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源氏物語の色辞典 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/06/09

昭和女子大の国文科に在籍していた頃にも、一度読んでいる。なので、再読というのが正しい。で、実は読み終わっていない。古書を購入してしまった。源氏を読んでいると、詳細に衣装や調度の色目や様々のディテールが示される。時にそれは、登場人物の教養や人となり、心情までも映し出す。ゆかしい色名...

昭和女子大の国文科に在籍していた頃にも、一度読んでいる。なので、再読というのが正しい。で、実は読み終わっていない。古書を購入してしまった。源氏を読んでいると、詳細に衣装や調度の色目や様々のディテールが示される。時にそれは、登場人物の教養や人となり、心情までも映し出す。ゆかしい色名の和語を目の前に、多くの方は、それがどんな色で、どう重なり、どう響きあい、登場人物を彩るのか、想像だけで読み通される読者も多いと思う。かく言う私もそうであった。色名から想起される色を思い浮かべ、絢爛たる思いで読むのもいいが、本書を座右に、実際のお色を確かめつつ、添えられた解説や現代語訳を見るのもいい。想像と全く違う色に驚くこともあるし、語感が、案外と正しい色相を呼び起こしていたことに驚くこともあるだろう。元吉進先生の源氏物語のお授業を受けながら、実際に図録や写真、事典などで、実際の事物にあたりながら、具体的に源氏物語を読む習慣をつけて頂いた。今になってもそれは、私にとって大きな財産であるし、単に学習のためではなく、私という人間を潤すなにかになっている。美しいものに、すなおに当たりに行き、物語の中の現実を、手元に丁寧に引き寄せる習慣をつけて頂いたのは、本当にありがたいことだった。 本書の美麗な写真は、どなたが読まれても、その目を捉えて離さないことだろう。大判の写真と、物語の抜粋に、どうか思い切り想像の翼を広げて頂きたい。至福のひとときである。 大河ドラマ「光る君へ」がきっかけで、この本を手にされる方も多いと思う。是非、この本や、シリーズ次巻の「王朝のかさね色辞典」も手にされて、ドラマの登場人物たちの装束から発せられる、言葉ではないが強力なメッセージも感じ取って頂きたい。暮らしぶり、教養、人となり、心理……様々なことを、王朝の色は教えてくれる。もちろん、原典の「源氏物語」や「枕草子」に当たる時も同様である。 なお、本書は、「源氏物語」 五十四帖の色 として、著者のお嬢さん、吉岡更紗さんが新装再編集なさったものも、出版されている。抜粋版ではあるが、非常に美しく、今風で、気軽に手に取れるので、見比べて合う方をお手元に置かれるのもよろしいのではないか。

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2023/06/03

源氏物語54帖に描かれた色彩を完全再現。 物語を読むだけでは想像できない色彩を補うことのできる本。

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2022/11/28

草木染めの第一人者である染司(そめつかさ)の吉岡幸雄さんが、源氏物語の登場人物たちの衣装の色を読み解き、実際に草木で染め、襲にしたものをオールカラーで再現して見せてくれる。 往時の染色方そのままに五十四帖に沿って進み、季節の移ろいや人物の嗜好の変化などがうかがい知れる一冊。

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2021/01/17

染師の視点で源氏物語を色軸でよみとく。 テーマはとっても面白く、お着物の解説も素晴らしく、あらすじまで書いてあって世界観を楽しめた。後半に読み進むにつれどの衣装がどの人物のものの説明かこんがらがってきてしまい…これは本家本元と一緒。

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2011/07/28

総合して買って良かった。あーうっとり。素晴らしい。素晴らしい織物に源氏物語のイメージを重ねると、あさきゆめみしで光る君が「あの人にはこの色が云々かんぬん…」と述べられていた様々な女性たちのキャラクターがより鮮やかになりました。源氏のストーリーや相関図もあり、一応初心者歓迎本でもあ...

総合して買って良かった。あーうっとり。素晴らしい。素晴らしい織物に源氏物語のイメージを重ねると、あさきゆめみしで光る君が「あの人にはこの色が云々かんぬん…」と述べられていた様々な女性たちのキャラクターがより鮮やかになりました。源氏のストーリーや相関図もあり、一応初心者歓迎本でもあり。この吉岡さんの文章単体で言うと、硬くてちょっと途中でだれてきますが、その他の点では副読本の一つとして選んで良かった。

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2009/10/04

「源氏物語」に書かれた華麗なる王朝文化。 植物染の第一人者吉岡幸雄氏が、その中でも特に物語で使われている色彩に着目し、 五十四帖におよぶ物語の中から著者が色彩豊かな条(くだり)を選び、 それを先学の研究にも拠りつつ、著者の考えや印象を加え、化学染料を全く使わない、 すべて伝統的な...

