臨床行動分析のABC の商品レビュー
臨床行動分析では行動をどのように捉え、分析し、介入していくかを本格的に理解できる。 臨床行動分析では、行動には外部から観察できる行為のみならず、考えたり感じたりする内的なことも含まれる。その行動は、その個人が置かれた文脈によって異なり、その文脈における行動の機能を分析することで、...
臨床行動分析では行動をどのように捉え、分析し、介入していくかを本格的に理解できる。 臨床行動分析では、行動には外部から観察できる行為のみならず、考えたり感じたりする内的なことも含まれる。その行動は、その個人が置かれた文脈によって異なり、その文脈における行動の機能を分析することで、問題行動のより深い理解が可能になる。したがって、パーソナリティ理論などのラベル付けと、臨床行動分析の基盤である機能的文脈主義は相反する。ラベル付けは、個人の特徴を端的に理解するのには効率が良いが、それは観察者が任意で名付けたものであり、いついかなる状況でもその個人が同じ行動を示すとは限らない。それに対し機能的文脈主義では、ABCでクライエントの問題を操作可能な形で理解するため、エビデンスに基づいた介入が可能となる。 そして、その行動はレスポンデント条件づけ、オペラント条件づけ、関係フレームづけにより緻密に理解できる。前二つは有名であるが、本書では関係フレームづけの概説にもかなりの分量を割いている。関係フレームづけとは、思考の中で物事が随伴的につながりをもち、それが網の目のように広がっていくことと解釈。それには、創造性や概念同士のつながりの理解を促進させるというメリットもあるが、同時にネガティブなつながりも生み、絶望を導くという危険性もある。したがって、介入ではその関係フレームづけはあくまでクライエントの思考でしかなく、因果関係のない単なる要素のつながりであると理解させる必要がある。人は、この関係フレームづけの能力を授けられているため、行動の原因を感情に求めてしまう。しかし、上述のようにそれは恣意的なラベル付けでしかない。メタファーを利用するのは、これを逆手に取り、関係づけられている要素に新たな刺激を加えて異なる発想や視点を持たせるためには、史実に即した言葉では表現しきれないことがあるためである。 臨床行動分析は、かなり観念的な要素を多く利用している。したがって、行動療法や応用行動分析と比較して、理解が困難であった。しかし、メタファーの利用など、クリエイティビティに富んでおり、人生哲学としても学んでおけばQOL向上にもつながると思った。
Posted by
レスポンデント条件づけ、オペラント条件づけ、関係フレームづけの3つの原理が丁寧に説明され、それらが機能分析を通してどう臨床に活かされていくかといったコトが書かれていた。全体的に例を豊富に用いているので理解しやすかったです。また後々基礎として振り返る本なのかなーと思いました。
Posted by
ゼミ、教科書。 訳書だから仕方ないのかもしれないが、すらっと文章が入って来なくて頭の中でループしてしまうことが多い。 内容は面白いと思うのだけど。 しばらく経ってからまた読み直してみたい。
Posted by
- 1