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隷属への道 の商品レビュー

4.4

14件のお客様レビュー

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2022/01/10

章ごとに主題がまとめられてて読みやすい。所々、自身の勉強不足で難しい部分もあったが全体的に翻訳も分かりやすかった。社会主義がなぜ上手く行かないのか理解が深まった。真の「自由」がもたらす恩恵は凄い。

Posted byブクログ

2020/07/14

「隷属」というなんとも恐ろしげで、今どきどんなことがあるのかと思いきや、意外とみんな望んでいるのではと思うところがあり購読。こういう時代だと、強力なリーダーになんでも決めてもらいたいとか、科学者や有識者の言うことならなんでも信じたいとか、指針を示せとか言う人が増える。片側で正しい...

「隷属」というなんとも恐ろしげで、今どきどんなことがあるのかと思いきや、意外とみんな望んでいるのではと思うところがあり購読。こういう時代だと、強力なリーダーになんでも決めてもらいたいとか、科学者や有識者の言うことならなんでも信じたいとか、指針を示せとか言う人が増える。片側で正しいのだが、もう片側で自立的な思考を放棄しているとも言える。古い言い回しで読みにくい部分もあるが、一章は短いので少しずつ読めば十分読了できる。「自由主義で成功を収めたものはその経済的繁栄を失いたく無いことから自由主義に反対するようになる」「民主主義は、権力を制限する力であるべき」「教養や知性の水準が高くなればなるほど、多様性も増す」「産業・経済の国有化は思想の国有化である」「タマゴを割らずにオムレツは作れないが、その時破壊されるののは何世代にもわたってようやく獲得できたものであるかもしれないと言うことを検討すべき」「進歩を計画するよりも、進歩にとって有利な条件を整える方が重要」など。本書が描かれたのは第二次大戦終戦直前の時期であるが、現代にも当てはまることが本当に多い。特に「諸個人の活動を細部に至るまで記録分析し、意思決定の結果を明らかにすることができなければ、経済的な完全統制は不可能である」と言う部分。GAFAがもっと広まれば、これができてしまうのでは。それを人々は歓迎するのだろうか。

Posted byブクログ

2020/07/12

どのように社会主義がクソかを丁寧に説明してくれる本。 最後の方は、英国人の道徳の観点から自由主義の必要性を語っていて良かった。

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2019/01/17

ナチズムを生み出したのは民族性や狂気の独裁者ではなく、自由主義に疲弊した民衆が社会主義の計画性と公平性に庇護を求めた結果、全ての権利を政府に与え、結果的に全体主義を生み出したという趣旨。 驚くべきと事にWW2中に書かれたこの本の内容は恐ろしいぐらいに現代と当てはまる。 自由という...

ナチズムを生み出したのは民族性や狂気の独裁者ではなく、自由主義に疲弊した民衆が社会主義の計画性と公平性に庇護を求めた結果、全ての権利を政府に与え、結果的に全体主義を生み出したという趣旨。 驚くべきと事にWW2中に書かれたこの本の内容は恐ろしいぐらいに現代と当てはまる。 自由という言葉は美しい響きと裏腹に過酷だ。大衆は心の底では自由を好まない。水戸黄門のように強い権力を持つ政府の美しい管理に身を任せたいと考えている。これは政治信条の左右を問わない。そして政治とは別の次元でも、現代人はGoogleやAmazonの管理下で暮らすことを好む。圧倒的に楽だからだ。 思ったのは、19世紀に発明された自由主義、民主主義という道具そのものは汎用性、堅牢性、永続性のある素晴らしい逸品。しかし業物の包丁が最高の料理を作り、殺人の道具となるように、汎用性の高い道具は使い手の質を要求する。 21世紀になってすら人類はこの道具を使いこなせるほど意識が高くなっていない。より正確に言えば、大衆の本質は何世紀も変わっていない。我々が道具を使える大衆になるには教育の質が足りていない気がする。Whatは足りていてWhyとHowが圧倒的に足りてないのだ。(学校改革とかのレベルではない。教育そのものの問題) 巻末に「戦前を知らぬ若い世代への期待」があり、同様に現代でも「過去のしがらみと偽りの繁栄を知らない若い世代」には教育の負の連鎖を断ち切る可能性があると思ってる。 この本は政治やイデオロギーの形而上学的な遊びではない。「ヒトがよりよく生きていくためにどうあるべきか」というソクラテスから続く素朴な疑問への現実的な問答と言える。

Posted byブクログ

2018/06/20

全体主義論の古典の一つ。 全体主義が社会主義と同じところから出てきている。経済や社会の問題を理性的・合理的・計画的に解決しようという善意、というか人間にそういうことができるという傲慢さが、全体主義を生み出す。 経済問題だけを計画的にうまく政府が計画的にコントロールし、その他の...

