合理性を圧倒する感情 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
感情が文化の形成にどのような影響を与えているかについて興味があったので、第四章の文化、感情、嗜癖の第一節「文化の概念」、第二節「文化と感情」の部分について重点的に読んで、以下の内容で理解した。 本書では社会規範、価値、信念を文化の構成要因としているが、それぞれの要因の元として「概念」がなければならない。この「概念」の形成は以下の過程によって生まれる。 [文化の構成要因の形成] 原始感情(無自覚の感情) → 認識→ 概念化 → 正規感情 → 社会規範、価値、信念 ということは、原始感情から認識する過程で自己欺瞞などで「正しく」認知出来ていなければ、正しい文化の形成がなされないという事になり、合理的ではないという事になる。よって、合理的に文化を形成したいのであれば、自己欺瞞などによる認知の歪みを如何に無くしていくのかという事になるが、本書では感情はストロング・フィーリング(臓腑要因)で生理的要因によって発生するものとしているため、人が完璧に合理的に文化を形成するのは難しいのではないかと思う。
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