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人を殺すとはどういうことか の商品レビュー

3.5

35件のお客様レビュー

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2023/01/07

まず最初に、これLさんのこと書くために書いてない?と思った。好きなのが分かる文章だった。 胡散臭いと思いつつ手に取ったので想定外にしっかりした文章で楽しく読めた。 人殺しをした人間はどういった考えを持ちがちなのか少しだけ分かった気がする。

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2018/10/23

著者は、2人を殺した無期の受刑者。前半は、彼の生い立ちや、その刑を受けるまでの経緯について。後半は、彼と同じような刑に服する人々の観察記。これによると、人を殺すような人は、どれだけの刑罰を受けようとも、反省することはまれで、従って更正もほぼ不可能。どうしようもないほど、社会常識や...

著者は、2人を殺した無期の受刑者。前半は、彼の生い立ちや、その刑を受けるまでの経緯について。後半は、彼と同じような刑に服する人々の観察記。これによると、人を殺すような人は、どれだけの刑罰を受けようとも、反省することはまれで、従って更正もほぼ不可能。どうしようもないほど、社会常識や公共の福祉を理解できないそうである。まあ、あえて言われなくても、そう思ってはいたが、実際にそうであると言われると、やるせない気がします。

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2018/10/09

二人を殺害し無期懲役で服役中の著者が自己の犯罪を分析すると共に所内で出会った殺人者を観察、分析。殺人者については堅気と所謂ヤクザを区分して書いているがこのセグメンテーションが理解を容易にしているようにこの著者の頭脳明晰ぶりが強烈な印象でまるでジャーナリストによるルポのようなこの本...

二人を殺害し無期懲役で服役中の著者が自己の犯罪を分析すると共に所内で出会った殺人者を観察、分析。殺人者については堅気と所謂ヤクザを区分して書いているがこのセグメンテーションが理解を容易にしているようにこの著者の頭脳明晰ぶりが強烈な印象でまるでジャーナリストによるルポのようなこの本は、通常では取材できない社会の一部を切り取った貴重な資料である。

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2018/03/17

図書館で借りた本。2件の殺人で無期懲役の判決で服役中の著書自身の事や他の囚人達の様子をレポートしたノンフィクション。とても読みやすい本だった。著書は神童と呼ばれた程、勉強ができた人らしく月100冊を読了でき知識量も豊富な知性を持つ。それは文章にも表れている。厳しい父親の影響で約束...

図書館で借りた本。2件の殺人で無期懲役の判決で服役中の著書自身の事や他の囚人達の様子をレポートしたノンフィクション。とても読みやすい本だった。著書は神童と呼ばれた程、勉強ができた人らしく月100冊を読了でき知識量も豊富な知性を持つ。それは文章にも表れている。厳しい父親の影響で約束事の厳守や腕力的にも強い男になるよう徹底された躾。筋を通す生き方ゆえの殺人を犯し、その事についての贖罪はある刑務官との出会いで芽生えていった。他の囚人達については幼女強姦殺人、放火、強盗殺人などいるが倫理観や共感性が無い自己中心の人間ばかりで反省もしない。更生不可の人間が多数でその中でも筋を通した仁義の世界の殺人をしたというヤクザを2名紹介している。そのヤクザの器量が大きい人物像が垣間見れた。

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2016/09/23

「人を殺すとはどういうことか」ということは最後まで分からなかった。分かったのは筆者の知能指数はかなり高いこと、他の受刑者とは違いしっかり贖罪の気持ちを持って刑務所生活を送っているらしいこと、父親の育て方・正義感を絶対的なものと病的に信じていること、受刑者にも色々なタイプがいるとい...

「人を殺すとはどういうことか」ということは最後まで分からなかった。分かったのは筆者の知能指数はかなり高いこと、他の受刑者とは違いしっかり贖罪の気持ちを持って刑務所生活を送っているらしいこと、父親の育て方・正義感を絶対的なものと病的に信じていること、受刑者にも色々なタイプがいるということ。父親の教えのとおり、約束したことや契約を守れない人は許せないと言いながら、不倫した上に、子供を作る気が無かったと言いながら4回も中絶させた件は、「え?矛盾してない?」という感じでした。

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2016/06/03

他の著書の内容が良かったので本書を手にしましたが、犯罪者のオナニーエッセイという感じで、非常に不快な内容でした。 とにかく、文章のいたるところから、自分はすごい、他の奴らとは違う、みたいな主張が滲んでいます。 「二人目の妻とは子を作らないと約束して一緒になりました。妻は…(略)…...

他の著書の内容が良かったので本書を手にしましたが、犯罪者のオナニーエッセイという感じで、非常に不快な内容でした。 とにかく、文章のいたるところから、自分はすごい、他の奴らとは違う、みたいな主張が滲んでいます。 「二人目の妻とは子を作らないと約束して一緒になりました。妻は…(略)…四度妊娠しましたが、…(略)…全て中絶して貰っています」の部分では吐き気がしました。 とは言え、検察の論告で衝撃を受けた場面や、受刑者を客観的に分析しているところなど、良い意味で心に残る部分も多くあります。 特に、60代のヤクザの組長Kは印象深かったです。

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2014/11/01

★はつかなかったけれど、犯罪者を見る目がついて勉強になった。本当に殺人犯が書いているのかという声もアマゾンなどではあったが、取りあえず破綻とか矛盾は感じなかった。多分同著者の他の本も読みます。 ***以下抜き書き** ・ここでは心の病んだ人は、私も含め大勢いますが、その病み方は...

