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ナショナル・ストーリー・プロジェクト(2) の商品レビュー

3.7

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2025/12/07

前回からの続きとなるラジオに寄せられたアメリカ市民の物語群だが、本作は戦争や死など重々しいテーマのアンソロジーが収録されており、前の巻と雰囲気は多少異なる。しかしながらこれもまたアメリカの名もなき声であると同時に、個人的に興味深かったのは敗戦国である日本の立場で第二次世界大戦の話...

前回からの続きとなるラジオに寄せられたアメリカ市民の物語群だが、本作は戦争や死など重々しいテーマのアンソロジーが収録されており、前の巻と雰囲気は多少異なる。しかしながらこれもまたアメリカの名もなき声であると同時に、個人的に興味深かったのは敗戦国である日本の立場で第二次世界大戦の話をアメリカ市民の視点で読むというのは結構珍しい体験でとてもよかった。好みとしては前巻のほうだが、誰もが訪れる死についての物語と、それに対しての万人にとって不変の共感である愛についての物語はどれも面白く、染み渡る短編集であった。

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2024/08/08
  • ネタバレ

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夢を見たその時、現実でも同じことが起きたっていう話がたくさんあってびっくり 一番最後のラジオと孤独についての話、まさに最後にぴったりな話でよかった

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2024/04/15

Iに引き続きこちらも読破。 Iも良かったけど個人的にこちらのIIで取り上げられてるテーマの方がよりそれぞれの人生を追体験している気分を味わえて好みかもしれない。 テーマに戦争、死、愛など重ためのものが含まれているからこそ人の感情がよく伝わってくる。 瞑想というテーマも普段は覗くこ...

Iに引き続きこちらも読破。 Iも良かったけど個人的にこちらのIIで取り上げられてるテーマの方がよりそれぞれの人生を追体験している気分を味わえて好みかもしれない。 テーマに戦争、死、愛など重ためのものが含まれているからこそ人の感情がよく伝わってくる。 瞑想というテーマも普段は覗くことのできない他人の取り止めのない思考を知ることができてよかった。 個人的なお気に入りエピソードは「一九四五年のクリスマス」、「スーザンからこんにちは」、「予行演習」、「石掘」、「アナ・メイ」、「海辺」かな。

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2020/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これが、アメリカの姿。 ポール・オースターのラジオ番組の企画、第二弾。戦争だったり愛だったり、様々なアメリカにいる「わたし」のストーリーが語られる。最後に収められた「ありきたりな悲しみ」のラジオについての投稿が、まさにこのプロジェクトを語っていると思う。 後書きによるとこの本の出版は2001年9月13日。プロモーションでは9.11に触れて、アメリカが「なぜ嫌われ」もしくは「評判は悪くなる一方」なのか、アメリカとは、自分たちは何者で何を考え何を信じているかを問い直す時に出版された、と書かれている。文庫本のための後書きによると、その時はオバマ氏が大統領になった頃で、アメリカ人はもちろん世界が「アメリカの理念に対する期待と信頼をふたたび取り戻しはじめて」いる頃のようだ。ここにあるアメリカは、温かく、時に滑稽で、くすりと笑える愛おしさを備えている。 しかし、今、オバマ氏の次の次の大統領が選ばれようとしているアメリカの姿は、もうどう表現していいのかわからないほどの混乱と失望と対立の真っ只中だ。ここに声を届けてくれた人たちにも、信じるものがあり、失いたくないものがあり、そのために今戦っているかもしれない。 アメリカは(アメリカだけではないけど)声に満ちている。声が響き渡っている。願わくば、わたしが何者かを語る声が、相手を傷つけるためのものにならないように。ラジオから流れる、孤独な人に寄り添うような声であるように。

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2018/04/26

(01) 物語たちの半分ほどを読み進めた頃,ふと柳田國男の遠野物語のことを思い出した.本書は,読み方によっては現代アメリカの遠野物語になるのかもしれない. 泣ける話,笑える話にも事欠かないが,それ以上に奇妙な話(*02),奇跡的な話に驚かされ,それらの物語は,人物や物事の先や上に...

