乾山晩愁 の商品レビュー
つまんなかった。登場人物が多く、キャラクターの肉付けがないまま視点をあちこち変えるので、わけがわからない。登場人物も馴染みがなく、名前も覚えにくい。しかも歴史のウンチクも多くてうんざりした。物語になんの面白みもなかった。で?ってかんじ。
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大ファンである葉室さんの最初の受賞作品ということで手に取りました。武士の話ではなく、絵師の話。いつものパターンのは違いましたが、後の作品にもこの短編からの逸話が見受けられますよね。和歌も出てくる。芸術が葉室さんの作品を武骨だけでない奥深さの隠し味のような気がします。絵師も&quo...
大ファンである葉室さんの最初の受賞作品ということで手に取りました。武士の話ではなく、絵師の話。いつものパターンのは違いましたが、後の作品にもこの短編からの逸話が見受けられますよね。和歌も出てくる。芸術が葉室さんの作品を武骨だけでない奥深さの隠し味のような気がします。絵師も"修羅"。歴史ものとしても、絵師を通じた時代感も味わうことができました。
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戦国から江戸元禄期に渡り後世に名を残した尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、清原雪信、英一蝶といった絵師、陶工達を描いた5篇の短編集。主人公はそれぞれ異なり、独立した作品集ではあるが、時の権力者に深く関わる狩野派が絡んでおり連作短編集的な楽しみもある。 天才的な絵師の創作活動を語ると...
戦国から江戸元禄期に渡り後世に名を残した尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、清原雪信、英一蝶といった絵師、陶工達を描いた5篇の短編集。主人公はそれぞれ異なり、独立した作品集ではあるが、時の権力者に深く関わる狩野派が絡んでおり連作短編集的な楽しみもある。 天才的な絵師の創作活動を語るというよりも、創作する上での絵師が、人としていきる様々な欲望や希望、そして到達する達観を見事に描いている。
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戦国から江戸の絵師たちを綴った短編5編 尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶の物語。 しかし、ほとんど名前を聞いたことがありません(汗) なので、この物語の面白さを自分では理解できません(涙) 結局、作品をググって確認しました。 これらの絵師たちの人生の悲哀や苦悩が当...
戦国から江戸の絵師たちを綴った短編5編 尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶の物語。 しかし、ほとんど名前を聞いたことがありません(汗) なので、この物語の面白さを自分では理解できません(涙) 結局、作品をググって確認しました。 これらの絵師たちの人生の悲哀や苦悩が当時の時代背景やその出来事と共に語られます。赤穂浪士ともつながっています。 ■乾山晩秋 尾形乾山の物語 赤穂浪士の討ち入りとも絡んでいます。 ■永徳翔天 狩野永徳の物語 信長から「天を飛翔する絵」を求められた永徳。 そして、長谷川派との争い 狩野派を守るための戦い ■等伯慕影 長谷川等伯の物語 等伯からみた狩野派との争い ■雪信花匂 狩野雪信の物語 狩野派の派閥争いの中、守清との愛を貫いた雪信 ■一蝶幻景 英一蝶の物語 大奥までも登場し、別の視点から赤穂浪士の事件が語られます。 これらの絵師たちや時代背景をもっと理解できれば面白いんでしょうけど、ちょっと残念。
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有名な絵師が連続して登場する短編集。 絵のことよりも、業界での勢力争いや人間関係のもつれに着目した作品は非常に珍しいと思いますが、どこまでが作者の創作なんだろうか。 よく似た名前が多すぎるせいなのか、読みにくい作品でもあった。
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安土桃山〜江戸時代の芸術家たちの物語。狩野永徳しか知らなかったけど、他の人たちの作品が見たくなりました。永徳、探幽はいいかもしれないけど、その後の狩野派は美しいコピーを作り出す工房。アーティストにはとてもつとまらなかったでしょうね。
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各々に実在した近世の芸術家をモデルとする主要視点人物が据えられている5篇が収められている。 以下、何れも少し難しい漢字の題を冠した5篇の名と、各篇の主要視点人物のモデルとなった芸術家の名、伝えられる生没年を挙げる。尚、これ位の時代の人は自称、他称で色々な呼び名が在る場合、何かの契...
