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画商の「眼」力 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2015/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 画廊を経営する画商である作者が、半生を語りながら画商という商売の中身や本物の絵とは何か、絵の真贋の見極めについて語る本。絵が好きな人向けだが、美術館で見るのが好きで絵を買おうとしたことがない人には理解し難いように思えた。  出だしの半生の紹介が冗長で、面白いのは後半から。どうしてもこの手の本だと語り手が己の半生を順序良く語って、その中でテーマにについて振れようとするが、その作者の元からのファンでなければ半生から始められても退屈に思えるのでは。  前半は藤田嗣治の半生について語るページが多く、藤田嗣治の絵が好きなので興味深く読めた。  後半から本のタイトルでもある真贋の見極めについてとなるが、その部分は面白かった。結論としては、見極めの根拠となるのはその画家の本物に触れてきた経験、その画家の半生や作風の変遷などへの知識や資料となるように思う。絵の真贋の判定ができるのは、その絵を見て来た経験や知識に基づくものだから、鑑定する人が誰の作品でもできるわけではないなどの仕組みが分かった。

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2015/07/13

本物の絵画には魂がこもっている。本当にそうだと思う。画商になりたいわけでも、絵画を買うわけでもないが熱意を感じ取れる人間になりたいと思った

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2014/01/04

笠間日動美術館にて購入。 日動画廊創立者の息子、長谷川徳七氏の著作である。 判り易い言葉で画商の立場から絵画や作家について記しており、とても面白く読めた。 贋作の見破り方に関して、兎に角理屈ではないといった趣旨のことを語っているが、本当にセンス勝負なんだなと思う。 理屈で説明出来...

笠間日動美術館にて購入。 日動画廊創立者の息子、長谷川徳七氏の著作である。 判り易い言葉で画商の立場から絵画や作家について記しており、とても面白く読めた。 贋作の見破り方に関して、兎に角理屈ではないといった趣旨のことを語っているが、本当にセンス勝負なんだなと思う。 理屈で説明出来ない経験則やセンスで測らねばならないことが確かに有ることは私も感じる時が有る。 作家の私生活のエピソードも多く、作品だけではなく作家の人間性も重視されている人なのだなと思った。 また、所謂作家とは異なる視点で絵画を見ているのが新鮮だった。

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2011/02/16

著者は日動画廊の代表取締役社長。創業者の父の跡を継ぐ。 読み終わった後、”本物”に会いたくなる本。 本物と正解は違う。本物と会うということは、何らかの形で自分の魂も揺さぶられること。本物に会うとは本物とは何かを問い続けること。本物・・・とにかく、会ってそのまま感じてみよう。 ...

著者は日動画廊の代表取締役社長。創業者の父の跡を継ぐ。 読み終わった後、”本物”に会いたくなる本。 本物と正解は違う。本物と会うということは、何らかの形で自分の魂も揺さぶられること。本物に会うとは本物とは何かを問い続けること。本物・・・とにかく、会ってそのまま感じてみよう。 ・真贋の鑑定ができる作家とできない作家がいる(p188) 知識があれば誰の作品でも鑑定できるのかと思えばそうでもない。「その作家の「本物」に触れた経験の蓄積がある場合のみ」鑑定ができる。その「本物」とはある画家の絵画を間近に見た経験だけではなく、その画家との交流、多くの作品の売買に携わったこと、デッサンやキャンバスなどの資料を持っていること、展覧会を開催したことなどーそういう経験すべてをひっくるめたものが本物。 ・本当に絵と向き合うとは 「知識を取っ払い、絵全体を見ようとする、つまり味わおうとするとき、絵そのものと向き合うことができるのです。」(p131) 「「この絵は本物だろうか?偽者だろうか?」と不安を持ち込んで見る人は、絵そのものと向き合っておらず、その人は自分の考えを見ているにすぎないことになります。・・・ 自分の感覚で見るより、説明をもとに絵を見る人は、何か「正しい絵」ちおう”正解”めいたものがあると考えているのかもしれません。 でも、教科書のような手本となる絵があると思うから、迷うのです。 あるのは「本物かどうか」だけです。それは見るまでわからないし、見て感じるほかありません。」(p132)

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2010/06/15

日動画廊の社長さんの著書。幼い頃から常に本物の作品に囲まれ、作家さんとの交流があったとはうらやましい限り。本物の作品を誰よりも見てきたからこそわかること。長谷川さんは、鑑定は買う人・売る人のためにあるのではなく、作家の名誉のためにあるのだと、繰り返し述べています。作品を、作家に愛...

日動画廊の社長さんの著書。幼い頃から常に本物の作品に囲まれ、作家さんとの交流があったとはうらやましい限り。本物の作品を誰よりも見てきたからこそわかること。長谷川さんは、鑑定は買う人・売る人のためにあるのではなく、作家の名誉のためにあるのだと、繰り返し述べています。作品を、作家に愛情を持っているのが伝わります。常に作家に寄り添い支えてきた長谷川さんならではの一流画家の意外なエピソードや、作品との向き合い方、実際にあった贋作をめぐる事件など、内容は読みやすく、美術に対する興味も深まる一冊です。

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