怒りについて 他一篇(訳:茂手木元蔵) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ときどき見返して刻みたい本。 生きていく中で、様々な困難や理不尽に遭うが、それらは全て自分を価値を試されている。 そのような機会は、自分の価値を高めるだけでなく、落とす可能性もある。 ふと振り返ったときに、完ぺきになる必要はないけど、残念に思わないように、振る舞いには気を付けていきたい。
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・セネカ、ちゃんとストア派。 ・マルクス・カトー賛美がすごい。 ・賢者は怒らないし、怒りはただ害悪という話。
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「敵を憎むな。判断力が鈍る」 これは映画ゴッドファーザーの名言であるが、まさにこの一言にこの「怒りについて」の要諦が集約されている。
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解説では「権力者への戒め」と紹介されていたが、実際は誰にでも通じる「怒りの制御法」の指南書だった。 怒りを予防するためにストレスの多い環境を避けること、怒りが湧いたらすぐ反応せず距離を置くこと――どれも現代にも有効な知恵。ブッダの教えと響き合う点も興味深い。 怒りに振り回され...
解説では「権力者への戒め」と紹介されていたが、実際は誰にでも通じる「怒りの制御法」の指南書だった。 怒りを予防するためにストレスの多い環境を避けること、怒りが湧いたらすぐ反応せず距離を置くこと――どれも現代にも有効な知恵。ブッダの教えと響き合う点も興味深い。 怒りに振り回されがちな人におすすめの一冊。
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目まぐるしい生成AIの進歩により、人間の価値の在り方を問われていると感じる今、この本を読んで思ったのは、2000年という長い年月の間に進化してきたのは文明や技術、つまり人間を取り巻く環境であって、人間の「本質」そのものは実はほとんど変わっていないのではないかということだった。怒り...
目まぐるしい生成AIの進歩により、人間の価値の在り方を問われていると感じる今、この本を読んで思ったのは、2000年という長い年月の間に進化してきたのは文明や技術、つまり人間を取り巻く環境であって、人間の「本質」そのものは実はほとんど変わっていないのではないかということだった。怒りについてのセネカの考察は時代の壁を感じさせない、今の私たちにもの心にも響き、説得力に溢れると思う。 アンガーネジメント関連の本は沢山あり、あたかも一種のスキルを身につければ怒りをコントロールできるかのような印象を持ちさえもするが、「怒り」とはもっと根源的で、人生そのものに関わるテーマであることを実感した。人間が2000年もの間悩み、共感を集めてきた「怒り」という感情に対しては、小手先のスキルでは太刀打ちできない、むしろ、人間の生き方や価値観、そして自己との向き合い方を深く見つめ直す必要があると思った。 以下、ネタバレ。 ・怒りとは、自分を害する「人」に対して害することへの心の躍動。対象はその原因ではなく人に向かう。 ・怒りによってもたらされる情動により、原因以上にその人に多くのものを失わせることもある。ただし、人を害することで得られる快楽は長い人生のほんの短い時間。それならば大きな心で短い災厄に耐えよう。 ・人に対する怒りの根源は、自分は正しい、という傲慢さ。ただし忘れてはならないのは罪のない人は1人もいない、罪を告白していないだけである。
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昨今のアンガーマネジメントという安易な内容ではない。怒りがどれだけ有害で、制御など不可能であり、どうすれば怒りを避けられるのかを具体的かつ血生臭く語る一冊。
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「生の短さについて」でお気に入りのフレーズが沢山あったので期待して読んでみましたが、あんまりでした。 そもそも内容がムズイので大半流し読みしてしまった。怒りが愚かなのは分かったけど、僕は賢者ではないし、なれる気もしないのでう〜〜〜ん……って感じです。賢者を目指すのは大事だと思いま...
「生の短さについて」でお気に入りのフレーズが沢山あったので期待して読んでみましたが、あんまりでした。 そもそも内容がムズイので大半流し読みしてしまった。怒りが愚かなのは分かったけど、僕は賢者ではないし、なれる気もしないのでう〜〜〜ん……って感じです。賢者を目指すのは大事だと思いますが。。。 「生の短さについて」の方がかなりオススメです。 生の短さについてのような、タメになる考え方がある本でオススメありましたら教えて下さると嬉しいです^ ^
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「怒りをコントロールする」にて、「心を困難に苦しませるのではなく、芸術の楽しみにゆだねようではないか。」とある。現代社会において"良い大人"とは、自分が所属する集団社会に貢献する者で、"良い子"とは、学校で良い成績を残す者であることと同義に...
