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おはん・風の音 改版 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/05/28

岩国に旅行に行くことになった。 宇野千代は桜のハンカチなどを持っていたが、読んだことはなかったので代表作を。 あの時代らしい、自分勝手な男とおとなしい妻と気が強い妾の話が2編。 妻はどちらも育ちが良く控えめだけれど、作者自身は恋愛に奔放というか自分の心に正直なのが面白い。 この時...

岩国に旅行に行くことになった。 宇野千代は桜のハンカチなどを持っていたが、読んだことはなかったので代表作を。 あの時代らしい、自分勝手な男とおとなしい妻と気が強い妾の話が2編。 妻はどちらも育ちが良く控えめだけれど、作者自身は恋愛に奔放というか自分の心に正直なのが面白い。 この時代の女流作家って、私生活はエネルギッシュな印象。 因みに宇野千代生家は苔の庭がとても美しかった。

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2013/09/30

二人の女性を往き来する男、その先に待つ悲しい結果。およそ現代では想像し難いが、花柳界という背景のうえで成り立つ、他者の視線に翻弄されない人の自然な営みと思える。創作方言が異世界に誘ってくれる。

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2011/09/04

「失恋するたびに号泣しながら近所を徘徊する恋愛上級者」「オリーブオイルが美容液のキュートなおばあちゃま」というイメージだった宇野千代。エッセイしか読んだことがなかった私にとっては初の小説作品となった。「おはん」も「風の音」も、どちらも登場する男は女房から離れて妾か正妻かよくわから...

「失恋するたびに号泣しながら近所を徘徊する恋愛上級者」「オリーブオイルが美容液のキュートなおばあちゃま」というイメージだった宇野千代。エッセイしか読んだことがなかった私にとっては初の小説作品となった。「おはん」も「風の音」も、どちらも登場する男は女房から離れて妾か正妻かよくわからない女と関係を保ち、いずれその三角関係(時に子どもを含んだ四角関係)は脆く崩れていく。女房の立場にある女の積極的なまでの受身さ(語弊ではない)が現代の感覚からすると異常に見えるけれど、「何も感じないでいること」とは、何も感じないでいようという強靭な意志がなければ出来ないことではないのだろうか。

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2012/01/08

「色気婆さん」と思ってなめてはいけない。小説家は「人形遣い」型と「イタコ」型に分けられるが、この著者は専ら後者。完全に憑いていて、なにか天然の恐ろしさがある。 例えば『風の音』のおせんはまさに天然で、自らの「悋気」(夫の妾に対する嫉妬)に罪責を感じながらも、無意識にそれを肯定し...

「色気婆さん」と思ってなめてはいけない。小説家は「人形遣い」型と「イタコ」型に分けられるが、この著者は専ら後者。完全に憑いていて、なにか天然の恐ろしさがある。 例えば『風の音』のおせんはまさに天然で、自らの「悋気」(夫の妾に対する嫉妬)に罪責を感じながらも、無意識にそれを肯定しているふしがある。本人が意識しないからこそこの「悋気」はおぞましく、最後、夫の葬式で妾に白無垢の着物を着させるところで、それは炸裂する。女は怖い。

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2010/07/22

私には主人公のようなおくゆかしさは無いので、旦那の浮気相手と一緒に住むなんて無理。 目の当たりになんてしていたくないし、自分を置いて浮気相手と逃亡生活を始めた時点で離婚すると思う。 勿論時代が違うので、そんな簡単にもいかないのは分かっているのですが…。 主人公は別に平気だった、...

私には主人公のようなおくゆかしさは無いので、旦那の浮気相手と一緒に住むなんて無理。 目の当たりになんてしていたくないし、自分を置いて浮気相手と逃亡生活を始めた時点で離婚すると思う。 勿論時代が違うので、そんな簡単にもいかないのは分かっているのですが…。 主人公は別に平気だった、回りが色々言うけれど、本当に大丈夫だった、というのなら、 まあ、「あなたがそういうのならいいんじゃないですか」という意味合いで納得はするものの、 正直共感するところはなにもなく。 ファンの方の評判をネットで読んでいた分には面白そうかもと思っていたのですが、 どうも私の好みには合わなかったようです。 女ってやっぱり耐えるしかないんですか?という疑問の残るような…。 振り回されて耐えて家を守るのが役目なんですか?という。 そういう時代と今は違うし、今は今で、主人公が馬主になっているシーンがあったけれど そうやってむしろ旦那のためではなくて自分の趣味を謳歌することが許される時代なわけだし。女も。 私はきっとそうやって生きていくだろうと思うので。 主人公の素直さ、可愛さは良かったけれども。 本人は幸せだったようだけれど、報われないお話だなぁというのが正直な感想でした。

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2009/10/30

良く考えれば両方破綻した夫婦関係の話なのだが、情感がせまってくる。 …なんというか、一言では言い表せない、人間。…厚いんだなぁ。と、感じた。

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2009/10/04

時代や言葉が古いので読んでいて情緒的に思えたけれど、これが現代のお話だったら「なんてだらしない男なんだ」と感じたと思います。多分。でもその雰囲気がすごくいい。宇野千代さんの名前はハンカチなどでも見るね。98歳まで生きた方らしい。すごい。

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