'08 おすすめ文庫王国 の商品レビュー
縦横に作品を紹介してくれるのはありがたい。 普段、あまり手に取ることのないジャンルの評が読めるのが嬉しい。 普通の雑誌でもそれは同じなんだけど、文庫になるまで覚えてらんないというのが正直あるから。 単行本でも買おうと思える作品って、作家買いか、ものすごく興味を惹かれたかのどちらか...
縦横に作品を紹介してくれるのはありがたい。 普段、あまり手に取ることのないジャンルの評が読めるのが嬉しい。 普通の雑誌でもそれは同じなんだけど、文庫になるまで覚えてらんないというのが正直あるから。 単行本でも買おうと思える作品って、作家買いか、ものすごく興味を惹かれたかのどちらか。 その殆どは前者であって、後者は年に数回あるかないかだったりする。そして、文庫化したときには大抵忘れてる。 なので、こんな風に文庫に特化してくれている情報誌は素直に助かる。 書き手の方々も、相変わらずの読ませる評で、ただ読んでいるだけでも充分に面白いし。 ただ、不満点も幾つか。 「文庫王国」と銘打つのだから、もっと文庫に特化した紙面作りをしても良いんじゃないかな。 文庫版あとがきが面白い作品とか、加筆訂正が激しかった作品とか。 長年文庫化されていなかった作品が、満を持して文庫化された、とかも。 単純に、単行本での紙面作りで対象を文庫にしただけ、みたいなのは、ちょっとどうかと思った。 最大の不満は、ジャンル別ベスト10に「ファンタジィ」が無いこと。これは本当にどうかと思う。 ライトノベルとかSFとかとの区別が難しいとかがあるかもしれない。 でもね、そんなこと言い始めたら話にならないでしょう。 ハヤカワFTとか創元推理とか、良質なファンタジィを出し続けている出版社があるんだから、取り上げないのは本当に納得いかない。 同様に、低年齢向け文庫のランキングがないのも駄目。 ニーズが少ないと言うのかもしれないけど、そんな事は発行側が決める事じゃないと思う。 両ジャンルとも、評が書けるだけの人がいないと言うかもしれないけど、そんな事はありえない。単にサボってるだけでしょ。 面白く読めて、とても参考になることは確か。 だからこそ、欠点で挙げた部分が本当に勿体ない。 2009年版は、もっと力を入れて紙面を作ってくれるように期待してます。
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何と言っても目玉は、「本の雑誌が選ぶ 文庫ベストテン」の選考過程。とにかく相変わらずの展開で、どうしてこの順位が決まったのかよく分からない「力技」の結論です(笑)。 その道の達人たちのマニアックな おすすめ も、てんこ盛り満載。
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年末、本の年間ベストテン本がいろいろと出て、つい買ってしまう。 「このミステリがすごい!2008」 「ダ・ヴィンチ 2009年 01月号」 「本の雑誌 307号」 「おすすめ文庫王国2008年度版」 「ダカーポ 特別編集 今年最高の本 BOOK OF THE YEAR2008」 ...
年末、本の年間ベストテン本がいろいろと出て、つい買ってしまう。 「このミステリがすごい!2008」 「ダ・ヴィンチ 2009年 01月号」 「本の雑誌 307号」 「おすすめ文庫王国2008年度版」 「ダカーポ 特別編集 今年最高の本 BOOK OF THE YEAR2008」 「SIGHT」 まだいろいろあるのだけど絞ってこのくらい。それを今日ようやっと読み終えた。おかげで本のトレンド、読みたい本がたくさんできたけどそれがもう3月というのが哀しい。ブックガイド読むだけで肝心の読書の時間が少ないというのは問題だなぁ。 この中で「おすすめ文庫王国2008年度版」は初めて買ったもの。本の雑誌社の増刊です。「本の雑誌」同様の乱暴なベストテンの決め方がいい。文庫の場合は単行本の二番煎じになるだけのようでいてちょっと拾い物的本の紹介もあったり、文庫化最速本とか文庫版元通知表など面白かったですね。今年は少し削減したいけどこれは落とせないなぁ。
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. 月刊の「本の雑誌」はその月に出た新刊書が中心だが、本の雑誌増刊の『おすすめ文庫王国2008年度版』は、その年に発行された文庫本やオールタイムのベスト文庫が紹介されている。 文庫本の親本はだいたい数年前に出ているわけだから、単行本発売時やその後の評判などで、その文...
. 月刊の「本の雑誌」はその月に出た新刊書が中心だが、本の雑誌増刊の『おすすめ文庫王国2008年度版』は、その年に発行された文庫本やオールタイムのベスト文庫が紹介されている。 文庫本の親本はだいたい数年前に出ているわけだから、単行本発売時やその後の評判などで、その文庫がどういう本なのか、何かしら情報を持っていることがある。 それでも、この『おすすめ文庫王国2008年度版』を読むと、ああ、私の知らない本、読んでいない本はたくさんたくさんあるなあ、と感じ、読みたい本リストにまた新しい本が追加される(実際に作っているわけではない。脳内ハードディスクの中。すぐには出てこないが何かしらの拍子に、これ読みたかったんだと、アウトプットされる)。 月刊の本誌のほうとも重なるが、豊崎由美、大森望らのプロフェッショナルな読み手がさまざまなジャンルのおすすめ文庫を紹介する。 SFベスト10で紹介された広瀬正の『マイナス・ゼロ』(集英社文庫)は、親本が1970年の作品。でも、読みたくなったぞ。 もちろん、純粋な2008年発行のライトノベルも紹介され、野村美月の〈?文学少女?〉シリーズ(ファミ通文庫)なんて、ふだん手に取らないジャンルの作品も気になってしまう。 また、文庫ではないが、本誌1998年1月号で、発行人の目黒さんが、佐藤多佳子、初の一般向け作品『しゃべれどもしゃべれども』(新潮社)を推し、1997年度のベスト1作品になっている。 『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子だが、その当時、佐藤多佳子の名前を知っているのは、児童文学に明るい人だけだっただろう。 読む人は読んでいるのだ。 この「たなぞう」では、たくさんの本の感想が書かれている。 みんな自分が読んだ本について書いているわけだから、どうしても人気の作家、よく知られている作品が多くなる。 もちろんマイナーなあまり世間で知られていない作品、作家を取り上げている人もいるだろう。 けれど、ウエブでは、ピンポイントでないと、なかなかその情報にたどり着けない。 雑誌のように、最初から読んでいけば、それこそ雑多な情報に遭遇することができる(何の役に立たないであろう文章とも)。 本の世界は、広く、深い。そこを旅するわたしたちは、有名な観光地や提携した土産物屋を案内するガイドだけではなく、ここはおすすめですと自信を持って案内できるガイドも必要だ。「本の雑誌」! 「本の雑誌」! 「本の雑誌」! その2
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