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小説フランス革命(2) の商品レビュー

3.5

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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2012/05/13

デムーランがずいぶんな扱い(笑 ひどいよ、ミラボー。 デモで人が死んでいるけれども、また、名指しで処刑するような暴力は始まっていない。ミラボーが議会の暴走というのでそれを警告しているけど。 でもそれは、デモで死んだ群衆や、バスティーユで撃たれた群衆の積み重ねの上に一線を超えるも...

デムーランがずいぶんな扱い(笑 ひどいよ、ミラボー。 デモで人が死んでいるけれども、また、名指しで処刑するような暴力は始まっていない。ミラボーが議会の暴走というのでそれを警告しているけど。 でもそれは、デモで死んだ群衆や、バスティーユで撃たれた群衆の積み重ねの上に一線を超えるものなのだろう。 「一線」というのがどこにあるのか。どういうプロセスを経て超えるのか。 この後どうなっていくのか楽しみ。

Posted byブクログ

2011/12/01

本書(佐藤賢一『バスティーユの陥落 小説フランス革命II』集英社、2008年11月30日発行)はフランス革命を描いた歴史小説の2作目である。本書ではバスティーユ襲撃からヴェルサイユ行進までを扱う。前巻のミラボーやロベスピエールに加え、本書ではパリ市民に蜂起を促したデムーランがフィ...

本書(佐藤賢一『バスティーユの陥落 小説フランス革命II』集英社、2008年11月30日発行)はフランス革命を描いた歴史小説の2作目である。本書ではバスティーユ襲撃からヴェルサイユ行進までを扱う。前巻のミラボーやロベスピエールに加え、本書ではパリ市民に蜂起を促したデムーランがフィーチャーされる。 著者の佐藤賢一氏は濃厚な性的表現が多いことで知られるが、これまでのところ「小説フランス革命」シリーズでは抑え気味である。しかし、ミラボーがデムーランを扇動するシーンなどで卑猥な表現が使われている(48頁)。性愛シーンでないにもかかわらず、性的な表現が盛り込まれているところに著者らしさが感じられる。著者の描く人間像は、人間が性の衝動(リビドー)に支配されていると主張するジークムント・フロイトの人間像を想起させる。 パリ市民の政治への不満は爆発寸前であったが、知識人は批判するだけで、自分からは行動しない臆病者ばかりであった。しかし、ミラボーに焚き付けられたデムーランは「武器をとれ」と扇動する。この演説が契機となって、パリ市民は武装闘争に突入する。 私は新築マンションで大手不動産会社と裁判闘争をした経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。裁判を続ける中で同種の被害に遭った被害者にも数多く出会った。その中には行動を起こす意思はなく、愚痴を聞いてくれる仲間が欲しいだけとしか考えられない人もいた。真剣に相談に乗った自分が馬鹿らしく感じられるほどであった。それ故に行動しない知識人に対するミラボーの失望には共感する。革命への口火を切ったデムーランの意義も高く評価する。 前半のバスティーユ襲撃は変革を求める男達の熱い情熱で突っ走る。デムーランの感情の揺れや興奮の高ぶりは滑らかな筆致で書かれ、読者の胸も高揚させる。ところが、封建的特権の廃止宣言や人権宣言では様相が異なる。理想の実現にまい進するロベスピエールと覚めた目で見守るミラボーを対比させているためである。ミラボーの冷ややかな姿勢のために、人類の金字塔とも言うべき人権宣言にも高揚する気持ち一辺倒で読み進めることはできなかった。 ミラボーは議会の独断専行の危険性を以下のように指摘する。「自らの保身に有利な法律ばかりを通過させて、実質的な特権を築き上げて、あれだけ貴族を責めながら、自らが新たな貴族と化すだけだ」(212頁)。これは世襲議員ばかりになった現代日本への痛烈な批判にもなる。 ヴェルサイユ行進では男性達(ミラボー、ロベスピエール、デムーラン)は傍観者に成り下がった。女性を中心としたパリ市民がヴェルサイユ宮殿まで行進し、フランス国王ルイ16世をパリに連行した事件である。この事件を本書では支離滅裂な女性達の行動の結果として描いている。混迷を深めるフランス革命の行方が気になる終わり方であった。

Posted byブクログ

2011/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 2巻の三分の一を読み終わった時点では、複雑な展開は期待していなかった。ミラボーがすべての糸をひいていた という展開になるのかと思っていた。ミラボーがデムーランを焚きつけてパリ蜂起を起こしたくだりも おそらく史実ではないと思われ、小説なので仕方ない と大目に見ることにしたものの、それだとあまりにも単純すぎやしないか と興ざめしていたのも事実。  が、2巻の終盤、ヴェルサイユ行進~王のパリ帰還の件に及んで、最初の予想は覆された。結局、みなが状況に流されていたのがフランス革命だった と実感できる展開。そうでなくては。  おまけにミラボーと父の確執が、ミラボーの王権擁護の伏線になっていたり、だんだん物語が複雑になっていくのも快い。  これだけだと評価★5つとしたいが、肝心のバスティーユ襲撃の件の盛り上がりに欠けるので★一つ減らします。  思うにこの作者、政争劇を描くのはうまいが、戦闘シーンは不得手なのではなかろうか。

Posted byブクログ

2011/10/29

舞台はパリに移り、デムーランのパリ蜂起~バスティーユ牢獄襲撃~人権宣言採択~ヴェルサイユ行進~国王一家のパリ連行まで。世界史の資料集を見るとバスティーユ牢獄襲撃時点でフランス革命となっているが、小説を読むと全然そんな気がしない。というか年表を見てネタばれしてしまったorz3巻から...

