巴之丞鹿の子 の商品レビュー

近藤史恵【著】

2014/11/21

とても読みやすい時代ミステリー小説。解説を読んで、この読みやすさが作者の優れた表現力にあることが納得できた。自分の目で見たことのない時代ものにも関わらず、文章を読みながら何故かイメージが浮かんできた。短い文章で淡々と進んでるようでも、登場人物の気持ちが伝わってくるようだった。「世の中は大きなところで釣り合いがとれている」この言葉に、人生をもう少し広い視野で見ていこうと思った。

2014/08/06

１巻ということもあり、登場人物の顔合わせの部分もあったのかもしれないけれど、出てくる人たちが魅力的で、面白かったです。長編だけれど、中編ぐらいの長さだけれど、満足でした。
堅物の同心、千蔭のキャラクターにちょっとなじめなかった。捕り物側は八十吉の視点で進むから、余計になのかな。今後どうなるのかが気になります。続きが読みたい。

2014/05/29

時代ミステリー小説、猿若町捕物帳シリーズ１巻、江戸の町では娘だけを狙った連続殺人が起きる。南町奉行所同心・玉島千陰は殺された女が「巴之丞鹿の子」という人気役者の名がついた帯揚げをしていたことを不審に思う。巴之丞に会いに猿若町へ出かけた千陰は、殺人に使われた鹿の子には偽物が存在すると聞かされる。犯人の狙いは一体何なのか？。堅物の若旦那同心・千陰に仕える癖のある小物八十吉、隠居した父親千次郎は千陰と全く違う性格、登場人物それぞれに個性があり、謎解きも納得。これから先購入済みのシリーズ読むのが楽しみ。

2014/04/20

決して長くない。
それなのに何でしょ、この充実感。

たぶん、登場人物とその人間関係の多面性が
うまく描かれているからだと思う。

欲張りかもしれないが、
もうちょっと江戸の風景というか、
情緒が描かれていると申し分ないんだけど。

2013/02/10

人気役者と同じ帯揚げをしていた女性が殺される事件が発生。
それは偶然なのか違うのか。

堅物そうな主人公がよいです。
しかし堅物というより、固物？ｗ
とはいえ、譲れない所は普通（？）に怒っていますが。
あれです、ふだん静かな人が怒ると…を
地でいってる感じです。

堅物主人公と、どこかの下町の女性の視点で話は進みます。
どう繋がるのかと思いきや、なるほど…というより
犯人そこ！？　という驚きが。
確かに、あちらにしてみればかなり切実な問題ですよね。
生活がかかってますし。
片方、駄目な男の見本ですか？　という状態ですが。

2013/01/28

猿若町捕物帳シリーズ第一作。
順番は異なりますが、第三作、四作を先に読んでおり、各キャラクターはおなじみなので、素直に物語の世界に入り込み、楽しく近藤ワールドを堪能しました。

2012/10/07

猿若町捕物帳シリーズ第一弾。
時代物ミステリなど以前は見向きもしなかったのに、面白く読める年代になってしまったようだ。

2012/09/24

これは謎解きや推理小説と思って読んではいけないのだなと思った。では何なのかというと・・・何なのでしょう。冒頭の書き出しはとても怪しい雰囲気があって『いかにも』といったところなんだけれど。

2012/06/30

O 猿若町捕物帳１

既にシリーズ２、３作目は既読のため新鮮さはないが、事件とお袖の関わりがどうつながるのかを思い描きながら読むと結果的には少し強引なきがしないでもないが…。お袖と武家の別筋の話は儚い話かと思いきやびっくり。でもさ、武家の四男なんだから普通は町人に降りるんじゃないの、部屋住みのままではいられないんだから浪人になるのかな。
梅が枝、まだ出番が少ないし、冒頭の巴之丞との明らかな濡れ場？は他のシリーズにはなかったと記憶していたので少し残念。

2012/04/29

この作家さんで時代小説～？っと思ったが予想以上に面白かった。文体があさのあつこさんの時代小説と似ているかな。情景うんぬんで読ませるのではなくミステリ要素で読ませる感じ。シリーズなのでこの先が楽しみ。