全体主義論の古典の一つ。 全体主義が社会主義と同じところから出てきている。経済や社会の問題を理性的・合理的・計画的に解決しようという善意、というか人間にそういうことができるという傲慢さが、全体主義を生み出す。 経済問題だけを計画的にうまく政府が計画的にコントロールし、その他の人間の自由といったこととは切り離せるとかんがえることの欺瞞。 それは、いわゆる全体主義だけでなく、共産主義にも共通。そして、批判の対象は、ずっと緩やかな社会民主主義にも向けられる。さらには、第2次世界大戦時のイギリスの論調が、20年前のドイツの論調と同じであることを指摘する。(そういうわけで、この本はイギリスでは非難轟々となり、アメリカでは、反共産主義の理論的根拠として利用される) ソビエトや東欧の共産主義が終わって四半世紀たつ、今となっては、中央集権的な経済の非効率性は誰にも明らかになっているが、第2次世界大戦時にそれを見通していた慧眼。。。。 いわゆるリバタリアン、市場経済重視の元祖みたいな感じの人だが、そのベースとなっているのは人間の能力に対する謙虚さ。 いわゆる新自由主義の経済学者は、人間の合理性、いわゆる経済人仮説を徹底する感じがあるのに対して、ハイエクは、合理性の限界から議論が始まっている。 一見、古典的なハイエクの思想は、認知心理学や複雑性、自己組織化などに展開しうる新しさがあって、かなり面白かった。

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2017/10/08

自由とは何か。 自由をもたらすためにはどのようなルールがあるべきで、また、あってはならないのか。 自由の背景にある道徳、隷属に向かう背景にある擬似道徳 2つの世界大戦の歴史の中で、極めて鋭敏な感覚で自由主義と、それを侵しつつある社会主義を分析した非常に勉強になる本です。 第二次...

自由とは何か。 自由をもたらすためにはどのようなルールがあるべきで、また、あってはならないのか。 自由の背景にある道徳、隷属に向かう背景にある擬似道徳 2つの世界大戦の歴史の中で、極めて鋭敏な感覚で自由主義と、それを侵しつつある社会主義を分析した非常に勉強になる本です。 第二次世界大戦中に書かれた本でありながら、現在のポピュリズム、ナショナリズムの流れを示唆するようにも思われる指摘が数多くなされており、今こそ立ち返るべき本だと強く思います

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2015/04/01

読み直したさ:★☆☆  第五章,第六章あたりは読み直したい。  全体を通して計画経済批判。計画化のための権力の委譲は,それが一部のみの委譲だと思っていても,結局は包括的な権力の委譲となる。  計画主義批判は全体を通して完成する。ただし,第十五章には批判ではなく,第二次世界大戦後の...

読み直したさ:★☆☆  第五章,第六章あたりは読み直したい。  全体を通して計画経済批判。計画化のための権力の委譲は,それが一部のみの委譲だと思っていても,結局は包括的な権力の委譲となる。  計画主義批判は全体を通して完成する。ただし,第十五章には批判ではなく,第二次世界大戦後の世界の展望が描かれている。

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2012/03/18

ネオリベラリズムの理論的支柱、ネオコンサバティズムの源流として、リーマンショック以降はケインズの対抗軸として、毀誉褒貶激しいハイエク。 本書でも自由主義と個人主義を擁護し、集産主義を徹底的に批判する。その批判は、集産主義の理念そのものへの異議申立てから、集産主義を遂行した場合の論...

ネオリベラリズムの理論的支柱、ネオコンサバティズムの源流として、リーマンショック以降はケインズの対抗軸として、毀誉褒貶激しいハイエク。 本書でも自由主義と個人主義を擁護し、集産主義を徹底的に批判する。その批判は、集産主義の理念そのものへの異議申立てから、集産主義を遂行した場合の論理的帰結の矛盾にまでおよぶ。ハイエクにとって、自由主義は社会的厚生を高めるための手段であるだけでなく、自由それ自体守らなければならない価値であり目的でもある。 そうしたハイエクの自由に対する姿勢は分かるが、やはり時代性は考慮する必要がある。ウェーバーの歴史認識が現代からみれば誤りだらけなように、ハイエクが依拠したのは半世紀以上前の理論。いまとなっては理論的な先進性はないし、経済発展を所与としているのも現代の状況とは違う。あるいはハイエクのシステムに関する思索の欠如について松岡正剛が指摘していたが、この点も留保しなくてはいけない。 理論的な知見を汲み取るのではなく、ハイエクの問題意識を現代的な課題とどう繋げられるかが問われるのだと思う。

Posted byブクログ

2011/03/10

マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」で「自由であることこそが正義だ!」という考えが否定されていたが、僕はサンデル先生の考えをそのまま受け入れるべきか逡巡し、自由主義者の考えにも触れておいたほうが良いだろうと思い、この本を手にとった。 読み終えて、全体主義や計画経済...

マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」で「自由であることこそが正義だ!」という考えが否定されていたが、僕はサンデル先生の考えをそのまま受け入れるべきか逡巡し、自由主義者の考えにも触れておいたほうが良いだろうと思い、この本を手にとった。 読み終えて、全体主義や計画経済を全否定していることは良くわかった。ただ、あるべき自由の姿がどうにもこうにもイメージできなかった。(自分の理解力の無さもあるだろうが) 「人による支配ではなく法による支配を!」という考えも納得できたが、法も人が作るものである以上、人間的な何かから逃れられないのではないかという疑問が残る。 なぜ人は自由でない方向へ進んでしまうのか、人の選択を支配しているのは一体何なのかというところが知りたくなってきたので、積読状態である「自由からの逃走」と「選択の科学」を読んでそこらへんの理解を深めたい。

Posted byブクログ

2011/01/30

リバタリアンがどういった考えを持っているのかが分かる本。 ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』に比べると、概念的な部分が多い。 とは言え、ハイエクの考え方も知っておいて損はないので、読んでみると面白いかと。 リバタリアニズムは合理的で、なかなか反論するのが難しいことを再認識...

リバタリアンがどういった考えを持っているのかが分かる本。 ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』に比べると、概念的な部分が多い。 とは言え、ハイエクの考え方も知っておいて損はないので、読んでみると面白いかと。 リバタリアニズムは合理的で、なかなか反論するのが難しいことを再認識する。

Posted byブクログ