「怒りをコントロールする」にて、「心を困難に苦しませるのではなく、芸術の楽しみにゆだねようではないか。」とある。現代社会において"良い大人"とは、自分が所属する集団社会に貢献する者で、"良い子"とは、学校で良い成績を残す者であることと同義になっているように思える。しかし、そういった価値観を追い求めすぎるせいか、それらに悩む人は自己を苦しませ、また、社会はそこから逸脱しようものなら厳しく当たる。他人を気にしすぎ、また、怒るのではなく、現実を忘れて芸術にふれ寛容になることが今の時代も大切なのではないか。
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ストア派の哲学者セネカの「怒り」に関する論考。 なるほど、これはいわゆるストイックというイメージにふさわしい「怒り」論だな。 ある意味、過激なまでのストイックさに恐れをなしてしまった。その分、読み物としては、思考を揺さぶる力をもっている。 この議論のある種の「過激さ」は、本...
ストア派の哲学者セネカの「怒り」に関する論考。 なるほど、これはいわゆるストイックというイメージにふさわしい「怒り」論だな。 ある意味、過激なまでのストイックさに恐れをなしてしまった。その分、読み物としては、思考を揺さぶる力をもっている。 この議論のある種の「過激さ」は、本物なのか、あるいはレトリックなのかというのも、ちょっと興味のあるところ。 セネカは、ローマの皇帝に近い上流社会に生きていて、最終的には肯定のネロに命令されて自死することになるわけだが、ある種の公共的な劇場空間のなかで、自己をどう演出するか、どうストア派的な言説を徹底するかというほうに向かっていたのかもしれないという感じもしなくもない。(解説もややそういうニュアンスで書かれている) 一見、なるほどと思わせるだけのインパクトをもちつつ、でもどうなんだろうか?と人を思考に誘っていく、そんな哲学の本。
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-摂理について- 世界が摂理によって導かれているのに、良き人々に数多の悪が生じるのはなぜか。 神は善き人にこそ試練を与える。まるで厳父のように。 古代哲学の運命論ゆえ、なるほどとはならないが、困難な状況を乗り越えることを称揚してくれる。 -賢者の恒心について- ストア派の考え...
-摂理について- 世界が摂理によって導かれているのに、良き人々に数多の悪が生じるのはなぜか。 神は善き人にこそ試練を与える。まるで厳父のように。 古代哲学の運命論ゆえ、なるほどとはならないが、困難な状況を乗り越えることを称揚してくれる。 -賢者の恒心について- ストア派の考える賢者が持ち合わせている大度について扱う。 不正とは悪をおよぼすこと、すなわち卑劣な心を呼び起こすことと定義される。賢者は徳で満たされているため、悪が入り込む隙がない。従って賢者に不正を与えることは不可能である。 賢者は徳以外に何も所有していないことを理解している。従って苛烈な目に遭わされても、運命が何かを奪うとは考えない。例として挙げられるスティルポーンのエピソードは強烈。 賢者は侮辱に関しては気にも留めない。赤ん坊が親の髪を引っ張る程度のことと考えている。 こうなれたら最強だよなーと思う。 読んでいる間、ちょっとしたことに心揺れる自分を思い起こし、その愚者っぷりを痛烈に感じる。 -怒りについて- 怒りとは、 ・不正に対して復讐することへの欲望 ・自分が不正に害されたとみなす相手を罰することへの欲望 ・害を加えたか、害を加えようと欲した者を害することへの心の激動である。 怒りについては学派によって扱いが分かれる。 アリストテレスは戦闘において必要と論じるが、セネカは否定する。いかなる場合でも怒りが有用にはなり得ないと論じる。 また、怒りは制御するのではなく除去してしまうのが良いとする。一度怒りに居場所を与えたら、増大するチャンスを与えることになる。 怒りはそれ自身で発するものでなく、こころが賛同してから生じる。つまり情念や反射のようにコントロール外のものではないとする。 怒りをなくす方法として、罪のない者は一人としていない、と思うことが重要。自分は何も間違っていないという思い込みがを捨てることが必要。 われわれは他人の悪徳に目をとめるが、己の悪徳を背に負っている。 そして怒りに対する最良の対処法は遅延である。 この本を読んでいた期間は、怒らないように自分を気遣えていた。読み終えた今も自分を気遣えるようにしていきたい。怒ってしまっているとき、この本の表紙を目にすれば怒りが抑えられる気がする。それくらい納得させられる内容だった。
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