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怒りについて 他一篇(訳:茂手木元蔵) の商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

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2024/09/15

昨今のアンガーマネジメントという安易な内容ではない。怒りがどれだけ有害で、制御など不可能であり、どうすれば怒りを避けられるのかを具体的かつ血生臭く語る一冊。

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2024/06/30

「生の短さについて」でお気に入りのフレーズが沢山あったので期待して読んでみましたが、あんまりでした。 そもそも内容がムズイので大半流し読みしてしまった。怒りが愚かなのは分かったけど、僕は賢者ではないし、なれる気もしないのでう〜〜〜ん……って感じです。賢者を目指すのは大事だと思いま...

「生の短さについて」でお気に入りのフレーズが沢山あったので期待して読んでみましたが、あんまりでした。 そもそも内容がムズイので大半流し読みしてしまった。怒りが愚かなのは分かったけど、僕は賢者ではないし、なれる気もしないのでう〜〜〜ん……って感じです。賢者を目指すのは大事だと思いますが。。。 「生の短さについて」の方がかなりオススメです。 生の短さについてのような、タメになる考え方がある本でオススメありましたら教えて下さると嬉しいです^ ^

Posted byブクログ

2023/11/14

「怒りをコントロールする」にて、「心を困難に苦しませるのではなく、芸術の楽しみにゆだねようではないか。」とある。現代社会において"良い大人"とは、自分が所属する集団社会に貢献する者で、"良い子"とは、学校で良い成績を残す者であることと同義に...

「怒りをコントロールする」にて、「心を困難に苦しませるのではなく、芸術の楽しみにゆだねようではないか。」とある。現代社会において"良い大人"とは、自分が所属する集団社会に貢献する者で、"良い子"とは、学校で良い成績を残す者であることと同義になっているように思える。しかし、そういった価値観を追い求めすぎるせいか、それらに悩む人は自己を苦しませ、また、社会はそこから逸脱しようものなら厳しく当たる。他人を気にしすぎ、また、怒るのではなく、現実を忘れて芸術にふれ寛容になることが今の時代も大切なのではないか。

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2023/02/18

ストア派の哲学者セネカの「怒り」に関する論考。 なるほど、これはいわゆるストイックというイメージにふさわしい「怒り」論だな。 ある意味、過激なまでのストイックさに恐れをなしてしまった。その分、読み物としては、思考を揺さぶる力をもっている。 この議論のある種の「過激さ」は、本...

ストア派の哲学者セネカの「怒り」に関する論考。 なるほど、これはいわゆるストイックというイメージにふさわしい「怒り」論だな。 ある意味、過激なまでのストイックさに恐れをなしてしまった。その分、読み物としては、思考を揺さぶる力をもっている。 この議論のある種の「過激さ」は、本物なのか、あるいはレトリックなのかというのも、ちょっと興味のあるところ。 セネカは、ローマの皇帝に近い上流社会に生きていて、最終的には肯定のネロに命令されて自死することになるわけだが、ある種の公共的な劇場空間のなかで、自己をどう演出するか、どうストア派的な言説を徹底するかというほうに向かっていたのかもしれないという感じもしなくもない。(解説もややそういうニュアンスで書かれている) 一見、なるほどと思わせるだけのインパクトをもちつつ、でもどうなんだろうか?と人を思考に誘っていく、そんな哲学の本。

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2022/12/09

ローマ時代に書かれたアンガーマネジメントの本。職場の机の引き出しに入れておきたい。 人生は短い。協働的な怒りに支配される時間があったら、怒りを打ち負かして他に時間を割いた方が格段によいと改めて痛感した。

Posted byブクログ

2022/12/01

-摂理について- 世界が摂理によって導かれているのに、良き人々に数多の悪が生じるのはなぜか。 神は善き人にこそ試練を与える。まるで厳父のように。 古代哲学の運命論ゆえ、なるほどとはならないが、困難な状況を乗り越えることを称揚してくれる。 -賢者の恒心について- ストア派の考え...

