第九の日 の商品レビュー
『デカルトの密室』の続編。 ケンイチシリーズとして、お馴染みのキャラクターたちが活躍する中編集という感じだが、デカルト同様になかなかにカロリーの高い作品群だ。 各作品は名作のオマージュの形をとっており、たとえば『モルグ街の殺人』を元に作られた「メンツェルのチェスプレイヤー」は、ロ...
『デカルトの密室』の続編。 ケンイチシリーズとして、お馴染みのキャラクターたちが活躍する中編集という感じだが、デカルト同様になかなかにカロリーの高い作品群だ。 各作品は名作のオマージュの形をとっており、たとえば『モルグ街の殺人』を元に作られた「メンツェルのチェスプレイヤー」は、ロボット学とミステリを融合させた象徴的な一編。デカルト事件の後を描いた表題作は、このシリーズの最重要エピソードといえる。 ロボットのことを考えるほどに人間のことを考えることになるのは、当然だが不思議なことだと思う。
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自由意志を求めるAIやサイバネティクスが人をどう変えてしまうかなど、近未来で起こりえるであろう問題提起を通して、人間とAIの関係から心の根源とは何かを考える中編集。 一つ一つのテーマは良いものの文章の冗長さが気になってイマイチ集中できなかった。けれども第九の日からの決闘はおお~と...
自由意志を求めるAIやサイバネティクスが人をどう変えてしまうかなど、近未来で起こりえるであろう問題提起を通して、人間とAIの関係から心の根源とは何かを考える中編集。 一つ一つのテーマは良いものの文章の冗長さが気になってイマイチ集中できなかった。けれども第九の日からの決闘はおお~となった。この展開は面白い。
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SF/ミステリー/恋愛/科学/ロボット 海外作品をモチーフにした中編集。 もとの作品が分かる「メンツェルのチェスプレイヤー」と「モノー博士の島」が非常に楽しめた。 とても印象に残っているのが、ロボットについての会話で、"システム化する、じゃなくて、もっとシステムになる...
SF/ミステリー/恋愛/科学/ロボット 海外作品をモチーフにした中編集。 もとの作品が分かる「メンツェルのチェスプレイヤー」と「モノー博士の島」が非常に楽しめた。 とても印象に残っているのが、ロボットについての会話で、"システム化する、じゃなくて、もっとシステムになる"という表現。 違いは何か、考えるのが楽しい。 「メンツェルのチェスプレイヤー」「モノー博士の島」「第九の日」「決闘」
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メンツェルのチェスプレーヤー / 初出 『21世紀本格 書き下ろしアンソロジー』 カッパ・ノベルス (2001.12) モノー博士の島 / 初出 小説宝石 2005年2,3月号 第九の日 / 初出 小説宝石 2006年2月号 決闘 / 書き下ろし 解説 (日下三蔵) 『第九の日...
メンツェルのチェスプレーヤー / 初出 『21世紀本格 書き下ろしアンソロジー』 カッパ・ノベルス (2001.12) モノー博士の島 / 初出 小説宝石 2005年2,3月号 第九の日 / 初出 小説宝石 2006年2月号 決闘 / 書き下ろし 解説 (日下三蔵) 『第九の日 The Tragedy of Joy』 2006.6 光文社刊 文庫化
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この中に出てくる少年をどうしてもアトムに結び付けてしまう。 SFというかファンタジーと言うか……彼らの居る現実がどうしても生活に結びつかなかったりする。 これもシリーズモノの半ばから読んだのかな? こんどは1巻から読もうと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『デカルトの密室』の前と後のお話。 短編集ですが、一つ一つの話が結構、重いです。 自由とは一体、何なのかを問い続けた作品群。 最後の「決闘」は他人の視点だからしょうがないのかもしれないが 最後としては拍子抜けしてしまった。 内容が悲惨な割りに、いきなりタッチが軽いというか… 星は4でも良かったけれど、そこがかなり気になったので 3にしました。
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これは「デカルトの密室」の続編に位置する物語。未読の人はそちらから先に読むべきである。と、読んでいて思った。レナと祐輔とケンイチの物語を、瀬名さんはひどく愛している。愛しすぎて、時には読者を置き去りにしてしまいがちになる(笑)。瀬名さんの永遠のテーマである「心」の問題に真正面から...
