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安徳天皇漂海記 の商品レビュー

3.9

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2023/02/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大河ドラマで源実朝が気になって、実朝が出るから読んだのだけど、面白すぎて作者天才か?と思っている。 あくまでもファンタジーではあるものの、表に出てる史実と辻褄が合うようなストーリー、至る所に散りばめられた伏線を見事に回収していく様は天晴れとしか言いようがない。 1部に関しては和歌の使い方がとても良い。和歌は場面によって様々な解釈ができると思ってるのだが、ストーリーの流れにあった和歌を持ってくるのがうますぎた。和歌があるおかげで感情移入しやすくなってる感じがする。 2部は1部とのつながり、そして元ネタとなっている『高丘親王航海記』とヒルコを出してくるのが最高に震えた。 私は中国の歴史にはあまり詳しくなく、まさか南宋で壇ノ浦とほぼ同じことが起こってるなんて知らなかったので、史実なのか検索して鳥肌立つくらいびっくりした。この二つを繋げたのが本当に天才だと思う。 そして蜜の沼は『高丘親王航海記』を読んでたらそういうことねーーー!となるし、1部の流れはほぼ太宰治の『右大臣実朝』なので、どちらも読んでいるととても面白い。(高丘親王の方は本書のあとに読みましたが) かなりファンタジー要素が強いので万人にお勧めできるわけではないけど、好きな人はかなり好きだと思う。

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2022/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

檀ノ浦に沈んだ安徳天皇が琥珀の珠内に眠ってて、板東まで運んで源実朝に引き合わせ。江ノ島の洞窟に一旦隠し置いて。公暁に殺害された実朝の首を忠臣が運んでいったら、あろうことか、珠内から御手が伸びてきて、首を抱き取ってご満悦…なんというイマジネーション!しかし私、スミマセン、第一部でリタイアします(汗)

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2020/04/12

ひょろひょろと妙に軟弱な感じが続く日本編はどうにも気乗りしなかったけど、後半の世界編はどいつもこいつも男らしくて良いじゃん。ワンピースくらいイケイケじゃん。わしゃクビライカーンとかただ目が細いだけで大したことないなんて思ってたけど、見直したよ。やっぱ王様ってのは偉いもんだ。 とい...

ひょろひょろと妙に軟弱な感じが続く日本編はどうにも気乗りしなかったけど、後半の世界編はどいつもこいつも男らしくて良いじゃん。ワンピースくらいイケイケじゃん。わしゃクビライカーンとかただ目が細いだけで大したことないなんて思ってたけど、見直したよ。やっぱ王様ってのは偉いもんだ。 というわけで、概ね天皇はどうでも良いというか、飾りだった感。

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2020/03/06

漂流記系のお話が好きだったのでこれを見つけてすぐに飛びつき、予想を裏切らない面白さだったよ。高丘親王の漂流記の後にぜひどうぞ。

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2020/02/01

http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2014/01/post-49af.html

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2019/05/18

東海漂泊◆南海流離 第19回山本周五郎賞 著者:宇月原晴明、1963岡山県生、作家、早稲田大学文学部日本文学科卒 解説:皆川博子、1929朝鮮京城出身、小説家、東京女子大学外国語科英文学専攻中退

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2019/01/12

源実朝と南宋滅亡を安徳天皇が結ぶ筋は歴史小説の面白さ だが澁澤竜彦を読んでいないと最後が眠くなる 現代ではありふれたガラス工芸の現代で突然作者が出てくるのは良いのだろうか

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2018/10/28

幻想に満ちた小説。まさに大人のファンタジーノベル。どことなくラテンアメリカ小説の匂いも感じるが、私だけだろうか。 お話としては面白いし、その発想は見事ではあるが、いかんせん文体が好みではない。あくまでも個人的なもので、文体から醸される寂しさや儚さ、はたまた強さは一級品と言ってい...

幻想に満ちた小説。まさに大人のファンタジーノベル。どことなくラテンアメリカ小説の匂いも感じるが、私だけだろうか。 お話としては面白いし、その発想は見事ではあるが、いかんせん文体が好みではない。あくまでも個人的なもので、文体から醸される寂しさや儚さ、はたまた強さは一級品と言っていいと思う。

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2017/09/23

この寂しさである。心地よい歌と語りのリズム。ことばというのは音楽ではないかと思う。和歌とは文字から音楽を立ち上げる装置かもしれない。

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2017/09/17

第一部は源実朝.近衛兵の思い出話(宗からの使者に対して語る)として吾妻鏡や金槐和歌集を引いて描かれるため日本の中世に読むものを誘う.第二部はほぼ同年代のマルコポーロ.琵琶法師がフビライカーンの前で奏でる平家物語に始まり,マルコの前にフビライに責められ南下する大宋の少年皇帝,安徳天...

第一部は源実朝.近衛兵の思い出話(宗からの使者に対して語る)として吾妻鏡や金槐和歌集を引いて描かれるため日本の中世に読むものを誘う.第二部はほぼ同年代のマルコポーロ.琵琶法師がフビライカーンの前で奏でる平家物語に始まり,マルコの前にフビライに責められ南下する大宋の少年皇帝,安徳天皇,失意のうちにインドで客死した高丘親王などが幻想と現実入り乱れて現れる.少し夢の部分が多すぎる気がする.

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