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プーさんの鼻 の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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2020/04/28

 新型コロナの緊急事態下だからこそみんなで読みたい本。  文学としては邪道な読み方だけど、ああー子どもといるってこういうよろこびがあるのかを、保育園利用自粛中(「在宅保育」、家庭保育)・休園中に、家庭で再認識できる本だと思います。  今はZOOMなどで子育てをめぐって話し合い、コ...

 新型コロナの緊急事態下だからこそみんなで読みたい本。  文学としては邪道な読み方だけど、ああー子どもといるってこういうよろこびがあるのかを、保育園利用自粛中(「在宅保育」、家庭保育)・休園中に、家庭で再認識できる本だと思います。  今はZOOMなどで子育てをめぐって話し合い、コロナが明けたら、そういう話題を日々お迎えに来たときや連絡帳とかで、みんなで話せたらと思う。子どもについて話が尽きないような園っていいですよね。  また子どもをとりまく、恋愛、仕事なども詠まれているので、それぞれのそういう話のきっかけにもなって、自分のこともあらためてとらえなおす助けになりそうな本です。  子どもに関する歌にかなり絞ったもので『生まれてバンザイ』もよいです。父親との関係などしんどさがある人はまずこちらの本からの方がよいかもしれません。  https://booklog.jp/users/lifedevelop2020/archives/1/4887471041  ↓  発達研究もこの本ではじめられる。「2つの発達表」と照らして、子どもの様子を見ていく。文学に出てくる子どもの姿をとらえるのは一つの有力なやり方です。感性もよみがえる。(動画「発達研究をはじめよう」 https://www.youtube.com/watch?v=mHgjylwNUDA)  ↓  プルーンの種のようなる眼(まなこ)して吾子が初めて見ている我が家  おっぱいのこと考えて一日が終わる今日は何曜日だっけ  ふるえつつ天抱くしぐさ育児書はモロー反射と簡単に呼ぶ  泣くという音楽がある みどりごをギターのように今日も抱えて  子を真似て私も本を噛んでみる確かに本の味がするなり  この夏は猛暑の予感ぐらゆらとつかまり立ちを始めるおまえ  あーじゃあじゃ、うんまばっぽー、この声がいつか言葉になってゆくのか  ……  園を休ませたら虐待してしまうかも、とかいう親御さんとゆっくりじっくり読んでいければと思う。こういう保育、というのでなく、子どものとらえ方を感じてほしいところ。子どもといっしょにその親子・家庭なりの子育てをつくっていく。正解はありません。  保育士を目指す人、発達研究をする人(子育て中のあなたもいっしょに!)は、同じく俵万智さんの『かーかん、はあい』をおすすめします。絵本の紹介というより子どものやっていることをこう見るのか、という「見方」がやわらかいです。  https://booklog.jp/item/1/4022505095  ↓  学生さんには、この本を含めて、以下の「この3冊」を紹介しています。万華鏡のように、見えてくるものがあると思います。  https://booklog.jp/users/lifedevelop2020?tag=%E3%81%93%E3%81%AE3%E5%86%8A&display=front  介護施設を利用自粛して在宅介護をしている人にも、こういった在宅介護のよさや楽しさがわかる本を届けて、話をしていければと思います。私はちょっと介護に関してこの本というのが思いつかないのでぜひ紹介してください。20200423

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2020/04/11

【いちぶん】 子どもの歌、恋の歌、家族の歌……。短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人のあいだに生まれるのだ。 (p.154)

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2019/05/28

第4歌集。 これまでの歌集と異なり、かなり円熟したやうな印象を受ける。同じテーマが続いてゐるといふのもあるだらうが、短歌が自然と馴染んできたのだらうか。さっくりと切れるナイフのやうな鋭さはなく、ことりと机の上に置かれたマグカップのやうな生活感がある。 このひとの生活は気づけば31...

第4歌集。 これまでの歌集と異なり、かなり円熟したやうな印象を受ける。同じテーマが続いてゐるといふのもあるだらうが、短歌が自然と馴染んできたのだらうか。さっくりと切れるナイフのやうな鋭さはなく、ことりと机の上に置かれたマグカップのやうな生活感がある。 このひとの生活は気づけば31文字で満たされてゐるのだらう。短歌的な思考とでも言はれるものだらうか。折に触れて心の動きを捉へた時、それが31文字になつてゐるのだと思ふ。よくも悪くも、短歌が当たり前になつた感覚。 やはり子どもをもつたといふことは短歌を詠むといふ行為に少なくない影響を与へたのだらう。この身に宿した子どもといふなんとも不可解でそして愛おしい存在を詠む。自分の中にゐるといふのに、自分の力の到底及ばない存在。自分の感覚が最も通じない相手。だからこそ詠む者は心の動きに敏感でなければならなかつたのだらう。 子どもは日々刻々と変りゆく。昨日できなかつたことが今日できるやうになつてゐる。日常といふ流れの中にはまつてしまへば見過ごされてゆくさうした驚きを捉へやうとすれば、じつくりと自分の中に沈み込んでいくやうな思考、切れ味はするどくもさつくりと深く傷を与へてしまふやうなことばでは、子どもを詠めない。話す人間を前にしてことば遣ひを無意識に変へるやうに、短歌もまた変はつてゆく。関係の中で生まれる短歌とはさういふことではないか。 また子どもが成長していつたり、自身が老いてゆけば出会ふものもかはつていくはずである。さうしてまた、短歌は見せ方を変へる。

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2019/01/11

詩や短歌の読み方というものは知らないけれど、ある日懐かしくて『サラダ記念日』を手に取った。中学?か高校?の教科書で見かけて以来。それから、俵万智さんの詩集は時々読むようになった。簡潔で、優しいのに、鋭い言葉の数々。浮かんでくる情景はくっきりと鮮明で、まるで写真を見ているよう。でも...

