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ビッグコミック創刊物語 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2019/06/06

昨年から続くディスカバー1968の旅で、本書に行きあたりました。四方田犬彦編「1968(1)文化」では、1964年創刊の「ガロ」、1966年創刊の「COM」からの1968年「ビッグコミック」というコンテンツ文脈で語られていましたが、本書では、1966年芳文社「コミックmagazi...

昨年から続くディスカバー1968の旅で、本書に行きあたりました。四方田犬彦編「1968(1)文化」では、1964年創刊の「ガロ」、1966年創刊の「COM」からの1968年「ビッグコミック」というコンテンツ文脈で語られていましたが、本書では、1966年芳文社「コミックmagazine」、1967年双葉社「週刊漫画アクション」、少年画報社「ヤングコミック」、「ビッグコミック」と同じ年、1968年の河出書房新社(!)「カラーコミックス」、芳文社「漫画コミック」、秋田書店「プレイコミック」という少年マンガ卒業生へ向けての青年コミックというビジネスジャンルの興隆という観点で描かれています。それは、フォーカスしている初代編集長、小西涌之助が、成功した後も「コミック界のドン」と呼ばれることをよしとせず、直木賞に代表される活字文化の漫画化を目指し、漫画編集者にコンプレックスを持っていた人だから、と言えると思います。決してマンガオタクではなく、もっとメジャーなステージを欲していた故のダイナミズムがビッグコミック成功の秘訣なのでしょう。小西氏のビフォワー・ビッグは「ボーイズライフ」であり、アフタービックは「FMレコパル」「TelePAL」「BE-PAL」「DIME」「サライ」などのターゲットマガジンの数々でした。好きなことをテーマにする、だけでは生まれないジャンルの生成に携わった幸せな出版人の記録です。1996年に発行点数のピークを迎え、徐々に衰退している雑誌のこれからを彼はどう見るでしょうか?

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2019/01/20

ちょっと前の「本の雑誌」の巻頭で紹介されていて面白そうだったので読んでみました。 雑誌としてのビッグコミックとその兄弟誌を自分で買ったことはありませんが、次にどこかで雑誌を手に取った時にこの本にあった想いなんかを思い出しながら読んでみようかな、という心持ちにはなりました。

Posted byブクログ

2012/02/04

書き手の語彙が少ないのか同じような表現があっちこっちに出てきて読み進んでいるはずなのに行きつ戻りつしているような気分になった。 創刊物語なので語っている内容は面白いんだけど、なんだかなぁという気持ち。Wikiを読んでるような感じでした。

Posted byブクログ

2009/11/21

とても面白かった。大学生になった団塊の世代に向けて、青年マンガというジャンルを作り上げた「ビックコミック」とその兄弟誌を、次々に創刊していった辣腕編集長、小西湧之助とマンガ家たちの物語。 のちに「コミック界のドン」と呼ばれた小西が、最初はマンガ編集に回されて恥ずかしかった時代背...

とても面白かった。大学生になった団塊の世代に向けて、青年マンガというジャンルを作り上げた「ビックコミック」とその兄弟誌を、次々に創刊していった辣腕編集長、小西湧之助とマンガ家たちの物語。 のちに「コミック界のドン」と呼ばれた小西が、最初はマンガ編集に回されて恥ずかしかった時代背景。正式な執筆依頼を忘れられていた手塚治虫が、「ぼくは描かなくていいの」と自ら編集部に電話してくるエピソードなど、徹底した取材とインタビューに基づいた一級のノンフィクションだと思う。小学館の社史がよく使われていたことも印象に残った。 他の作品を読んでみたくさせる作品であり、著者である。

Posted byブクログ

2009/10/07

小学館の雑誌「ビッグコミック」。表紙は時の人のリアルな似顔絵。そして、ゴルゴ13が連載されている大人の漫画雑誌。それらはずっと変わっていない。偉大なるマンネリ雑誌だ。 今でこそ漫画は子供から大人までが読める媒体だが、この雑誌の創刊によって漫画は大人の鑑賞に堪えるものへと進化した...

小学館の雑誌「ビッグコミック」。表紙は時の人のリアルな似顔絵。そして、ゴルゴ13が連載されている大人の漫画雑誌。それらはずっと変わっていない。偉大なるマンネリ雑誌だ。 今でこそ漫画は子供から大人までが読める媒体だが、この雑誌の創刊によって漫画は大人の鑑賞に堪えるものへと進化した。そんな大きな影響力を持った雑誌の創刊時の記録。 創刊号は手塚治虫、石森章太郎、白土三平、水木しげる、さいとうたかを、と5人の超大物による大作だけという豪華さ。最高の漫画雑誌を作り上げようとする気迫が伝わる。そして、これだけの5人をまとめ上げたのが伝説の編集者、小西湧之助。 この本は一応、ビッグコミックの歴史について書かれているものの、実際は小西湧之助の伝記だ。手塚治虫への連載依頼を忘れ、手塚自身から「書かなくていいの?」と言わせたり、漫画を直木賞へ推薦したり。とにかく型破りなカリスマ編集長。

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