-摂理について- 世界が摂理によって導かれているのに、良き人々に数多の悪が生じるのはなぜか。 神は善き人にこそ試練を与える。まるで厳父のように。 古代哲学の運命論ゆえ、なるほどとはならないが、困難な状況を乗り越えることを称揚してくれる。 -賢者の恒心について- ストア派の考える賢者が持ち合わせている大度について扱う。 不正とは悪をおよぼすこと、すなわち卑劣な心を呼び起こすことと定義される。賢者は徳で満たされているため、悪が入り込む隙がない。従って賢者に不正を与えることは不可能である。 賢者は徳以外に何も所有していないことを理解している。従って苛烈な目に遭わされても、運命が何かを奪うとは考えない。例として挙げられるスティルポーンのエピソードは強烈。 賢者は侮辱に関しては気にも留めない。赤ん坊が親の髪を引っ張る程度のことと考えている。 こうなれたら最強だよなーと思う。 読んでいる間、ちょっとしたことに心揺れる自分を思い起こし、その愚者っぷりを痛烈に感じる。 -怒りについて- 怒りとは、 ・不正に対して復讐することへの欲望 ・自分が不正に害されたとみなす相手を罰することへの欲望 ・害を加えたか、害を加えようと欲した者を害することへの心の激動である。 怒りについては学派によって扱いが分かれる。 アリストテレスは戦闘において必要と論じるが、セネカは否定する。いかなる場合でも怒りが有用にはなり得ないと論じる。 また、怒りは制御するのではなく除去してしまうのが良いとする。一度怒りに居場所を与えたら、増大するチャンスを与えることになる。 怒りはそれ自身で発するものでなく、こころが賛同してから生じる。つまり情念や反射のようにコントロール外のものではないとする。 怒りをなくす方法として、罪のない者は一人としていない、と思うことが重要。自分は何も間違っていないという思い込みがを捨てることが必要。 われわれは他人の悪徳に目をとめるが、己の悪徳を背に負っている。 そして怒りに対する最良の対処法は遅延である。 この本を読んでいた期間は、怒らないように自分を気遣えていた。読み終えた今も自分を気遣えるようにしていきたい。怒ってしまっているとき、この本の表紙を目にすれば怒りが抑えられる気がする。それくらい納得させられる内容だった。

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2022/06/27

怒りについて、ここまで詳細に綴られるとは思わなかった 怒りの発生、怒りを抱え続ける事の危険さ 怒りなくすことは出来ないがいかに平穏に暮らすか あらゆることを想定し、怒りが起きても猶予を与える 今まで自分自身が犯した不正も顧みて、他者をすべて許せれば許す かぎりある時間のなか...

怒りについて、ここまで詳細に綴られるとは思わなかった 怒りの発生、怒りを抱え続ける事の危険さ 怒りなくすことは出来ないがいかに平穏に暮らすか あらゆることを想定し、怒りが起きても猶予を与える 今まで自分自身が犯した不正も顧みて、他者をすべて許せれば許す かぎりある時間のなかでつまらないこと(怒り)に時間を使うより 常に楽しい事や有意義な事に全力で時間を使うことを意識したい つまらないことでイライラする時間は減るだろうし もし、怒りそうになってもこの本の内容を思い返して 怒りの感情に対して心に余裕を持って対応できればと思う

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2020/10/28

旧訳と併せて読むのが正しい。茂手木訳には「神慮について」が、兼利訳には「摂理について」と「賢者の恒心について」が収められている。甲乙つけがたい翻訳だ。 https://sessendo.blogspot.com/2020/10/blog-post_28.html

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2020/08/27

自分の中に湧いてくる怒りという感情をうまくコントロールできないことを自覚するようになったため、古典の中にその解決法を求めて本書を手にとった。怒りという感情が倫理の上では無意味であり、一種の欺瞞ですらあるとの趣旨だった。怒りという感情を思考するのに良い手助けとなったし、それでも日々...

自分の中に湧いてくる怒りという感情をうまくコントロールできないことを自覚するようになったため、古典の中にその解決法を求めて本書を手にとった。怒りという感情が倫理の上では無意味であり、一種の欺瞞ですらあるとの趣旨だった。怒りという感情を思考するのに良い手助けとなったし、それでも日々湧いてくるのこ厄介な感情とうまく付き合えるようになって来たと思う。

Posted byブクログ

2020/06/06

俗っぽく紹介するなら「2000年以上読まれ続けるアンガーマネジメントの金字塔!」とでも言おうか。 不可避的な災厄、苦痛と向き合う「摂理について」。 賢者は不正を受けることがない、と主張する「賢者の恒心について」。 そして、怒りという情念の恐ろしさと、そこから逃れる術を説く「怒り...

俗っぽく紹介するなら「2000年以上読まれ続けるアンガーマネジメントの金字塔!」とでも言おうか。 不可避的な災厄、苦痛と向き合う「摂理について」。 賢者は不正を受けることがない、と主張する「賢者の恒心について」。 そして、怒りという情念の恐ろしさと、そこから逃れる術を説く「怒りについて」。 どれも、自らの働きかけでは御しがたいものとどう向き合うのかということに集約される。 賢者の恒心における、ある種の「上から目線」で接するという態度などは文面だけを読むと驚いてしまうが、心を平静に保ちながら徳を保つには有効な手立てだろう。 怒りという情念は破滅的なもので、そもそもそこからは逃れられるなら逃れるべきだ。 しかし怒りというものはそこかしこで発生し、我々は日々過ちを起こす。 その現実と向き合い、いかによりよくあるべきかを論じた本書は現代に置いても共感する箇所が多い。 怒りに任せて話し相手を切り殺すような人間は現代にはいないが、怒りが破滅をもたらすものであるのは今も昔も変わらない。 怒りのもつ恐ろしい副作用を自覚し、距離をおいてアンガーマネジメントするためのヒントはこの古典にぎっしりと詰まっている。

Posted byブクログ