銀色ラッコのなみだ の商品レビュー
北極圏という過酷な自然、厳しい寒さの中の生態系、アザラシも、ラッコも、サカマタも、人間も、みんな自然の恩恵を受けていればこその生命なのに。人間が、生命維持を超える物欲を持ってしまうと、このような悲劇をもたらすばかりか、生態系のバランスを崩し、絶滅に追い込まれると、私たちは知ってい...
北極圏という過酷な自然、厳しい寒さの中の生態系、アザラシも、ラッコも、サカマタも、人間も、みんな自然の恩恵を受けていればこその生命なのに。人間が、生命維持を超える物欲を持ってしまうと、このような悲劇をもたらすばかりか、生態系のバランスを崩し、絶滅に追い込まれると、私たちは知っているはずなのに。 この本が出版された1964年には、まだ地球温暖化なんて誰も気づいていなかったんですよね。
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傑作。 児童文学という枠を超えた、メッセージが心にズキズキ突き刺さった。 第二次ラッコブームと言われる今、ラッコの可愛らしさもさることながら、「現在日本の水族館には3頭しかいない」うえに繁殖困難であるその希少性も、注目度を高めている要因だ。 『銀色ラッコのなみだ』の初版は196...
傑作。 児童文学という枠を超えた、メッセージが心にズキズキ突き刺さった。 第二次ラッコブームと言われる今、ラッコの可愛らしさもさることながら、「現在日本の水族館には3頭しかいない」うえに繁殖困難であるその希少性も、注目度を高めている要因だ。 『銀色ラッコのなみだ』の初版は1964年。 ラッコ乱獲の歴史。 ステラーダイカイギュウの絶滅の歴史。 どこかで「猟銃」を手に入れたインディアンがエスキモーに交易をもちかけたことで、エスキモーと自然のあり方が変化していくことを予感させる。 「必要な分だけ」 そんな考え方がいつしかなくなってしまう 豊かさが国の強さ ラッコの毛皮は富の象徴として売り捌かれていく 獲りすぎに気付いても遅い 奪うのは一瞬 自然が元に戻るには途方もない時間がかかる 人間が自然との共存を捨て、道具として自然を「使う」選択をし、今現在に至るまで人間中心主義的に環境を破壊し続けてきたこと。 60年経った今も自然を取り巻く人間の愚行は変わっていない。 もう、豊かにならなくてもいい ラッコがウニを食べるアワビを食べる、すると漁師が困るからラッコは害獣 そんな人間中心の考えやめてほしい 資源は人間のものじゃない
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