悼む人 の商品レビュー
重厚な作品で読み終わるのに時間を要しました。ただ、決して退屈な内容ではなく、登場人物が皆キャラ立ちしていて、最後まで飽きずに読めました。 テーマは何でしょう?「人生」とか「死」とか、そういった類いのものだと思うのですが、読み終わった後に思ったのは、親が生きているうちに、親孝行し...
重厚な作品で読み終わるのに時間を要しました。ただ、決して退屈な内容ではなく、登場人物が皆キャラ立ちしていて、最後まで飽きずに読めました。 テーマは何でしょう?「人生」とか「死」とか、そういった類いのものだと思うのですが、読み終わった後に思ったのは、親が生きているうちに、親孝行しよう、感謝を伝えておこうと思いました。 (主人公の母親が末期の癌で、緩和ケアしながら生活する様子がリアルに描かれていて、印象に残ったのが要因だと思います。) ちょうどこの小説を読んでいる時、子供とONE PIECEのアニメで『ドラム島編』を観ていました。そこでDr.ヒルルクというキャラクターが以下のセリフを述べていて、妙にこの小説の内容とリンクして、なんだか印象に残りました。 「人はいつ死ぬと思う・・?」心臓を銃で撃ち抜かれた時・・・違う。不治の病に侵された時・・・違う。猛毒のキノコのスープを飲んだ時・・・違う。・・・人に忘れられた時さ。」 人は人に忘れられた時に死ぬ。 この小説で主人公は、死者に対して、誰を愛し、誰に愛され、どんなことで感謝されたかを調べ、その人の死を忘れないよう胸に刻んでいました。 果たして自分は大切な人を失った時、その人のことを覚え続けていられるだろうか。そんなことを自問自答する2025年の冬になりました。
Posted by
前半部はサスペンスかと思いきや後半に至り、物語が一気にその姿を変えていく。 下手にこの展開をしてしまうと他のジャンルから借りてきたもののようになってしまい、楽しめない。 だが本書はそうならない。あくまでも自然に、川の流れのように物語が変貌していく様が面白かった。ただ少し突き放しす...
前半部はサスペンスかと思いきや後半に至り、物語が一気にその姿を変えていく。 下手にこの展開をしてしまうと他のジャンルから借りてきたもののようになってしまい、楽しめない。 だが本書はそうならない。あくまでも自然に、川の流れのように物語が変貌していく様が面白かった。ただ少し突き放しすぎでは? と思う箇所もあったし、もっと描いてくれても良い箇所もあった。終盤の評価は完全に分かれる。個人的にはもっと違う視点でも良かったのではと感じた。
Posted by
暗い、重い。 共感できる登場人物はいなかったが、死についていろいろと考えるきっかけになった。身体の死を一般的に死と捉えるが、生きていても関係を絶たれ居ないものと扱われる社会的な死もあれば、言葉で刺されて心が死んでしまうこともある。共に生きた時間を誰かが覚えていてくれたらその人の中...
暗い、重い。 共感できる登場人物はいなかったが、死についていろいろと考えるきっかけになった。身体の死を一般的に死と捉えるが、生きていても関係を絶たれ居ないものと扱われる社会的な死もあれば、言葉で刺されて心が死んでしまうこともある。共に生きた時間を誰かが覚えていてくれたらその人の中で生き続けることもできるのだなーと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
新聞などの情報を元に、旅をしながら縁もゆかりもない死者を悼み続ける若者(悼む人)と偶然に彼と出会った人々、また彼の家族の物語。 そういえば、「最近、『悼む』という言葉を使わないぁ~」と思いながら、この本を読んでみようと思った。 「悼む人」というからには、辻村深月氏の「ツナグ」じゃないけれども、死者と交信できたりとか特殊な能力を持った人かと思ったけれど、全く、普通の青年だった。しかし、悼みながら彼自身の葛藤と成長、そして彼が最後に行きついた死者への悼み 「この人は誰かに愛され、誰を愛したでしょうか。どんなことで人に感謝されたでしょうか」 は、素晴らしい問いだ思った。死んだ人について訊くのは、これで必要かつ十分なんじゃないかと。。。 「悼む」ということで、多くの死者とその関係者が登場したけれど、その度に涙を禁じえなかった。 映画にもなっているようだから、映画も見てみようかな。。。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
誰に愛されていたか、誰を愛していたか、誰に感謝されていたか、この3つが死者を覚えておける問いというのが印象的だった。最後まで自宅に帰らなかったのは親不孝ものだと叱りたい。(帰ったっけ?記憶が曖昧)
Posted by
葬儀に携わる「おくりびと (納棺師)」ではなく、「悼む(いたむ)人」。日ごろいたむ事もないし、読み方も怪しかったこの言葉だが、本書でよく馴染んだ。という軽口はさておき、亡くなった人を思ったり悔やんだりする言葉、つまり、死後への関わり、という事だ。全国を放浪しながら、死者を悼む旅を...
