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地球の目線 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2020/05/20

「何のために勉強するのか。世界の解像度を上げるため。これほど窓が開かれた時代はない」 「ウィキペディア的な知識やデータや流通サービスなら誰もが同等にアクセスできるのだから、価値を担保するのは当然個人の固有の個性や経験資源に基づく価値創造の能力しかない」

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2017/07/22

著者の竹村真一氏は、文化人類学・情報環境論を専門とする京都造形芸術大学教授。Earth Literacy Program(地球時代にふさわしい新たなメディア・プラットフォームづくりを目指す実験プロジェクト)を主宰し、世界初のマルチメディア地球儀「触れる地球」で2005年グッドデザ...

著者の竹村真一氏は、文化人類学・情報環境論を専門とする京都造形芸術大学教授。Earth Literacy Program(地球時代にふさわしい新たなメディア・プラットフォームづくりを目指す実験プロジェクト)を主宰し、世界初のマルチメディア地球儀「触れる地球」で2005年グッドデザイン金賞受賞などの実績がある。 本書は、地球環境の問題について「地球の目線」で捉え、それに対して著者自らが行ってきたプロジェクトなどの取り組みを交えて、様々な解決の糸口を提言したものである。 著者は本書のテーマを、「地球と人類のポジティブな「共進化」の可能性」と述べているが、それは、自然を改造・支配することに人間の尊厳を見出してきた西欧近代的な「人間中心主義」でも、逆に人間を“地球のがん”とみて卑屈に人間を排除する「自然保護主義」のエコロジー思想でもない、地球文明の第三のコンセプトであるという。 そして、私が最も印象に残ったのは、「「地球環境はかつても、これからもずっとこのような風景であり続ける」という思い込みをまずリセットする必要がある」、「「災い」と「恵み」の両面を秘めたダイナミックな地球のイメージ。地球の変動のダイナミズムが災いとしてのみ一面的に捉えられがちなのは、私たちの文明の「未熟さ」を表しているのであって、もっと柔らかく変動に適応・共生しうる文明がデザインできれば、それは本来大きな恵みでありうるはずだ。・・・これは「持続可能性(sustainability)」という消極的な概念にかわる、もっとポジティブな地球文明の指標を提示することにもつながる。“何とか現状のままでいつまでも・・・”といったニュアンスのこの言葉は、どうも地球と人類に似つかわしくない」というセンテンスである。 更に著者は、概念的な提言に留まらず、「気候変動にrobustな社会」、「自立・分散化(「地産地消」、「地域自給」)の推進」、「水没を前提にした都市デザイン」などについて具体的なアイデアも提唱している。 学術的なアプローチとはやや異なるが、それ故に「地球環境問題」が大括りで捉えられ、かつ、我々人類の目指すべき方向性を考えるヒントを与えてくれる一冊である。 (2009年1月了)

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2015/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東日本震災前に書かれとるもんで、東京オリンピックも2016年に開催を目指しとるって記載がある。 その割りに、今の日本はどこまで進んどるのかと思うと、ちょっとコワい。たしかにサスティナブルな世の中を目指そうという動きは強くなっとるし、自然のエネルギーに対する需要とか対応とかも進んできてはおるけど、国としての取り組みはまだまだ進んどらんのかなぁ。 もっと強く、そして更に今にあった状況で、改めて訴えてほしい本。

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2014/08/10

風力発電は太陽によって暖められた大気の気圧差をエネルギーに。エネルギー源は太陽。 今当たり前の地球の様子(酸素、生物、大気)は、地球の歴史のなかではごく最近 地球の変動の災いのみ取り上げられるのは、人類の未熟さ エルニーニョのような地球の呼吸に対応して共生 江戸の治水事業 触れる...

風力発電は太陽によって暖められた大気の気圧差をエネルギーに。エネルギー源は太陽。 今当たり前の地球の様子(酸素、生物、大気)は、地球の歴史のなかではごく最近 地球の変動の災いのみ取り上げられるのは、人類の未熟さ エルニーニョのような地球の呼吸に対応して共生 江戸の治水事業 触れる地球、直径1.28m、1000万分の1スケール 東京感測、人のセンサネットワーク さくらスケープ 生きた地球をリアルタイムにモニタ http://www.elp.or.jp/

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2013/01/03

キーワードは,「エネルギー」「フードマイレージ」「ウッドマイレージ」「バーチャルウォーター」といったあたりでしょうか?極めて明快な世界観,環境観が述べられていて,個人的に極めて感銘を受けました.これから,何度も読み返して参考にさせていただきたいと思います.

