廃墟建築士 の商品レビュー
夢の中の話ような不思議な短編集だった。現実ではありえないような設定なのに、こんなことあるんじゃないか、突然起こり得るのでは?と思わせられるリアルな設定と描写が三崎さんの作品にはあっておもしろい。 本好きとしては、「図書館」は胸踊るものがあり好きな話だ。
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一言で言うと、『不思議な世界』 もう少し補足すると、『現実と非現実の境目のない融合』 『7階』『廃墟』『図書館』『蔵』を主人公(主題)とした4編の短編集。クセになりそう!
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タイトルから存分に三崎ワールドを感じさせてくれ、読む前から楽しい。廃墟を建築するという斬新な発想だけでなく、廃墟についての緻密な設定やルールも考えられている。最近は廃墟が観光スポットになったりしているが、そんな現実ではありえない世界観にしっかり仕上げられている。
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・先の展開を読みにくくワクワク感がある短編集。設定はむしろギャグで笑えるかもしれないのだが展開はけっこうしみじみしている。 ・ぶっ飛んだ設定だが他のことに置き換えてみると普遍でもあると言えないでもない。あるいは現実の世界で大真面目でやってることのバカバカしさが見えたり。 ・「七...
・先の展開を読みにくくワクワク感がある短編集。設定はむしろギャグで笑えるかもしれないのだが展開はけっこうしみじみしている。 ・ぶっ飛んだ設定だが他のことに置き換えてみると普遍でもあると言えないでもない。あるいは現実の世界で大真面目でやってることのバカバカしさが見えたり。 ・「七階闘争」は、マンション七階での事件が続発し七階が撤去されることになったって!? ・廃墟が(たぶん癒しとして)都市の必需品であるとされる世界でのハナから廃墟として建てられる建築を専門とする男の話が表題作「廃墟建築士」。わざと作ったんでは廃墟と言えないような気もするが数十年後数百年後、真に廃墟となることを目指して。ぼくらの世界では廃墟化するまえに取り壊されることが多く気軽には廃墟に出会えない。運良く残ったり、建てたはいいが見込み違いで使われないまま廃墟化するものはある。なんとなく落ち着くものではあり、廃ボーリング場や廃ホテルなんかは隠れ家によさそう。SFやRPGなんかではお馴染みで戦闘の現場になったり基地にしたり住み着いたりするが、人には廃墟を好む何かがあるのだろう。こういう建築士が実際にいても楽しそう。 ・「図書館」は、夜間開館するために図書館を「調教」する仕事に就いている主人公。 ・「蔵守」は、何かを守る蔵と、蔵を守ろうとする蔵守の話。これだけは多少先の展開を想像はできたけどそれにしてもヘンな感覚。
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失われた町に続いての本。 いつもどんな非日常が日常のものとして書かれているのかをみるのがたのしみ。 当たり前のように書いてあるからファンタジーのようにも思えず、驚きがあって面白い。 今回の話の中では廃墟建築士が面白かった。 長く時間をかけて読んだから詳細覚えてないけど、 世間...
失われた町に続いての本。 いつもどんな非日常が日常のものとして書かれているのかをみるのがたのしみ。 当たり前のように書いてあるからファンタジーのようにも思えず、驚きがあって面白い。 今回の話の中では廃墟建築士が面白かった。 長く時間をかけて読んだから詳細覚えてないけど、 世間からは理解されない廃墟を建築し続ける、 壊れてこそ完成する という概念が面白かった。 ほかの作品も一通りよんでみたい。
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建築の勉強中で、つい気になって借りた本。 この人、毎回だけど世界館がすごい。絶対ありえない世界を創造するその感覚がすごいし、そのちょっとヅレテしまった世界に読者を誘う描き方がものすごい。ほんと。 今回なんて、7階で事件起きすぎだから、うちの地区の7階消しますよーっていう政府の...
建築の勉強中で、つい気になって借りた本。 この人、毎回だけど世界館がすごい。絶対ありえない世界を創造するその感覚がすごいし、そのちょっとヅレテしまった世界に読者を誘う描き方がものすごい。ほんと。 今回なんて、7階で事件起きすぎだから、うちの地区の7階消しますよーっていう政府の意向により、7階消滅。 その時に、7階を消すなーっていう、7階に思いがある人たち有志が集まって、7階残す運動が始まったり。 7階が一日にして綺麗に消えるとかね。なんか、ファンタジーなんだけどリアル。リアルなんだけどありえない、そんな世界観から抜け出せなくなりそう。 廃墟つくる建築家とかね。 もう、設定が独特なんだけど、読んでるうちに普通かな。とか思い始める自分も怖い。そんなとなりの次元で起こりそうなそんな本です。
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ファンタジー。SF。短編集。 不思議な話。独特の世界観。 よく図書館を利用する自分としては、「図書館」の本が飛び回る光景が印象深い。 たまに読みたくなる作家さんですね。
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ドラえもんのどこでもドアの世界に入ったみたい。 設定は面白いと思うんだけど、それを活かしきれず、いまいち説得力に欠ける感じ。本編の前に読んだあらすじで面白そう!と感じたのに、期待外れ。
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50:三崎節です。安心して納得のいかない感を味わえる稀有な作家さん。蔵守の話が一番好きです。読後に残る微妙な違和感がたまりません。
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建築物、「タテモノ」は人によってつくられ、人のためにあるものだと思っていました。 建築物は人工物。 …じゃなかったとしたら。 この作品は、神でも妖怪でもないものがそこにいました。 命のないもの、だけどそこに存在しているものを描かれています。 おそらく昔の人たちはそういったものを...
建築物、「タテモノ」は人によってつくられ、人のためにあるものだと思っていました。 建築物は人工物。 …じゃなかったとしたら。 この作品は、神でも妖怪でもないものがそこにいました。 命のないもの、だけどそこに存在しているものを描かれています。 おそらく昔の人たちはそういったものを神や妖怪と名付けてきたのでしょう。 神や妖怪は現代にはいないように語られていますが、この作品は現代における神や妖怪を描いているのだと思います。 昔話でのそれらは恐ろしくて理解できない、それでいてどこか人間味があります。 この作品でも、そこは同じです。 不確かで輪郭がなく、捉えきれない。 惑わされ、何かを感じざるを得ない。 なのにそっと寄り添い思いを馳せてしまう。 そんな作品です。
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