★はつかなかったけれど、犯罪者を見る目がついて勉強になった。本当に殺人犯が書いているのかという声もアマゾンなどではあったが、取りあえず破綻とか矛盾は感じなかった。多分同著者の他の本も読みます。 ***以下抜き書き** ・ここでは心の病んだ人は、私も含め大勢いますが、その病み方は千差万別です。病気というなら覚醒剤、窃盗、強盗、殺人等どれも病気なのでしょうが、強姦と放火に限ってはそれが異質なように思えるのです。他の病がドライ系(そんなものはないのですが)だとすると、放火と強姦はウェット系のような感じです。何かじとっと沁み込んでいくみたいな感じです。 (人嫌いで人付き甲斐が下手で暗い。常に抑圧され心の中に不満を一杯抱えて上手にそれを排出できない感じ) ・受刑者の中には、ほんの一握りだけですが、反省しているということ自体に自己満足していたり、酔っている人も見られます。浅い反省や贖罪の念で、償いをしてる気になって自虐的に喋ったり事実以上に己を悪く言うのですが、じっくりその言葉と行動、そして言葉の表現の強弱を追うと自己満足、つまり反省しているんだという行為で止まっているのです。いつしか被害者や遺族への慰謝の心は霧散しているのです。 ・ずっと以前にトルストイの『戦争と平和』を読んだことがありましたが、ロシアの貴族でロシア軍の将校でもあるピエールが捕虜収容所に入れられた時に幸福を知ったという記述がありました。一字一句まで正確ではないですが、幸福は自分自身の中にあり、一切の不幸は欠乏からではなく過剰からくるというようなことが書いてあったと思います。当時の私は、これが感覚として理解できず、不自由な収容所で貴族でもあるピエールがこんなことを思うのは無理があると解釈していましたが、かなり遠回りしたにせよ、今やっと分かった気がします。

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2013/10/16

一気に読み、うーんと考える。 罰と反省って、因果関係があるのだろうか?  罪に問い、罰を与えたから反省するってことがありえるんだろうか? 子供にやっていいことと悪いことを教えるために叱るのとはわけが違うのだ。 少なくともこの本に出てくる獣みたいな殺人者たちは、刑務所に入れられた...

一気に読み、うーんと考える。 罰と反省って、因果関係があるのだろうか?  罪に問い、罰を与えたから反省するってことがありえるんだろうか? 子供にやっていいことと悪いことを教えるために叱るのとはわけが違うのだ。 少なくともこの本に出てくる獣みたいな殺人者たちは、刑務所に入れられたことは反省しても、人を殺したことは反省していない。著者ですら、収監されたから反省したわけではない。そのための時間は与えられたが。 しかも反省していない殺人者たちは反省したふりをして仮出所を狙い、反省した著者は反省したがゆえに刑務所で一生を終えるつもりでいる。 ぼくは刑務所は必要だと思うが、それは単にこういう人間もどきを隔離して、それ以上の悪さをさせないための施設として必要だと思う。 気が滅入った。

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2013/05/07

2件の殺人で服役中の無期懲役囚の著書。 自身も殺人犯でありながら、他の服役囚の話しを客観的に分析しているのが興味深いです。 服役囚の多くが倫理観が欠落し、「被害者があんなところにいるのが悪い、おかげで何年も刑務所にはいらなければならず、こっちも被害者だ」というような、自分の欲望し...

2件の殺人で服役中の無期懲役囚の著書。 自身も殺人犯でありながら、他の服役囚の話しを客観的に分析しているのが興味深いです。 服役囚の多くが倫理観が欠落し、「被害者があんなところにいるのが悪い、おかげで何年も刑務所にはいらなければならず、こっちも被害者だ」というような、自分の欲望しか頭にないとう話を読むと、恐ろしくなる。しかも、そういう人達が反省も後悔も罪の意識すらないままに、再び社会に出てくるのだから、刑務所ってなんなんだ…と思わずにいられません。 著者自身は、そのような囚人達とは異なり、自省し学習し贖罪について深く考えています。著者は、頭がいいというか知能が高く、知識も豊富で、物事を深く考えることのできる方という印象です。殺人犯にならずに今の心境に辿り着けたならどんなにか良かったでしょうに。 著者は毎月100冊の本を読み、管理者を通してブログも書いています。書評のブログのようですね。 殺人犯、服役囚…といえば、恐ろしい・関わりたくない人、と思って来ましたが、今はこの著者の別の著作も読みたいと思っています。

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2012/07/30

養護施設への支援を続けてきているような著者がなぜ二度の殺人に至ったかということを自己分析しながら書いており読みごたえがある。残りの部分は他の受刑者について書かれていて、更生の可能性が非常に少ない旨が述べられている。「累犯障害者」でも指摘されていた受刑者のIQが慨して高くないことに...

養護施設への支援を続けてきているような著者がなぜ二度の殺人に至ったかということを自己分析しながら書いており読みごたえがある。残りの部分は他の受刑者について書かれていて、更生の可能性が非常に少ない旨が述べられている。「累犯障害者」でも指摘されていた受刑者のIQが慨して高くないことにも少し触れられていた。現在の更生システムが機能してないのが指摘の通りでも、それをなんとかしようという仕組みがこの国にはない気がする。海外のことは調べていないが、よい方法を見つけ出している国はあるのだろうか。

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