機巧館のかぞえ唄 の商品レビュー
箸井地図さんの装丁が可愛かったので文庫版。 これは凝った構成だ。 もちろん読みやすくはあるのだけど、夢か現実かとても曖昧な世界に迷い込んでしまう。 この世界で紐解かれた名探偵の推理は、少しだけ、せつない。 ところで教授、プラム何個食べれるんだろう。
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いわゆる「ライトノベル」だろうと興味本位で読んでみたのだが、意外としっかりした作りでびっくり。 そしてあとがきを読んで、これが小学生向けに書かれた本であることを知りさらにびっくり。 えー、こんな複雑な構成の本、小学生が理解できるのー? で、僕が想起したのは齋藤孝さんなどの説。 ...
いわゆる「ライトノベル」だろうと興味本位で読んでみたのだが、意外としっかりした作りでびっくり。 そしてあとがきを読んで、これが小学生向けに書かれた本であることを知りさらにびっくり。 えー、こんな複雑な構成の本、小学生が理解できるのー? で、僕が想起したのは齋藤孝さんなどの説。 小学生のころから文豪の名作を読め!意味がわからなくてもとりあえず読め! この時期から「本物」に触れさせることで、将来の知的パフォーマンスは飛躍的に向上するのだ! てな感じの。 完全には理解できなくても、小さいころからこういう「ちゃんとした推理小説」を読めば、推理小説についての感度が上がるんじゃないかなあ。 そんな子が大人になり、何か新たに良質の推理小説を生み出してくれれば嬉しい。などと妄想にふけってみる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
3- よく本書を青い鳥文庫で出したな、という意味でのチャレンジャースピリッツのようなものは買いたい。しかし、作者の試み・狙いは上手く達成されてないように思う。特にゲストキャラクター達の存在感のなさはいかんともしがたく、結果、夢だとしても、また現実だしても物語は上滑りしていき、読み手の印象に残り難い。虚構だから、という理由で意識的にそうしたのかもしれないが、それならば返って逆効果で、怪しさが薄れることになったのではないか。これに“かぞえ唄”の存在感のなさが拍車をかけ、“謎”自体がどうでもいいもののように思えてしまう。わけのわからない酩酊感よりも、何だかどうでもいいよねといった無関心に近い読後感である。もう少し面白そうなものになったような気もするし、少し残念だ。 一方、相変わらず、小ネタ満載なのは読んでいて楽しいが、中村○○ネタも2度目ではインパクトは弱まる。と、言うよりも“ああ、またか”といった印象。それを推理にまで引っ張るのもちょっとやり過ぎ。そういえば『消える総生島』では“中村青司”と名まで表記してあったあのに、本作で伏せ字なのはさすがに遠慮したか。 それと、さりげなくロバート・アーサーの短編のネタバレをしている。気にするのは全国で51人ぐらいだろうから、さして問題ないのかもしれないが、巻末小ネタ集で触れてくれてもいいではないか、と小さな声で訴えたい。
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名探偵夢水清志郎シリーズ6作目の本書は三部構成である。 ミステリーなので詳しくは書けないが、読後に変な感じ がした。 私は良い読者なので疑うことなく簡単に騙されるよい人で ある。そしてミステリーは騙された方が楽しいに決まって いる。 第二部の最初の話を読んで「!!!!...
名探偵夢水清志郎シリーズ6作目の本書は三部構成である。 ミステリーなので詳しくは書けないが、読後に変な感じ がした。 私は良い読者なので疑うことなく簡単に騙されるよい人で ある。そしてミステリーは騙された方が楽しいに決まって いる。 第二部の最初の話を読んで「!!!!」 二番目の話を読んで「????」 三番目の話を読んで「・・・・」 いま、振り返ってみてようやく納得しました。 読めば子供の頃不思議な感じが体験できて面白いです。
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はやみねかおるの夢水シリーズ。 夢か現か、わからなくなる文章はとてもよいが、 最後の章は必要だったのだろうか。 ストーリーテラーとしてのはやみねかおるは面白いが、 説明文が、いかに3姉妹に説明させているとしても、 少ししつこい印象がぬぐえないのが残念。 ただ、綾辻行人の館シリ...
はやみねかおるの夢水シリーズ。 夢か現か、わからなくなる文章はとてもよいが、 最後の章は必要だったのだろうか。 ストーリーテラーとしてのはやみねかおるは面白いが、 説明文が、いかに3姉妹に説明させているとしても、 少ししつこい印象がぬぐえないのが残念。 ただ、綾辻行人の館シリーズが好きな人は一瞬にやりとできるとは思う。 第一弾が一番面白いのはストーリーものの宿命か。
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全三編の一作が機巧館の内容に当たる。この話が実に巧みで面白かった。夢と現実の不明瞭な霧と、登場人物である推理作家の心の霧の交わりが濃く、真実を捉えきれないところがすばらしい。同職の推理作家、辻真先さんの解説もおもしろい。 >実は辻先生は、大学の恩師で半年だけ授業を受けたことが...
全三編の一作が機巧館の内容に当たる。この話が実に巧みで面白かった。夢と現実の不明瞭な霧と、登場人物である推理作家の心の霧の交わりが濃く、真実を捉えきれないところがすばらしい。同職の推理作家、辻真先さんの解説もおもしろい。 >実は辻先生は、大学の恩師で半年だけ授業を受けたことがある。その際は、最近のライトノベルから名著といわれるものまで、VFXをバリバリ使った映画から黒澤映画まで多岐にわたる作品の表現の面白さを教えていただいた。私はひどい成績を残したが、またお話しする機会があれば、ぜひまたお話ししてみたい。そういえば、「文学少女シリーズ」をお勧めいただいたのも、辻先生だった。
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