「場所」論 の商品レビュー
Sat, 14 Feb 2009 久しぶりにアクロバティックな本. 「場所」という言葉を中心に飛び回る. はじめは三浦展のファスト風土化や郊外化の概念をとりだして,地域の問題を語る. いわゆるジャスコ文明論. 東京による構造的な搾取構造の仕組みなどを解説しながら,非常に経済的...
Sat, 14 Feb 2009 久しぶりにアクロバティックな本. 「場所」という言葉を中心に飛び回る. はじめは三浦展のファスト風土化や郊外化の概念をとりだして,地域の問題を語る. いわゆるジャスコ文明論. 東京による構造的な搾取構造の仕組みなどを解説しながら,非常に経済的なお話もする. かとおもいきや,場所とは何かということで,清水博の「場」の理論に向ったり,オートポイエーシス輸入代理店河本氏の理論にいったりする. 場所というのは自分を規定する. 自分というのは「~於いてである」ということで,西田哲学に向い,フッサール,ハイデッガー,メルロ・ポンティと転んでいく. 結局,場所を問うことは半分は自己を問うことなんだろうか. かといっても,視野狭窄な現代思想家ではなく,最近のWEB,インターネットにより「場所」がどう変わるかと言うことに対して思いをはせる. そのときには,SNSにおけるアクセス管理を個人が出来るようになっていることや,twitterの話など,結構あたらしめな話題を学術的な視点からくみとる. 意外とイケてる作品でございました. とにかく「場所」というキーワードで1冊書ききるところがよかった. ちゃんと「場所」論だな-.
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地域は不要になりつつある。 こう聞くと、愕然とする。 どの地方も、大型ショッピングモールが郊外にでき、住民はそこで買い物をする。 地方の都心にある商店街は、利用されなくなり、シャッター街となる。 もちろんコンビニやマクドナルドなど、全国チェーン店がどの地方にもあるため、どこにい...
地域は不要になりつつある。 こう聞くと、愕然とする。 どの地方も、大型ショッピングモールが郊外にでき、住民はそこで買い物をする。 地方の都心にある商店街は、利用されなくなり、シャッター街となる。 もちろんコンビニやマクドナルドなど、全国チェーン店がどの地方にもあるため、どこにいっても同じ風景となる。 こうした事実は確かにあり、ファスト風土化というのは、時代の流れだと思う。 また、交通の便が発達したことにより、地縁の必要性がなくなり、域内での利害調整が不要となっているのも、地域不要と言える材料となる。 地域を再活性するには、その地域内でお金を循環させる必要がある。 しかし、チェーン店が増えることで、財は本店である東京に集まってしまう。 地産地消は、お金にも言えるが、難しい状況と言える。 これは、海外の貧困国でも同じ。 こうした中で、ウェブ空間がここ20年くらいで信じられないくらい大きくなっている。 ウェブ空間では、1人の人間に個人が幾つも存在する。 その個人は、キャラクターともいえ、それぞれが他人を感じられる空間にいる。 場所の定義からすると、私はウェブ空間に「於いてある」とは言えないが、空間を共有することができるという点では、人が新たに生活する場所と言っても良いと思う。 地域、空間、場所の定義から、ウェブ空間とは何かを説く、面白い1冊。
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地域が混在郷と化した理由のひとつである、インターネットという「場所」の特性を論じて、最後にもう一度地域を考えよう、という趣旨の本(多分) インターネット空間に関しての考察をいくつか例に挙げて、多面的に論じていて、空間論的なものに初めて触れた者としては、 「こういう論がいくつも生...
地域が混在郷と化した理由のひとつである、インターネットという「場所」の特性を論じて、最後にもう一度地域を考えよう、という趣旨の本(多分) インターネット空間に関しての考察をいくつか例に挙げて、多面的に論じていて、空間論的なものに初めて触れた者としては、 「こういう論がいくつも生成されてるんだな~」 的なところがつかめてよかった。 ただ、後半のウェブ空間の部位の特性を挙げながら、空間特性を考えるところについては、 なぜこの4つなのか、これ以外にはないのか、 なんとなく腑に落ちない部分があった。
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コミュニティの在り方が変わった。 それは地域論の変化、WEB論の変化だった。 僕らのコミュニティは場所に依存していた。
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[ 内容 ] 地域の衰退が指摘される一方、インターネットの急速な普及に伴い、ウェブ空間という新しい活動空間が突如出現した。 失われゆく場所があり、他方で新しい場所が生まれる。 静かに進行するこの劇的な事態を明らかにする。 [ 目次 ] 第1章 混在郷を生きる 第2章 場所とは何...
[ 内容 ] 地域の衰退が指摘される一方、インターネットの急速な普及に伴い、ウェブ空間という新しい活動空間が突如出現した。 失われゆく場所があり、他方で新しい場所が生まれる。 静かに進行するこの劇的な事態を明らかにする。 [ 目次 ] 第1章 混在郷を生きる 第2章 場所とは何か 第3章 地域から遊離した空間 第4章 生きられたウェブ空間 第5章 ウェブ空間の比類なき空間特性 第6章 地域のロマンチシズム [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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雑学が増えた。勉強にはなった。 ただ、論としてどうかとは思った。ちょっとくどい。よく言えば丁寧? まあ、その、丁寧すぎただけに、結論はちょっと「???」な感じは否めませんでした。
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それでも、われわれが「住む」場所としての地域はどうしても残るわけでね。ハードは変わらないんじゃないかと。ソフトは変わるけども。いや、もちろん、おもしろいし、おすすめの本。
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