水族 の商品レビュー
妻が「最後がよくわからなかった」と述べていた。思うにそれは「物語」的ではないラストだったということではなかろうか。 「物語」というのは歴史もそうであり、基本的にマジョリティにとってのものであると思う。ある視点から(多くの場合は語る側が都合よく)纏め上げるものだ。集約させるための...
妻が「最後がよくわからなかった」と述べていた。思うにそれは「物語」的ではないラストだったということではなかろうか。 「物語」というのは歴史もそうであり、基本的にマジョリティにとってのものであると思う。ある視点から(多くの場合は語る側が都合よく)纏め上げるものだ。集約させるためのお話。 この小説の主人公は最後の人類であり、究極のマイノリティである。彼は独りであるがゆえに歴史に近い「物語」は語りえない。ある価値基準から語ることはできない。共有者がいないためである。それでも語るとしたら、それは神話に近いものになる。 クライマックスは「物語」のように集約するものではなく、むしろ拡散していくものだ。最後の人類である主人公は、進化論を逆にたどるかのように変化していく。それは進化でも退化でもなく、ひたすらに拡散していく。それを心地よく感じた。
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まずこの題名が好き。屋上雨林とか空飛ぶ魚がトカゲを食うっていう絶妙な世界観も好き。私はこの物語を在日コリアン(猿人)と日本人(水棲人)の戒めを込めた寓話物語として読んだ。 いかんせん絵が怖い。風景は影がある色使いで美しく大好きなのだが、魚とか人物の目が不気味にでか過ぎる。夢に出て...
まずこの題名が好き。屋上雨林とか空飛ぶ魚がトカゲを食うっていう絶妙な世界観も好き。私はこの物語を在日コリアン(猿人)と日本人(水棲人)の戒めを込めた寓話物語として読んだ。 いかんせん絵が怖い。風景は影がある色使いで美しく大好きなのだが、魚とか人物の目が不気味にでか過ぎる。夢に出てきそうで困った。
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表紙に惹かれて。世界観がとてつもなく好みだったので★6つを、文体が時々不必要なまでに下品な気がしたのでマイナス★1。 イラストがまた独特の雰囲気を醸していて素敵です。
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