これは「デカルトの密室」の続編に位置する物語。未読の人はそちらから先に読むべきである。と、読んでいて思った。レナと祐輔とケンイチの物語を、瀬名さんはひどく愛している。愛しすぎて、時には読者を置き去りにしてしまいがちになる(笑)。瀬名さんの永遠のテーマである「心」の問題に真正面から取り組み、科学・工学・宗教・文学といった様々な側面が、すべて人の「心」に向かっているものだと、向かうべきものだということを認識させられる。 僕はこれを読んで思った。誰かを想い、誰かを求めることこそが「心」と呼ばれるべきものなのではないか、と。たとえヒトであっても、それがなければ「人」とは言えない。有機物でできあがったロボットでしかない。その意味で、ロボットのケンイチはたとえ金属でできあがっていても、立派に「心」を持っているのだ。 瀬名作品のキーワードともいえる「物語」という言葉が、この作品にはとても似合う。傑作ではないかもしれないが、良作である。
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「メンツェルのチェスプレイヤー」「モノー博士の島」「第九の日」「決闘」の4編。いつものとおりよかった。やっぱり私は彼のファンかもしれない。本作も完成度は低いと思う。しかし、いいんだよなぁ。 これは「デカルトの密室」の続編らしいので、ぜひともそっちも読みたいと思う。 人口...
「メンツェルのチェスプレイヤー」「モノー博士の島」「第九の日」「決闘」の4編。いつものとおりよかった。やっぱり私は彼のファンかもしれない。本作も完成度は低いと思う。しかし、いいんだよなぁ。 これは「デカルトの密室」の続編らしいので、ぜひともそっちも読みたいと思う。 人口庭園に植えられた本物の花、自然庭園に備え付けられている造花。なんか、どっちがどっちかわからないような、そんな感じがする作品だった。とても満足。彼は新時代のアシモフだね。
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『パラサイト・イブ』で有名な人です。 元々科学者なので内容自体は結構難しいです。 でも、それはそれでOKで、ストーリーとしてはなかなか面白い話です。 ロボットのケンイチが、果たして本当にロボットは成長するのか? 自律行動をとれるのか?意識を持てるのか?という命題に取り組んでいる話...
『パラサイト・イブ』で有名な人です。 元々科学者なので内容自体は結構難しいです。 でも、それはそれでOKで、ストーリーとしてはなかなか面白い話です。 ロボットのケンイチが、果たして本当にロボットは成長するのか? 自律行動をとれるのか?意識を持てるのか?という命題に取り組んでいる話です。 いろいろな大事件に遭遇して、結局かなり大変なコトになってしまいますが、最後の結末として、こんなかんじで良いのかなぁ?と思ってしまうのでした。 このシリーズでは、『デカルトの密室』という長編があり、前に読みましたが、なんか結末がどちらも悲しい結末となっていて、作者としてはケンイチくんみたいなロボットが出来るような未来像を、かなり否定的に捉えているのかな?とも思ってしまうのでした。 どうなんだろうなぁ…???
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「ぼく」の一人称で話が進むが、その「ぼく」の知識の高さ故に、瀬名特有の説明描写が減るということはない。最初からすんなり物語世界に入り込めるので瀬名読み始めの人にオススメ。ケンイチとユウスケの関係も、ケンイチとレナの関係もかなり好みで良かった。『デカルトの密室』よりも先に読んだが中...
「ぼく」の一人称で話が進むが、その「ぼく」の知識の高さ故に、瀬名特有の説明描写が減るということはない。最初からすんなり物語世界に入り込めるので瀬名読み始めの人にオススメ。ケンイチとユウスケの関係も、ケンイチとレナの関係もかなり好みで良かった。『デカルトの密室』よりも先に読んだが中盤まではほぼ問題なく読める。中盤以降『デカ(略)』での事件について少し触れる。あとサラッと世界初の推理小説のネタを言っちゃうケンイチを諌めるレナがかわいかった。
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