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2012/02/26

3.11以前に書かれた本としては極めて予見的で、来るべき未来のしかるべき社会へのビジョンが地球を慈しむように貫かれている。

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2012/02/22

もっとグローバルな視点で、地球温暖化をはじめとする様々な環境問題に対応していこうという呼びかけの書。例えば地球には、夜と昼が別の地域であるわけだから、そうした国同士でエネルギーの調整を行うといった試みが進めば、戦争も減るだろうという考え方。また、「不都合な真実」があったがゆえに、...

もっとグローバルな視点で、地球温暖化をはじめとする様々な環境問題に対応していこうという呼びかけの書。例えば地球には、夜と昼が別の地域であるわけだから、そうした国同士でエネルギーの調整を行うといった試みが進めば、戦争も減るだろうという考え方。また、「不都合な真実」があったがゆえに、無料かつ無尽蔵な自然のエネルギーを有する稀有な惑星であるという「好都合な真実」にも気が付いたらどうだろうかと語っている。宇宙の中でも太陽との関係において絶妙な位置に存在するこの星には、そもそもエネルギー問題などは存在しないのだという視点は面白い。

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2011/02/14

ロバスト(強靱)な社会をつくるべき、適応についてもっと考慮すべき、という主張は分かるが、環境問題が、欲望を構造化した問題である、という視点が決定的に欠落している。エネルギー問題についてもバラ色に描きすぎ。もっとエビデンスを提示して欲しい。 批判めいたことを書いたが、傾聴に値する...

ロバスト(強靱)な社会をつくるべき、適応についてもっと考慮すべき、という主張は分かるが、環境問題が、欲望を構造化した問題である、という視点が決定的に欠落している。エネルギー問題についてもバラ色に描きすぎ。もっとエビデンスを提示して欲しい。 批判めいたことを書いたが、傾聴に値する記述は多い。 ・原発が大量の水を必要としていること。日本の河川の1/5 ・ドイツの排水税 ・20世紀初頭のアメリカ農業省登録作物の96%が絶滅、7000種のリンゴの86%が消失、日本でも江戸期のコメ3000種のほとんどが姿を消した。 ・この100年の世界の平均気温の上昇幅は0.7度、東京は3度。

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2009/10/04

地球大学アドバンス主催の竹村真一さんの著書。 エコロジーが叫ばれる昨今、 小手先のエコではなく、化石燃料に依存した社会構造のリ・デザインが求められる。 感想書き途中。

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2009/10/04

「Voice」でこの人の論文を読み、「これはすごい」と感じていた。新書とはいえ、さらにまとまった形でこの人の未来ビジョンに触れられて、まずは幸せだ。 一言で言えばエコロジー派なんだけど、独自の選別眼を持っており、そのお眼鏡にかなったものは高く評価される反面、そうでないものは「環...

「Voice」でこの人の論文を読み、「これはすごい」と感じていた。新書とはいえ、さらにまとまった形でこの人の未来ビジョンに触れられて、まずは幸せだ。 一言で言えばエコロジー派なんだけど、独自の選別眼を持っており、そのお眼鏡にかなったものは高く評価される反面、そうでないものは「環境にいい」とされるものでも強く批判・否定される。バイオ燃料、原発はもとより、排出権取引なんかも。 その意味で、ある種の「偏見」があるのは確かだが、統一されたビジョンのもと、様々な動向や取り組みを知ることができ、多くの人にとって目からウロコが落ちる本であること、請け合いだ。これからの文明の進む道は、この方向しかないように思う。ポイントは、太陽エネルギーを活かした低炭素社会、エネルギーと食料の地産地消、気候変化に適応できる強靱な都市文明、といったところか。 あえて難を言えば、この人自身の取り組み・プロジェクトは、私にはショボく、あまり意味のないものが多いように感じられた。

Posted byブクログ