意味がなければスイングはない の商品レビュー
初めて読んだ村上春樹本。 ピアニストの逸話やスガシカオまでさまざま書かれているけど、この人は評論が得意なんではないかと思う。それぞれの音楽家達がまるで短編小説の主人公のように見える。音楽好きには中々良い本です。
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「スガシカオ」の節しか読んでないけど(ていうよりは、スガシカオ目的で買った本やし、私の身の丈が、ぜんぜん村上春樹に追いついてなくて、他はわからなさそうで・・・)、めちゃくちゃすごい!春樹の文章表現。音楽という、しかもJポップという、抽象と具象、または、実体のないものとあるものの中...
「スガシカオ」の節しか読んでないけど(ていうよりは、スガシカオ目的で買った本やし、私の身の丈が、ぜんぜん村上春樹に追いついてなくて、他はわからなさそうで・・・)、めちゃくちゃすごい!春樹の文章表現。音楽という、しかもJポップという、抽象と具象、または、実体のないものとあるものの中間にある「音楽」について、こんなにわかりやすい言葉で説明できるなんて!自分の考えをそこにすっと乗せられるなんて!!やっぱすごい!!これまた、引用にたくさん登録したけど、春樹の考えが、ものすごく私の意見を代弁してくれているもんだから、うんうん、って思いながら、余計に力が入って読んでしまった!!もっと余裕ができて、大人の音楽が楽しめるようになったら、他の節もリラックスしながら読みたいな。(もっとこの感動を表すことのできる文章力が私もほしい・・・!)
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「若い読者のための短編小説案内」もそうだけれど、この人の書く評論というか、何かを深く掘り下げていく書物は好きだなぁ。
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春樹だけどジャズの本みたいだし…と躊躇している人もぜひ一読を。ジャズだけではない!様々なミュージシャンの伝記的エッセイ。音楽を聴かない人でも楽しめる、上質な音楽鑑賞的読書が出来る本。
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クラシック、ジャズ、ポップスと様々なジャンルにわたる音楽評論。 村上作品にも様々な楽曲が登場するが、この作家の音楽に対する思いの深さに感心する。 彼の小説と音楽が密接に関わっていることを証明してくれるような本だ。
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紹介されているアーティストは皆知っている人ばかり。 書籍ゆえに言葉のみでの説明ですが、それぞれのアーティストの音楽が想像できる…それだけ言葉の選び方がすごいからなんでしょうか…。 個人的にはスガシカオの項が“いいね”です。 村上春樹が唯一取り上げた日本人…その理由をぜひチェック...
紹介されているアーティストは皆知っている人ばかり。 書籍ゆえに言葉のみでの説明ですが、それぞれのアーティストの音楽が想像できる…それだけ言葉の選び方がすごいからなんでしょうか…。 個人的にはスガシカオの項が“いいね”です。 村上春樹が唯一取り上げた日本人…その理由をぜひチェックしてみてください。
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音楽って言葉でこんなにもうまく表せるのかと思った。 この本読んでスガシカオ聴くようになった。 良かった。
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ジャズやクラシックだけでなく、ロックやJポップスの中からもミュージシャンや音楽を選び出して、評価している。よく調べ上げたと思う。それだけでなく、よくもここまで言葉でその音楽を表現できるな、と感心した。 取り上げたミュージシャンの中でも感動的だったのはビーチボーイズのブライアン・ウ...
ジャズやクラシックだけでなく、ロックやJポップスの中からもミュージシャンや音楽を選び出して、評価している。よく調べ上げたと思う。それだけでなく、よくもここまで言葉でその音楽を表現できるな、と感心した。 取り上げたミュージシャンの中でも感動的だったのはビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの伝記だ。彼は酒やドラッグで落ちるところまで落ちて、返り咲いたのだ。人間、やり直しは出来るのである。
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まず、羨ましいと思った。多くの音楽を聴いて、それらのゆかりの土地の空気を実際に吸っていて、多くの小説やエッセイを世に出せることに。 特に熱心に読んだのはブルース・スプリングスティーンの項。 音楽好きな、そして音楽に魅了され始めた頃の学生にとってアメリカンロックは『明日なき暴走』...
まず、羨ましいと思った。多くの音楽を聴いて、それらのゆかりの土地の空気を実際に吸っていて、多くの小説やエッセイを世に出せることに。 特に熱心に読んだのはブルース・スプリングスティーンの項。 音楽好きな、そして音楽に魅了され始めた頃の学生にとってアメリカンロックは『明日なき暴走』の声であり疾走感だ。でもスプリングスティーンの私生活はロックではない。それは知っていた。でも彼の音楽はロック以外のなにものでもない。 私はそれを村上春樹のように、理路整然と、経験に基づいて説明できない。だから凄いと思うのだと思う。
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正直言って、本書で紹介されているミュージシャンの作品を好んで聴かないので(決して嫌いというわけでなく、あくまで現在はという意味で)、あまり楽しめないかと思っていたんですが、読んでいるうちにそのミュージシャン自身や彼が作る音楽の物語が、立ち上ってくるように感じられてきて、それぞれの...
正直言って、本書で紹介されているミュージシャンの作品を好んで聴かないので(決して嫌いというわけでなく、あくまで現在はという意味で)、あまり楽しめないかと思っていたんですが、読んでいるうちにそのミュージシャン自身や彼が作る音楽の物語が、立ち上ってくるように感じられてきて、それぞれのミュージシャンの項がひとつの短編小説のように読めました。 特にブライアン・ウィルソンの項はとりわけ美しいです。 小雨の降りしきるワイキキの夜、僕はステージに立つブライアンを待っている。 語られるビーチボーイズの歴史。 イノセントなポップソングを歌っていた幸せな時代から、ブライアンがドラッグに溺れ、バンドが崩壊していった悲しい時代・・・ そのキャリアの中で数々のものを失っていったブライアンだけども、今また、僕の前で歌っている。 この、やむことのない雨が降るワイキキの夜に。
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