各々に実在した近世の芸術家をモデルとする主要視点人物が据えられている5篇が収められている。 以下、何れも少し難しい漢字の題を冠した5篇の名と、各篇の主要視点人物のモデルとなった芸術家の名、伝えられる生没年を挙げる。尚、これ位の時代の人は自称、他称で色々な呼び名が在る場合、何かの契機で改名する、青年期と壮年期や老境というように人生の中で名乗りを変えるという例も多い。そこで「多分、最も広く知られているであろう」と見受けられる、百科事典的なモノで調べると直ぐに出て来る名を挙げておいた。 『乾山晩愁』(けんざんばんしゅう):尾形乾山(1663-1743) 『永徳翔天』(えいとくしょうてん):狩野永徳(1543-1590) 『等伯慕影』(とうはくぼえい):長谷川等伯(1539-1610) 『雪信花匂』(ゆきのぶはなにおい):清原雪信(1643?-1682?) 『一蝶幻景』(いっちょうげんけい):英一蝶(1652-1724) 何れも自身の創作の他方に在る人生の課題に向き合い、各々の“時代”の中での生き様が描かれるという物語で非常に面白い。 尾形乾山は彼以上に知られる存在と見受けられる尾形光琳の弟である。陶芸家であり、兄の光琳が画を入れるという共作も知られているという。兄の光琳が逝去して暫く経った頃、光琳に縁が在った女性と、光琳の子である少年が乾山の前に現れる。そんな中で展開する人生模様と創作活動との物語が『乾山晩愁』である。 狩野永徳は天才の名を恣にしたような時代の寵児であった絵師だ。「天を翔ける画」というようなモノを目指して、創作を追求する。他方で後継者の育成等にも配意している。そういう天才絵師の生き様を描くのが『永徳翔天』である。 長谷川等伯は地方から京に出て、絵師として声望を高めるのはやや遅めであったが、有力な後援者も得て立場を高めて行った。画壇の主流のような感であった狩野派に対し、長谷川派というようなモノを確立することを目論んで、創作活動に勤しみ、後継者の育成にも配意していた。そういう生き様と、等伯がやがて至った境地というようなことが描かれるのが『等伯慕影』である。 狩野探幽の高弟の娘であった雪は、探幽の下に画を学び、やがて母方の姓を採って、加えて師に許された“信”の字を入れて「清原雪信」と号し、絵師として活動をすることになる。この清原雪信が自身の幸福を追いながら創作活動に勤しもうとする中、狩野派一門の派閥争いのようなモノの影が彼女の人生に掛かる。そういう受難も在る中での生き様を描くのが『雪信花匂』である。 現在知られる「英一蝶」という名は、年齢を重ねて絵師として声望を得て活躍した以降の号であるという。寧ろ小説では多賀朝湖(たがちょうこ)という若い頃の名で登場している。狩野派に学んだ絵師であった朝湖は画業に飽いて放蕩の暮らしをしていたが、そんな中で「世の中の裏に在る争い」というようなモノの片鱗に触れることになる。そんな様子や、数奇な運命や、自身の創作に開眼して行く様の物語が『一蝶幻景』である。 何れの作品も、伝えられる有名な作品が生まれた経過や、作品そのものに関する話題は少ない。各々に人生と創作に向き合った芸術家達の生き様というようなモノ、彼らが生きた時代の様相というようなモノが主題であると思う。 読み易い分量の5篇は何れも佳い。広く御薦めしたい。
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江戸の絵師ー尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶ーをそれぞれ主人公とした短編5篇。 著者には、『いのちなりけり』3部作や『はだれ雪』など忠臣蔵異聞ともいえる作品があるが、本書でも赤穂浪士討入りの裏話が綴られる。 表題作の「乾山晚愁」では、赤穂浪士討入りの装束も尾形光琳...
