水族 の商品レビュー
主人公に任されたのは動物園の夜警の仕事。住居は水中のアクリル板の部屋。でも違った。地球の陸は海に沈み,人は遺伝子操作で水棲生物となる。主人公以外全部。ラスト水中で生きられない主人公は肉体から解放され…解釈は自由
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主人公の雨利は巨大な水族館の中に部屋(宿直室)を与えられてただ生活するという「仕事」をこなしているが、自分以外の人類は水棲人間として進化していた。地球温暖化に伴う海水面上昇で陸地が無くなった未来を描いた作品。「猿の夢は見る?」とか「息するのはすき?」という奇妙な質問の意味が分かっ...
主人公の雨利は巨大な水族館の中に部屋(宿直室)を与えられてただ生活するという「仕事」をこなしているが、自分以外の人類は水棲人間として進化していた。地球温暖化に伴う海水面上昇で陸地が無くなった未来を描いた作品。「猿の夢は見る?」とか「息するのはすき?」という奇妙な質問の意味が分かってくるにつれて、心がざわめいた。最初は不思議な世界観が単純に面白そうと思って読み始めたが、最後は罠にはまった気分。竜宮城のような、水中の夢物語のような印象。
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水族館の飼育係が主人公の、奇妙なお仕事小説かと思っていたら…。 ユニークな発想と幻想的なイメージを楽しめる作品でした。
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素晴らしかった。ワタシは水底というと不穏な感じがどうしてもともなってしまう。代々木に大きな湖があって、その湖は普通の真水ではなく海水で出来ていることはすぐに分かる。水圧でぎしぎしいう施設のことを考えるとこっちも息苦しくなる。その施設で暮らす主人公が自分がどんな存在なのか気がついて...
素晴らしかった。ワタシは水底というと不穏な感じがどうしてもともなってしまう。代々木に大きな湖があって、その湖は普通の真水ではなく海水で出来ていることはすぐに分かる。水圧でぎしぎしいう施設のことを考えるとこっちも息苦しくなる。その施設で暮らす主人公が自分がどんな存在なのか気がついていくのにどきどきした。近未来小説。イルカから進化した人類の歴史というのがとても面白いと思った。
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以前『俺俺』と『虹とクロエの物語』を読んだ。この作品の雰囲気は『俺俺』の方に近い。ただ、『俺俺』に比べて内容的にも分量的にもこじんまりとまとまっているので、やや物足りない。しかし読みやすいので、著者の物語世界に軽く身をゆだねるにはよい。装丁や挿絵からも、そうしたコンセプトで執筆さ...
以前『俺俺』と『虹とクロエの物語』を読んだ。この作品の雰囲気は『俺俺』の方に近い。ただ、『俺俺』に比べて内容的にも分量的にもこじんまりとまとまっているので、やや物足りない。しかし読みやすいので、著者の物語世界に軽く身をゆだねるにはよい。装丁や挿絵からも、そうしたコンセプトで執筆されたものであり、そういう意味では素晴らしい。
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2009年2月21日読了。 主人公の雨利潤介、水族館の管理人という認識だったのだが実は……。こんな未来にもなりうるのか。一度読んだだけでは話がつかめなくて、さらにもう一度読み返しているところ。 小野田維さんの絵が何とも不思議な雰囲気。絵からイメージされた小説だという。こういう絵...
2009年2月21日読了。 主人公の雨利潤介、水族館の管理人という認識だったのだが実は……。こんな未来にもなりうるのか。一度読んだだけでは話がつかめなくて、さらにもう一度読み返しているところ。 小野田維さんの絵が何とも不思議な雰囲気。絵からイメージされた小説だという。こういう絵本のようなお話も良いなぁ。
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水の中の部屋で済み、巡回をする仕事を得た潤介。 東京は水が押し寄せアマゾン化が進んでいた。 しかしおつむが足りず何も教えられていない潤介はなんとなく変だなとだけ思い、自分の仕事のみをこなす。
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不思議な感じの本。 水族館の24時間監視員となった「ぼく」は、 実は、水中生活に適応できなかった(されなかった)唯一の生物であり、 「見る側」ではなく、「見られる側」であった・・・。 霊長類の先祖はイルカ、と歴史を書き換えてみても、人間を水中生活可能な体に作り替えた罪悪感に耐えかね、 適応させない体のままの種族を残した。その最後の一体になった「ぼく」だった。 神秘的な絵と合って、ステキに不思議な本となっております。
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挿画の印象で、幻想小説かと思って読み始めたけれども、のっけから「便器」「うんこ」と連呼していて、これはもう少し、リアル寄りな心持ちで読まなければ、と気を引き締める。 美しいようでいて、けして桃源郷を描いているのではない、むしろ生々しさを伴った少し悲しいSF小説でした。 (カテゴリは小説で登録) 何かの寓話を読みとれるのか、考えてみたけれど、私が感じたのは「悲しみ」でした。 挿画の印象が大きかったから、文字だけとか、あるいは別の挿画家の絵で読んでいたら、また違った感想になるのかな?
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