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松本清張短編全集(05) の商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

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2024/10/28

表題作「声」に続いて、「顔」が並ぶ。どちらも独特の声、顔を持ってしまった者の悲劇を描いた犯罪小説。ただし、清張作品としては明らかに「顔」の方がデキが良いと思うのだが、なぜ「声」が表題? そして、あとがきで作者自身が実話を基にしたと説明している「尊厳」。本当に起こった事実は、小説...

表題作「声」に続いて、「顔」が並ぶ。どちらも独特の声、顔を持ってしまった者の悲劇を描いた犯罪小説。ただし、清張作品としては明らかに「顔」の方がデキが良いと思うのだが、なぜ「声」が表題? そして、あとがきで作者自身が実話を基にしたと説明している「尊厳」。本当に起こった事実は、小説よりも意外で残酷で、衝撃的だ。ただ、この事実の後日談は明らかに蛇足。小説家としての想像力を発揮したつもりだろうが、コレさえなけりゃ、名作だったのに。

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2021/09/30

「陰謀将軍」が面白かった。内容は一読をおすすめするということにして、このタイトルに興味をそそられませんか。清張作品はタイトルの付け方にクセがあっていいと思います。

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2016/11/18

この本に収められているのは、 ・声 ・顔 ・恋情 ・栄落不測 ・尊厳 ・陰謀将軍 書かれた時期は昭和31年頃なので、清張が47歳位の時期に書かれた作品集になる。 この中では、恋情が私の好み。 主人公が律子への未練たっぷりのところが、自分のようで。(笑) 陰謀将軍も中々。 足...

この本に収められているのは、 ・声 ・顔 ・恋情 ・栄落不測 ・尊厳 ・陰謀将軍 書かれた時期は昭和31年頃なので、清張が47歳位の時期に書かれた作品集になる。 この中では、恋情が私の好み。 主人公が律子への未練たっぷりのところが、自分のようで。(笑) 陰謀将軍も中々。 足利義昭を主人公にしたもので、こちらは、人生を諦めないという様子が出ている。 まあ、こちらも未練たっぷりという感じだが。

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2015/04/20

「声」は、二時間ドラマにしてほしい。「顔」は、ブラックジャックみたいな話で面白かった。「恋情」、松本清張もこういう話を書くんだなぁと意外だった。

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2012/05/03

この本に収録されている「恋情」は百合作品である。明治時代を舞台に、互いに惹かれあいながら言い出せず、やがて宮様と政略結婚させられてしまった幼なじみの女を想い続ける男の苦悩を描いた作品ではあるけれど。あと「陰謀将軍」を読んだら足利義昭が割と好きになった。

Posted byブクログ

2015/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『声』 新聞社の電話交換手をしている朝子。ある夜、記者に頼まれた電話を間違えてかけてしまう。電話にでた男との会話。翌日の新聞で間違えてかけた電話の先で強盗殺人事件が起きていたことをしる朝子。犯人と会話したことに気がついた朝子。難航する捜査。恋人の繁雄と結婚した朝子。茂雄の会社の浜崎の声が犯人の声と気がついた朝子。発見された朝子の遺体。肺の中から検出された石炭。貯炭場から見つかった朝子のハンドバッグ。容疑者の川井と浜崎のアリバイ。川井の愛人ヤスが隣家から借りた団扇。 『顔』 俳優・井野良吉。劇団に所属していた良吉がある映画監督の目に留まり徐々に映画出演していくようになる。井野が怖れる秘密。9年前に妊娠した恋人・ミヤ子を殺害した井野。殺害に向かう途中二人でいるところをミヤ子の知り合いの石岡に目撃されていた。新聞に犯人の顔を覚えていると話した石岡の記事。石岡を殺害しようと計画をたてる井野。実際には石岡が井野の顔を忘れていると気がついた井野。殺害をやめ安心するが…。 『恋情』 親戚である山名伯爵の娘・律子に恋する己。律子も同じ気持ちでいると思い続け、両家の親同士も結婚させる気持ちでいたが。突然持ち上がった律子と宮家の婚姻。 パリへ旅立つ己。パリでの生活。箱根でたまたま見つけた宮家の別邸。律子の生活。 『栄落不測』 急な加増で大名になった喜多見重政。弟の茂兵衛が将軍・綱吉の愛人の兄である堀田将監と親しいことからの加増。茂兵衛の義弟・浅岡縫尉が追放から帰ってくることになったが、預けられた家財道具を売り払ってしまった茂兵衛。妹と離縁させる茂兵衛。茂兵衛に面会を求めるが会えない縫尉。限界に達した縫尉の怒り。縫尉を殺してしまう茂兵衛。事件の揉み消しを図るが…。事件に不振を感じだ綱吉の再調査命令。 『尊厳』 九州のR県を訪れた宮家の先導役を命じられた多田警部。本番当日間違えてしまった道。責任をとり自決した署長。署長に続き自殺した多田警部。戦後、多田警部の息子・貞一の生活。死体処理、麻薬密輸で稼いだ金。元宮家の室町氏の困窮した生活。室町氏の屋敷を買い取った貞一。新興宗教団体を作った貞一と室町氏。 『陰謀将軍』 松永久秀と三好三人衆により兄である将軍・義輝を殺され自らも囚われの身になった覚慶。細川藤孝に救い出され将軍として京に登るために諸国を放浪する。たどり着いた織田信長の元。上洛する信長。自分を傀儡として使う信長に対する反乱。反乱を起こしても自分の重要性から殺さないと分かる義昭。ついに追放になり毛利の元へ身を寄せる。  2010年2月20日購入

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2009/10/04

どれもおもしろい短編なのだけれど、『恋情』いいです。今ウケしないかもしれないけど、ワタシャ好きだなぁ…

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2009/10/04

この歳になって初松本清張です。 短編集とはいえ 人間心理描写巧いです 物語にすっかり入り込んでいきました。 知り合いが松本清張絶賛するゆえんが理解できました 読み応えありました。 ほんとうに最近無意味な小説が多いとつくづく実感しました

Posted byブクログ