリー自体は悪くないと思う。おそらく、無駄を刈り込めば、半分程度の長さの作品に出来るのではないかと思う。そうすれば、かなり読ませる本だと思う。
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★2011年度30冊目読了『Op.ローズダスト(下)』福井晴敏著 評価A いよいよ本書も最終巻。東京湾副都心に徹底的なテロを仕掛けて、平和ぼけした日本国民を目覚めさせようというテロ集団ローズダストは、計画通りに副都心を次々と破壊していく。並河警部補と丹原三曹は、当局からの追求を逃...
★2011年度30冊目読了『Op.ローズダスト(下)』福井晴敏著 評価A いよいよ本書も最終巻。東京湾副都心に徹底的なテロを仕掛けて、平和ぼけした日本国民を目覚めさせようというテロ集団ローズダストは、計画通りに副都心を次々と破壊していく。並河警部補と丹原三曹は、当局からの追求を逃れながら、何とか”R"のテロを食い止めようとするが、、、、、 最後までスピード感が衰えず、ストーリーの進行も予想外。息をつかせない展開で最後まで突き進む。 随所に述べられる日本政府、日本国民への厳しい批判、見解は、非常に切っ先鋭く、物語のせりふというより、現実問題への考察として、参考になる部分が多く、考えさせられる。 うーん、福井晴敏は面白い。この作品の映画化の計画はないのだろうか?映画になったら、ぜひ見てみたいと思う。 さあ次は、買いおいた亡国のイージスに取り掛かろうか?!
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長ーーい。福井晴敏が好きな人には堪らない長さかも知れんが、それほどでもない僕にとっては、長ーーい。(ちなみに僕は買ったのではなく、人に借りた) でも「序破急」が効いていて面白かった。 特にストーリーとしては「急」であり、タイトルにもなっている「ローズダスト」という作戦。その意味す...
長ーーい。福井晴敏が好きな人には堪らない長さかも知れんが、それほどでもない僕にとっては、長ーーい。(ちなみに僕は買ったのではなく、人に借りた) でも「序破急」が効いていて面白かった。 特にストーリーとしては「急」であり、タイトルにもなっている「ローズダスト」という作戦。その意味することにはちょっと感動すら覚える。
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