詩や短歌の読み方というものは知らないけれど、ある日懐かしくて『サラダ記念日』を手に取った。中学?か高校?の教科書で見かけて以来。それから、俵万智さんの詩集は時々読むようになった。簡潔で、優しいのに、鋭い言葉の数々。浮かんでくる情景はくっきりと鮮明で、まるで写真を見ているよう。でも写真とは違い、いつまでたっても色褪せない。たった31文字の中に、これだけのものを込められるなんて、素直に、すごいな、と思う。

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2016/03/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

キョンキョンの書評の本を読んで,興味を持ったので図書館から借りてみた。 興味深い表現がいっぱい。

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2015/12/16

 子どもに関する歌が多い歌集。「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」にハッとさせられた。その子が一生背負うことになる名前を決めるって大それたことで怖い、と正直に思った。とはいえ私は子育て未経験者なので、今は恋愛に関する歌の方がグッと印象的。  「三文小説...

 子どもに関する歌が多い歌集。「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」にハッとさせられた。その子が一生背負うことになる名前を決めるって大それたことで怖い、と正直に思った。とはいえ私は子育て未経験者なので、今は恋愛に関する歌の方がグッと印象的。  「三文小説に三文の値打ちあることを思いて人と別れゆくなり」や、「留守電にメッセージなく真夜中に君が残した着信履歴」が絶望的に心に響く。読む時によって印象に残る歌は変わるだろうけど、特に母になった時がきたら必ず読み返したい歌集。

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2014/01/23

母になってみると、わかるわかると思う歌ばかり。 「どれもどれもよし」とか、とても納得。充実した時間を送って子どもが着々と育っていると、自分が何者かになれたかのように思えるから。 10才以上年配の方が出産されたのは、本当にすごいなぁ。よくできたなぁと思うばかり。 そういう意味では、...

母になってみると、わかるわかると思う歌ばかり。 「どれもどれもよし」とか、とても納得。充実した時間を送って子どもが着々と育っていると、自分が何者かになれたかのように思えるから。 10才以上年配の方が出産されたのは、本当にすごいなぁ。よくできたなぁと思うばかり。 そういう意味では、「自分の時間がほしくないかと聞かれるけど、その時間を子どもと過ごしたいよ」みたいな歌には共感しかねた。自分の時間ほしいよー! 年齢重ねてから母になったら、こう思ったのかも知れない。

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2013/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

20代『サラダ記念日』の鮮烈なデビューから『チョコレート革命』を経て、『プーさんの鼻』。俵万智さんの歌は今、円熟期。子どもがお腹にいる時から歌い始められ、誕生後は日々の成長を、溢れるばかりの愛情と感嘆を込めて歌い上げて行く。「ろうそくの炎初めて見せやれば『ほう』と原始の声をあげたり」

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2012/05/07

プンプンの合間の箸休め的な一冊。 ”アボガドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン” サラダ記念日といい、チョコレート革命といい、 この女性の食べ物の歌はなんというか、愛おしい。ずるい。笑 ”まっすぐに怒るあなたに背中から毛布をかけるように愛した” 良いな...

プンプンの合間の箸休め的な一冊。 ”アボガドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン” サラダ記念日といい、チョコレート革命といい、 この女性の食べ物の歌はなんというか、愛おしい。ずるい。笑 ”まっすぐに怒るあなたに背中から毛布をかけるように愛した” 良いなぁ、こういうの。 ”言葉ではなくて事実を重ねゆくずるさを君と分かちあう春” やばいなぁ、こういうの。 でも、この歌集のキモは、シングルマザーになってからの様々な歌。 ”どこまでも歩けそうなる皮の靴いるけどいないパパから届く” ずるくて、でも愛おしくって、やばい良いなぁ。

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2010/12/08

妊娠・出産・子育てなど、生活の何気ない感動一つ一つを、こんなにも鮮やかに切り取ってくださいました! さすが、俵万智さん☆ 母になった私達の気持ちを、驚くほどリアルに表現されてるのは、きっと短歌ならではかと。 ドキッと気付かされたり、共感できて癒されたり… 「ちょっと子育てに疲れ...

妊娠・出産・子育てなど、生活の何気ない感動一つ一つを、こんなにも鮮やかに切り取ってくださいました! さすが、俵万智さん☆ 母になった私達の気持ちを、驚くほどリアルに表現されてるのは、きっと短歌ならではかと。 ドキッと気付かされたり、共感できて癒されたり… 「ちょっと子育てに疲れちゃってるなぁ…」という方には特に、オススメしたい一冊です♪ 短歌どっさり!な代わりに、歌だけなので、かなりの想像力と解釈力が求められるかも? ちょっと大変〜という方は、『たんぽぽの日々』の方が、エッセイでもあるので、読みやすくてオススメです(^O^)

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