「源氏物語」に書かれた華麗なる王朝文化。 植物染の第一人者吉岡幸雄氏が、その中でも特に物語で使われている色彩に着目し、 五十四帖におよぶ物語の中から著者が色彩豊かな条(くだり)を選び、 それを先学の研究にも拠りつつ、著者の考えや印象を加え、化学染料を全く使わない、 すべて伝統的な植物染の技法で再現している。 また、合わせて「源氏物語」の内容も知ることが出来る。 今まで「源氏物語」を読んだ事がない私ですが、小学校くらいから関心が あった事があります。それは、平安王朝の女性たちを飾った衣裳の事。 色彩と織、「襲(かさね)」が織り成す美妙な調和…うっとり。 衣裳の色合いについては花(植物)をテーマにしている事がほとんどらしく、 例えば藤の襲だったら、藤の花にならって、紫から白の暈繝(うんげん。 同色の濃淡。グラデーション。)に葉の緑を添えたりなど、 美しく季節を感じさせるものになっています。 さらに、襲に使われる色はだいたい決まっていても、何番目に何色を持ってくるか などの個人のセンスを生かして着ていたらしいですし、一つのテーマに沿った 衣裳を着こなす女性たちの集りなんかはさぞかし絢爛たるものがあったろうなと思われます。 あ、ちなみに、女性の衣裳についてばかりでなく、男性の衣裳についてももちろん 取り上げられています。こちらも中々ですよ。

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2012/03/14

著者は染織家。源氏各帖から物語のキーとなる襲を選び、著者が実際にそれを再現して染め、組み合わせた写真を掲載。簡単なあらすじも併記するという、何とも贅沢な、源氏物語千年紀にぴったりな本。細やかで贅を尽くした染物の数々も本当にすばらしいけど、色だけ(これで織り方とかにも触れると、それ...

著者は染織家。源氏各帖から物語のキーとなる襲を選び、著者が実際にそれを再現して染め、組み合わせた写真を掲載。簡単なあらすじも併記するという、何とも贅沢な、源氏物語千年紀にぴったりな本。細やかで贅を尽くした染物の数々も本当にすばらしいけど、色だけ(これで織り方とかにも触れると、それはそれでかなりのうんちくになりそうだし)でも1冊の本になってしまう、源氏物語の懐の深さというのもすごい・・・。 <2011.3.4追記>NHKの歴史秘話ヒストリアで宮本武蔵を取り上げている回を見ていたら、武蔵のライバル達のその後を紹介していて、その中に著者登場。吉岡一門の末裔なのだそうで。へぇぇぇ。 *2012年2月、NHKの「和の極意」に出演。吉岡憲法(直綱)ゆかりの「憲法染」(黒褐色の染め物)を紹介していた。憲法は吉岡清十郎かとも言われる人物(但し宮本武蔵に敗れたくだりは創作である可能性が高いらしい。このあたり、なにがし実なのかはっきりしない点も多い模様)。 著者自身が直系の末裔なのかと思っていたら、どうもそういうことではないようだ。吉岡一門は、江戸時代には兵法を捨て、染色業に携わるようになった。吉岡染は非常に流行り、分家して染色業を営む家も多く、「吉岡」といえば染屋の代名詞のようなものだったのだそうだ。 ということで、「ゆかりの人」というくらいが適当かと思われる。

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2011/12/03

 私は大和言葉の色名が好きだ。耳にしただけでは一瞬では浮かんでこない、その茫洋とした雰囲気自体に魅力を感じる。  今の緻密な化学染料とは違い、ただ人の手で生み出された様々な色調は、僅かなものを除いて殆どがくすんで落ち着いている。  しかし、それらが重なり合って襲となり、物語の中で...

 私は大和言葉の色名が好きだ。耳にしただけでは一瞬では浮かんでこない、その茫洋とした雰囲気自体に魅力を感じる。  今の緻密な化学染料とは違い、ただ人の手で生み出された様々な色調は、僅かなものを除いて殆どがくすんで落ち着いている。  しかし、それらが重なり合って襲となり、物語の中で美女を彩り始めた途端、その輝きは懐古すべきものではなくなる。  今だからこそ追い求めなければならないような気品と、追及された美の極致。  源氏のプレイボーイっぷりから女人の性格まで、本当に目にしただけで理解できる。難しい文体で記された、あの当時のベストセラーの意味がやっとわかった気がした。

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2009/10/04

? 日本の色辞典のコメントに 『十二単かくときの色塗りの参考までに』 とかいたのですが、 それならこっちの方がよさそうです(笑)

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2009/10/07

源氏物語絵巻の本と一緒に購入。今ちょうど本を読んでいるのですが、文字だけでは分からない色が分かっておもしろいです。各帖ごとに書いてあるのも分かりやすいです。

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