殺人鬼フジコの衝動 の商品レビュー

真梨幸子【著】

2010/01/26

うわー、これ凄いっ。タイトルからしてやられてしましましたが。タイトルどおり、殺人を繰り返すとある女性の物語。彼女はなんとなくどこにでもいそうな人に思えるのですが。だんだんと狂気に陥っていく様がどろどろで凄まじいったら。とはいえそのきっかけは、案外とありふれたささいなことだったり……。「悪いことをしてもばれなければいい」も、ここまで来るととんでもないです。
彼女のすさまじい狂気と凶行にがんがん引っ張られながら読み進み、しかしそれだけの話じゃなかったんだあ！という衝撃。この展開は完全に予想外でした。
なんにせよ、なんとも恐ろしい物語。しかし真に恐ろしいのは、ここに登場する「嫌な人間」がそう特別なものでもなく、実際には多くいるだろうってことですね。無責任男とか、虐待する母親とか。きっと掃いて捨てるほどいるよ……。

2009/10/07

一家惨殺事件のただひとりの生き残りフジコは、その時１０歳。
犯人は未だに見つかっていない。。。
伯母に引き取られ、何とか平凡に暮らし始めるのだが。。。

どこで、何が、彼女を狂わせたのか。。。
フジコは殺人鬼と化していく。。。

どんどん殺されていく人物になぜか同情が沸かない。。。
かといって、フジコにもあまり、いい感情を抱かない。。。
でも、ドロドロの世界に落ちていくフジコに目が離せない。

「嫌われ松子の一生」を髣髴させる物語で、
あがけばあがくほど、
ずるずると、引きずりこまれるように落ちていく人生しか送れないフジコ。

他人事ではなく、ふと、自分の人生を振り返ってみると、
あの時、なぜ？どうして？。。。。と思うような場面があったりする。。。

自分では、どうすることもできない、というか、
１歩を踏み出せなかったり、１歩を思いとどまることができなかったり。。。

スイスイと、順風満帆に送れる人生、あこがれるのですけどね。。。

2009/10/04

　姉の言葉はいちいち正論であった。現実を直視しなくてはならない、殺人鬼の娘であるということにも目を背けることなく、正しい道を歩まなくてはならない。正論過ぎて、私は反論することができなかった。
(P.272)

2009/10/04

この本のあらすじ最悪。
どういう神経してるんだ出版元！！
いらんこと書くから頭っから穿った読み方して浸れなかったじゃないの！
くそーくそー

作品としては非常にダークでえげつなくて好みでした。
真梨幸子はミステリ要素を加えないで、ホラー畑で書いた方が上手くいくと思うなぁ。

2009/10/04

幸福という名の怪物。怪物の名は幸福。
読み終わった後に、ジワジワジワ〜〜〜ッと背筋をゆっくりと這い登ってくるような何かを感じた。