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近所の景色/無能の人 の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2012/10/04

初めてのつげ義春作品。 コマ割りとアングル、ようは画の構成が完璧すぎる。 「鳥師」の幻想的な画と話がすごくツボでした。 あと「ある無名作家」は切なかった。 「近所の景色」は短編小説のようだし(つげ作品自体全部小説みたいだけど)、貧しさや虚しさを大仰に扱っていない分しみじみと感じ入...

初めてのつげ義春作品。 コマ割りとアングル、ようは画の構成が完璧すぎる。 「鳥師」の幻想的な画と話がすごくツボでした。 あと「ある無名作家」は切なかった。 「近所の景色」は短編小説のようだし(つげ作品自体全部小説みたいだけど)、貧しさや虚しさを大仰に扱っていない分しみじみと感じ入るものがある。

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2012/02/14

売れない漫画家が、石屋や骨董品屋になり、最底辺の暮らしに甘んじながら、虚無感にひたりつつ、なにか行動しながらじわじわと狂っていくかんじ。 衝撃。恐ろしいほどの虚脱感がして、この憂鬱の坩堝のなかに吸い込まれそうになる。また、短編集ではあるがすこしずつ作品同士が呼応しながら微妙な矛盾...

売れない漫画家が、石屋や骨董品屋になり、最底辺の暮らしに甘んじながら、虚無感にひたりつつ、なにか行動しながらじわじわと狂っていくかんじ。 衝撃。恐ろしいほどの虚脱感がして、この憂鬱の坩堝のなかに吸い込まれそうになる。また、短編集ではあるがすこしずつ作品同士が呼応しながら微妙な矛盾も孕んでおり、それが余計に混乱する。セリフは少なくどれも似たような話に感じなくもないが、絶妙な長さで、読後感のなんともいえない不安定な気持ちを堪能できたように思う。絵はうまくない。が、これが持ち味であるようにも思える。

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2011/09/17

つげ義春『近所の景色/無能の人』読了。「無能の人」シリーズ、ホント好き。資本主義からほぼこぼれ落ちた人たちばかり出てくる。その資本主義の縁のところが、多分一番、人間社会の見晴らしがいい。だから、つげさんの漫画は気持ちよい。

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2011/07/25

ちくま文庫から9冊セットで出されている、つげ義春コレクションの中の1冊。自伝的な要素があるのだろうけれども、主人公は本当に「無能の人」だ。解説をストリッパーの一条さゆりが書いていて、その題名が「食べさせてあげたい人」。色んな感想があり得るのだな、って、こちらも面白く感じた。

Posted byブクログ

2009/10/07

「無能の人」のシリーズや80年代の町田時代の私小説的作品を集めた作品集。 「無能の人」は竹中直人監督で映画化されて、あれも悪くなかったけど、竹中直人の人の良さが前面に出ている感じ。原作の方がもっと寂寥感がにじみ出ている。

Posted byブクログ