エル・システマ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エルシステマ(スペイン語のel systemaは英語のthe system) テレビ番組で始めてしって,やはり,思い込んでやることの大切さを知りました。 単に音楽というのではなく,オーケストラをねらったところがすごい。 音楽と社会性の両方を同時に教えられる。 すばらしい取り組みだと思いました。 いろいろなご苦労があるとは思います。 ベネズエラに聞きにいきたいと思いました。
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クラシック音楽を通じて、こどもたちを犯罪から守り、雇用を創出、犯罪者を更生させる、無償の音楽教育システム、エル・システマ。 文化政策もここまで徹底したら説得力がある。 エル・システマを運営するFESNOJIVを設立したアアブレウが、音楽だけでなく経済の専門家で、政治家としても活躍...
クラシック音楽を通じて、こどもたちを犯罪から守り、雇用を創出、犯罪者を更生させる、無償の音楽教育システム、エル・システマ。 文化政策もここまで徹底したら説得力がある。 エル・システマを運営するFESNOJIVを設立したアアブレウが、音楽だけでなく経済の専門家で、政治家としても活躍した人物だったからこそ実現できたプロジェクトなのでは。
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社会文化政策としての音楽教育 音楽に限らず、ダンスでも芝居でもお笑いでも漫画でもスポーツでも、教育・文化は政策として全面的にバックアップする必要があると思う。。。所得格差や地域格差がそのまま固定された格差になる現行の政策の転換の参考になる。。。
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初めに3つの大きな疑問を提示し、 最後にそれをまとめて回答する構成。 エル・システマというテーマでかかれている 日本語の本はこれだけではないだろうか。 体系的に理解するうえで 簡易な文章でかかれており とても読みやすかった。 より長期的なデータを元にした 次回作が望まれる。
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この本を読もうと思ったきっかけが、この本にも出てくるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラというオケのチャイコフスキーの交響曲第5番のCDで紹介されていたから。さらに、以前、このオケのマーラーの5番のCDを聴いて、指揮者のグスターボ・ドゥダメルも含めて久しぶりに...
この本を読もうと思ったきっかけが、この本にも出てくるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラというオケのチャイコフスキーの交響曲第5番のCDで紹介されていたから。さらに、以前、このオケのマーラーの5番のCDを聴いて、指揮者のグスターボ・ドゥダメルも含めて久しぶりに「凄い」ものを聴いたから。それも中南米のユース・オケがそこまでやれるのはどうしてかということを知りたくて、読み始めました。 タイトルのエル・システマとは、「方式」とか「システム」という意味。南米ベネズエラの子供たち、青少年が国をあげて参加するオーケストラ活動のことで。無料(!)で音楽の基礎知識や楽器の演奏活動を教え、オーケストラ合奏や合唱に参加する機会を与える音楽・オーケストラ教室を指します。 ベネズエラは「貧困」と「格差」が蔓延している国で、一般的に、規制緩和と市場主義に基づく「ネオ・リベラリズム(新自由主義経済)」がこの原因とされています(まるで、極東のどっかの島国と同じです)。さらに、平和度指数(「国」の安定性、安全性に関する指標)が最低ランク(ちなみに、極東のどっかの島国は上から5番目)。国際的紛争とは縁遠いが、犯罪関係の指標が悪く、「犯罪国」という印象が見られるような国です。 そういう社会から抜け出すために、音楽活動に力を入れ始めたのですが、周囲との軋轢や、ないない尽くしの状況など紆余曲折はあったものの、知恵と勇気で少しずつですが、活動の輪は広がっているようです。子供たちを犯罪から守る。オーケストラ関連で雇用を創出する。地方の子供、経済的に恵まれない子供にチャンスを与える。それがいい循環となっているようです。 この本を読んで感じたことは、この国の人たちが音楽を素直に愛し、ベネズエラをいう国を愛し、周りの人や自分を愛するという気持ちを持っていること。それ以上にそれらに誇りを持っていることを感じました(残念だけど、これはどっかの極東の島国には足りない)。この本にはこのシステムに参加する子供たちの話が載っていますが、多くの「」を読むと、その気持ちが伝わってきます。 もちろん、いいこと尽くめでないのはわかります。歴史も経済も政治体制も国民性も、どっかの極東の島国とはかなり違っているので、これを取り入れたらうまくいくかどうかも正直わかりません。ただ、これから次の世代を担う子供たちのために何をすべきか(特に、地方の子供たちのために!)を暗示する内容は示されています。 音楽だけでなく、ベネズエラという国を知るのにもとてもいい本です。 最後に、特に印象に残っている言葉を2つ。 「演奏せよ、そして戦え(Tocar y Luchar)」 (Lucharには、頑張ろうとか挑戦しようというニュアンスもあります) 「自分はまだまだ音楽を勉強している最中です。さまざまな文化をもっと吸収したい。世界はこんなにも広く、まだ知らないことがたくさんあります。もし、僕が10歳のとき、コントラバスに出会わなければ、エル・システマの音楽教室に入らなければ、これほど様々な世界の人々と知り合うこともなかったでしょう。僕はとてもうれしいのです。こうして話を聞いてくれることを。僕はオーケストラと出会えたことをこの上ない喜びと感じています。」 (史上最年少でベルリン・フィルのプレーヤーになったエディクソン・ルイースの言葉。彼は比較的貧しい地区の母子家庭に育ちながら、システムと情熱で今の地位を勝ち取った)
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ベネズエラ青少年オーケストラ・システムFESNOJIVの活動を、その社会的側面と音楽的側面から検証している。確かに自分を含めて誰しも「子供が大人並に演奏している」「天使の歌声」的な部分で子供の活動に弱いところがあるけれど、実際このユースオケの演奏はエネルギッシュで「自分もこの中で...
ベネズエラ青少年オーケストラ・システムFESNOJIVの活動を、その社会的側面と音楽的側面から検証している。確かに自分を含めて誰しも「子供が大人並に演奏している」「天使の歌声」的な部分で子供の活動に弱いところがあるけれど、実際このユースオケの演奏はエネルギッシュで「自分もこの中で一緒に演奏できたら」と憧れる演奏をしていて、だからこそこの本にある通り、珍しさを超えて幅広く認められたのだろう。アブレウ氏らに対して、大きくするにあたっての政治的な面等々批判もありえるけど、ただの「音楽狂」とか奇麗ごとだけで続けられる仕事じゃないし、その一貫性と目的を達成するための「政治力」は批判はできても真似できないもの。この本にはそのあたり比較的中立的に触れられてもいて、ベネズエラの歴史と絡まって発展を振り返っていて面白かった。
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