舞台はパリに移り、デムーランのパリ蜂起~バスティーユ牢獄襲撃~人権宣言採択~ヴェルサイユ行進~国王一家のパリ連行まで。世界史の資料集を見るとバスティーユ牢獄襲撃時点でフランス革命となっているが、小説を読むと全然そんな気がしない。というか年表を見てネタばれしてしまったorz3巻からは未読なので、新鮮な気持ちで読めるかな。

Posted byブクログ

2011/09/30

ミラボーに焚きつけられ、パリはデムーランをリーダーに動き始める。いざバスティーユが陥落され理想に燃えるロベスピエール、そして王政を守りつつ貴族を倒すべきと画策し、また議会が特権となることを危惧するミラボー。ミラボー伯の言ったことが正しかったと、いずれロベスピエールは思うのでしょう...

ミラボーに焚きつけられ、パリはデムーランをリーダーに動き始める。いざバスティーユが陥落され理想に燃えるロベスピエール、そして王政を守りつつ貴族を倒すべきと画策し、また議会が特権となることを危惧するミラボー。ミラボー伯の言ったことが正しかったと、いずれロベスピエールは思うのでしょうか…。理想と現実が既にじわじわと分かれ始めています。デムーランはインテリぶってるけどかなり単純猪突猛進タイプ。「ベルばら」のベルナールのモデルだった彼ですがどのような人生を送ることやら。このままだと突っ切ってすぐ死にそう

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2011/09/09

思ったほどのれなかった。カミーユ君のキャラクターの造形はいいんだが。突然切れる、カミーユ君の彼女はよくわからん。でも、リアルといえばリアルだな。作者の女の描き方は、非常に好みが分かれるところで、世の中、こんなビッチだらけなのか?と苦笑しながら読んでしまう。なんだかんだでだいたい作...

思ったほどのれなかった。カミーユ君のキャラクターの造形はいいんだが。突然切れる、カミーユ君の彼女はよくわからん。でも、リアルといえばリアルだな。作者の女の描き方は、非常に好みが分かれるところで、世の中、こんなビッチだらけなのか?と苦笑しながら読んでしまう。なんだかんだでだいたい作者の本は読んだ気がするが、このシリーズ、次巻以降、読むかどうか悩むところ。

Posted byブクログ

2011/08/19

民衆の不満は頂点に達し、ミラボーは遂にパリ蜂起のきっかけを作る。バスティーユ陥落だけで一巻もつのかと思ったが、話の持って行き方が上手いなぁ。

Posted byブクログ

2010/06/06

フランス革命。人類の歴史において、市民が最も輝いていた時代かもしれません。 そんな歴史的イベントを、上からではなく下から、大上段ではなく、小手から、抽象でなく、具体から語る作者の手法。 面白くないはずありません。誰もが新しいフランス革命を発見するでしょう、彼の作品に。

Posted byブクログ

2014/12/28

佐藤賢一のフランス革命シリーズの2冊目。 だんだん文体の癖にも慣れてきましたw 食べ物に例えるとにおいがきついチーズみたいな。 この巻ではバスティーユの襲撃~10月事件までくらいの時間が経ちました。 1冊目の方が面白かったかなーと思いながら読んだのですが、 10月事件の描き方が...

佐藤賢一のフランス革命シリーズの2冊目。 だんだん文体の癖にも慣れてきましたw 食べ物に例えるとにおいがきついチーズみたいな。 この巻ではバスティーユの襲撃~10月事件までくらいの時間が経ちました。 1冊目の方が面白かったかなーと思いながら読んだのですが、 10月事件の描き方がなんだかユーモラスで、一気に楽しくなりました。 目に浮かぶような光景というか。 このシリーズのおかげで、ミラボーが好きになってきました(*´艸`)

Posted byブクログ

2009/10/04

今回は、恋人と結婚したいけど金も力もないので求婚できない冴えない弁護士デムーランが、ミラボーに炊きつけられて、すっかりその気になってしまった挙げ句、成り行きで暴動をぶち上げついでにバスティーユ攻撃までしてしまうお話から。 うわー、デムーラン君かわいそー(笑) 後半は、パンを求めて...

今回は、恋人と結婚したいけど金も力もないので求婚できない冴えない弁護士デムーランが、ミラボーに炊きつけられて、すっかりその気になってしまった挙げ句、成り行きで暴動をぶち上げついでにバスティーユ攻撃までしてしまうお話から。 うわー、デムーラン君かわいそー(笑) 後半は、パンを求めて主婦がベルサイユまで行進するあたりまで。 このへんを読むと、いまだにベルばらが頭に浮かびます。ふるっ! ところで革命の天使ことサン=ジュスト様はまだかしら?

Posted byブクログ