遺品整理屋は聞いた!遺品が語る真実 の商品レビュー
「遺品整理屋は見た!」で、すでに十分メジャーな筆者であり会社だ。こうして新書という形でさらに多くの人の目に触れることは、喜ばしい。 前半は、遺品が出てくることでネガティブな情報が露見した事例が立て続けに紹介されている。何もかも遺族に知らせるのがいいわけではない、というのが筆者の...
「遺品整理屋は見た!」で、すでに十分メジャーな筆者であり会社だ。こうして新書という形でさらに多くの人の目に触れることは、喜ばしい。 前半は、遺品が出てくることでネガティブな情報が露見した事例が立て続けに紹介されている。何もかも遺族に知らせるのがいいわけではない、というのが筆者の考えだ。 凄惨な自殺現場などは「知らぬが仏」だろうが、故人の悩みや家族への恨みなどは、隠したとしても真実が消えるわけではない。一時的には怒りや悲しみをかきたてるかもしれないが、長い目で見れば知って良かった、となるケースの方が多い気がする。少なくとも、遺品整理会社の判断でその道を閉ざすのはどうかと思う。 遺族が遺品を通じて故人に思いをはせるということが希薄になっている、との指摘があった。モノを粗末に扱う価値観が広まったことと、家族の結びつきが弱まったこと、両方があるように思う。途中紹介されていた70年モノの洗濯機の話を聞くにつけても、日本人の心は戦後長い時間を掛けて、随分と荒んだものになってしまったものだと感じた。 キーパーズが遺品整理支援会社ではなく遺品整理代行会社としての側面を強めていくことになったら、寂しい話だ。そのためにも、吉田社長には今後とも遺品と向き合うことの意義をどんどん啓蒙していただきたい。
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