葬儀に携わる「おくりびと (納棺師)」ではなく、「悼む(いたむ)人」。日ごろいたむ事もないし、読み方も怪しかったこの言葉だが、本書でよく馴染んだ。という軽口はさておき、亡くなった人を思ったり悔やんだりする言葉、つまり、死後への関わり、という事だ。全国を放浪しながら、死者を悼む旅を続ける「悼む人」。自らとは無関係の人生を送ったあらゆる人に捧げる「悼む行為」が様々なドラマを生む。 死人に口なし、という言葉がある。故人がどのような人間であったか、我々はそれぞれの記憶で解釈して死者を思う。善人であったか、悪人であったか。故人に限らず、単に自分自身との思い出の中で、良い行いを目撃したかどうか、体験したかどうかの印象の積み重ねに過ぎないのかもしれない。例えば、事件を起こしたような犯人は、その印象によって、悪人として記憶付けられるものだが、案外、人間の認知なんて単純で、「良い事」と「悪い事」のイメージを自然と足し引きし、人を判断している。その行為の特別性や自分との距離感、ギャップで印象を倍加したりしながら。 赤の他人を悼む行為は、本来、故人の身内に寄り添って行われるべきで、実は「残された人」のために行われるのかもしれないと思う。行為そのものは神聖な感じもするが、身体的行為がなければ成り立たないものなのか、心の中でそっと悼んでも良さそうなものだ。この奇妙な行為については、物語の中でも賛否あるという扱いで展開されるので、読んでのお楽しみで。 それにしても、本書の中で多くの死生観に触れ、物語でしか表現できない複雑な感情表現というのがあるのだと改めて感じた。
Posted by
「悼む人」ずっと本棚に置いてあったけどなかなか読めず、年末年始にやっと読了。 何とも言えない気持ちになった。悼む人、誰を愛し、誰を愛して、どんなことをして人に感謝されたのかをできる限り胸に残そうとする人。 静人はどんな気持ちでずっとずっと亡くなった人たちを思って日本中を回っていた...
「悼む人」ずっと本棚に置いてあったけどなかなか読めず、年末年始にやっと読了。 何とも言えない気持ちになった。悼む人、誰を愛し、誰を愛して、どんなことをして人に感謝されたのかをできる限り胸に残そうとする人。 静人はどんな気持ちでずっとずっと亡くなった人たちを思って日本中を回っていたのか。 誰にでも訪れる死だからこそどう向き合うのか…自分と関係のない所で訪れている死がたくさんあることも改めて感じさせられ、とても考えが深くなる作品だった。
Posted by
そう来たかという感じ・・・死生観は流行りかな^^ まぁ、ちょっとワタシにはピンとこなかった。母親の闘病はなんとなく身近に感じたかな。残酷ではあるけど、少々詰め込みすぎの感あり。
Posted by
年齢を重ねるたびに、悼む人が心にひっかかる。 最後は言葉より悼む気持ちしかないのでは… また年数が経過したらどんな考えや感じ方になるか読みたくなる本。 ぜひ〜
Posted by
だいぶ前に読了し、再読したいなぁと思いながらも、読むのに気力と体力がいる。 生きている人にも亡くなった人にもそれぞれの生き方や人生や家族がいる。当たり前の事をとても痛切に突きつけられる。「祈る」ではなく「悼む」ことをテーマにしているところに作者の謙虚さのようなものを感じる。天童作...
だいぶ前に読了し、再読したいなぁと思いながらも、読むのに気力と体力がいる。 生きている人にも亡くなった人にもそれぞれの生き方や人生や家族がいる。当たり前の事をとても痛切に突きつけられる。「祈る」ではなく「悼む」ことをテーマにしているところに作者の謙虚さのようなものを感じる。天童作品の表紙の船越桂さんの彫刻が作品の崇高さや静謐さのようなものをよく表しているなぁと常々思う。
Posted by