江戸の絵師ー尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶ーをそれぞれ主人公とした短編5篇。 著者には、『いのちなりけり』3部作や『はだれ雪』など忠臣蔵異聞ともいえる作品があるが、本書でも赤穂浪士討入りの裏話が綴られる。 表題作の「乾山晚愁」では、赤穂浪士討入りの装束も尾形光琳好みで、光琳の匂いがすると語られる。光琳絡みで討入りの資金が出ているとの解釈も。 「一蝶幻景」では、赤穂浪士は大奥の争いの代理だったと。背景にあるのは、大奥を舞台としての幕府と禁裏の争いが。 絵師たちの生き様とともに忠臣蔵異聞も描かれる、小説家の想像力の豊穣を味わえる短編集で、忠臣蔵ファンにも見逃せない一冊。
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歴史文学典 江戸の絵師達のお話 面白かった 付箋 ・絵師は頼まれれば誰のためにでも描く。恥じることはない。 ・等伯は肥前名護屋城にも障壁画を描く ・絵師は、米も作らぬし戦もできぬ。世の中を美しくするだけだ。 ・人を恋するというのは、どういう気持ちのものだ。何かを得て何かを失うもの...
歴史文学典 江戸の絵師達のお話 面白かった 付箋 ・絵師は頼まれれば誰のためにでも描く。恥じることはない。 ・等伯は肥前名護屋城にも障壁画を描く ・絵師は、米も作らぬし戦もできぬ。世の中を美しくするだけだ。 ・人を恋するというのは、どういう気持ちのものだ。何かを得て何かを失うもの。その痛みに耐える気持でしょうか ・秋野には今こそ行かめもののふの男女の花匂見に ・絵師には恋はつき物だ。絵を描くとは何かに恋をすることだからな。
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久しぶりに読む葉室作品。今作は絵師に焦点を当てた五編。 表題作は尾形光琳の弟・乾山(けんざん)。初めて知った人物だが、家族が偉大だと辛いところがあるだろうと思いながら読んだ。 しかし話は意外にも赤穂浪士の討ち入りと絡んでくる。最大の後ろ楯であった二条家から出入りまで禁じられると...
久しぶりに読む葉室作品。今作は絵師に焦点を当てた五編。 表題作は尾形光琳の弟・乾山(けんざん)。初めて知った人物だが、家族が偉大だと辛いところがあるだろうと思いながら読んだ。 しかし話は意外にも赤穂浪士の討ち入りと絡んでくる。最大の後ろ楯であった二条家から出入りまで禁じられるという窮地に…。 表題作なのに短いのが勿体ない。乾山の紆余曲折、兄・光琳の隠し子とその母との関わりなど、読みところが多い割にサラッと流されていた。 第二話は狩野永徳が如何にして絵師として天下を取ったのか、第三話ではその狩野派に勝負を挑んだ長谷川等伯の闘いと何故その後長谷川派は消えていったのかを描く。 こういう、武将たちだけではない天下取りの闘いは面白い。信長や秀吉が茶の湯を政治利用したように、絵画も政治や出世に関わった。ということは、絵師たちもまた如何に武士たち権力者たちに入り込むかという闘いがある。絵師たちもまた時代の流れ、先を見る目が要る。彼らから見ると、戦国時代も一味違って映る。 第四話は趣を変え、狩野探幽の姪の娘、清原雪信の話。これまた初めて知る人物。閨秀画家として名を成しながら狩野派の勢力争いに巻き込まれていく。その中で恋と意志を貫き絵師として短くもしっかりと生きた彼女の姿は美しかった。 しかし彼女以上に魅力的だったのは兄の彦十郎。絵師としては才能がなかったし乱暴者で厄介者だったが、妹のために彼らしい後押しをしてくれた。 第五話は英一蝶。詳細が分からない島流しのエピソードにこんなドラマを作り上げるとは。 前話の彦十郎もチラッと出てくるのも嬉しいが、ここでまた赤穂浪士絡みの話になるのもニクい。忠臣の話に終わらせないところは面白い。 絵師たちの闘い、生きざま、心の澱や襞の奥までも見えた作品集だった。
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