(01) 物語たちの半分ほどを読み進めた頃,ふと柳田國男の遠野物語のことを思い出した.本書は,読み方によっては現代アメリカの遠野物語になるのかもしれない. 泣ける話,笑える話にも事欠かないが,それ以上に奇妙な話(*02),奇跡的な話に驚かされ,それらの物語は,人物や物事の先や上にある何物か,それはおそらく原題には残る神を示唆するものなのだろう.その意味では,神の跡を示す物語たち,つまり現代の神話篇と呼びたくなるような仕上がりにもなっている. なぜラジオなのか,不特定の人々に,不特定の物語を募るプロセスが,神の降誕には必要な手順であり,儀式であったのかもしれない.瞑想の最終話にはラジオならでは啓示性が現れている. (02) オカルトめいた信仰告白集でもある.リアルなストーリーという点では,2010年前後の日本のテレビに現われた「松本人志のすべらない話」に似通った魔圏が形成されている. 本当か本当でないか,それは他人によってはもちろん,語る本人や語られる当人にとっても証明することはできない.作り話ではない,が前後関係,因果関係はそれが過去の語りである以上,あとから付け加わる箇所もあり,話として整えられ美化される箇所もあり,信じていたいたいという吐露が言葉に現われる箇所もある.こうして語り手によって時間をかけて織られた文章は,どこに作用するのだろうか. 本書は,ストーリーやヒストリーという問題系に意欲的に,そして実践的に取り組んだ作品でもある.

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2017/08/11

事実は小説よりも奇なりという使い古された表現は使いたくなかったけど、そうとしか言いようがない草の根レベルのアメリカが見えた。

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2015/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オースターがラジオ番組のために一般の人々から募集した実体験集の続編。数ページといえど物語の原型といえるような体験談が詰めこまれ、お手すきの合間に大満足な読書ができました。 印象に残ったのは『一九四五年八月』。死の運命から逃れたと思った選択が、死を呼び寄せてしまうのはまさに"サマーラの死神"の現代版です。これが実話だとは…。ほかにもニューヨークに大寒波が到来した日にスケートに出かける兄妹の物語『雪』。猛暑日だろうが心がほっこりするのはいいものですね。そして、オースターのラジオ番組をきっかけに自分に目覚める『ありきたりな悲しみ』。平凡な日常にだって物語の端緒となるような機会があちこち転がっているのかも。

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2014/02/06

なんとシンプルな企画でこれほどまで効果を挙げたものだ。特に最後の「瞑想」カテゴリーの秀逸さはまさに玄人はだしの領域に達す。ひとつひとつ密度や出来栄えや深さに差こそあるものの完成度はすばらしく高い。翻って此岸のたとえば新聞投書欄、たとえばブログのテキストなどの貧しさ乏しさ狭さを思う...

なんとシンプルな企画でこれほどまで効果を挙げたものだ。特に最後の「瞑想」カテゴリーの秀逸さはまさに玄人はだしの領域に達す。ひとつひとつ密度や出来栄えや深さに差こそあるものの完成度はすばらしく高い。翻って此岸のたとえば新聞投書欄、たとえばブログのテキストなどの貧しさ乏しさ狭さを思うに、寂莫たるものを禁じえない。

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2013/10/02

ずっとベッドサイドに置きっ放しにし、読んだり読まなかったりしながらかれこれ5年以上経った。その間に4つの家に住み、3回の引越しを経験した。最後は一気に読み切った。ようやく、数年ぶりに晴れて本棚に戻ります。

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2013/06/22

高校生の頃、図書館で勉強を放り出してむさぼるようにこの本を読んだことを思い出した。あの時代の、あの頃のアメリカ。それも草の根レベルの、非常に小さくて、馬鹿で、でも人間臭くて、愛すべきアメリカ。これこそが物語だと、こういうものこそが真の物語だと心底おもう。ベトナム戦争がアメリカ国民...

高校生の頃、図書館で勉強を放り出してむさぼるようにこの本を読んだことを思い出した。あの時代の、あの頃のアメリカ。それも草の根レベルの、非常に小さくて、馬鹿で、でも人間臭くて、愛すべきアメリカ。これこそが物語だと、こういうものこそが真の物語だと心底おもう。ベトナム戦争がアメリカ国民のこころにどのようにしこりを残しているのか。それをダイレクトに率直に伝えるのは溢れる文体でヒロイックに戦争を描いた物語ではなく、こういった小さな庶民のささやかな物語であると。当たり前のことだけれどもそれぞれの人々がそれぞれの関係性をもって、それぞれの気持ちをもって、生きているその生き生きとした物語を読むということは、何にもかえがたい喜び。

Posted byブクログ