ファミリーポートレイト の商品レビュー
わたし、桜庭一樹さんの書くおもたーい話が好きだ。彼女の書く重苦しいのにどこか甘い香りのする文章が好き。そして本書は、「私の男」に次ぐ重苦しさだった。 逃げる母娘・マコとコマコ。コマコは幼いながらに、母になにか事情があることを察してはいるが、それから目を逸らし、ひたすら母の拠...
わたし、桜庭一樹さんの書くおもたーい話が好きだ。彼女の書く重苦しいのにどこか甘い香りのする文章が好き。そして本書は、「私の男」に次ぐ重苦しさだった。 逃げる母娘・マコとコマコ。コマコは幼いながらに、母になにか事情があることを察してはいるが、それから目を逸らし、ひたすら母の拠り所になるために生きていた。 第一部では母娘の逃避行が描かれる。そこには救いがなく、堕ちていくのみの2人は幸せで痛ましい。そして逃げる必要がなくなってからの第二部では、大人になったコマコの精神的逃避行が描かれる。そこに幸せはあるのか。
Posted by
終盤につれてが面白かった。 今までで一番、作家を感じられた気がする。 桜庭一樹、好きかも!
Posted by
良くも悪くも桜庭一樹。一章と二章で違う小説を読んでる感覚がした。私は一章のほうが好み。マコとコマコの逃避行の様子は凄絶で凄惨で、だけどその中には歪んだ幸せがある。平和な一家を見てマコが泣き崩れるシーンがお気に入り。様々な経験と人々が描かれていて面白かったが、二章からはなんとなく惰...
良くも悪くも桜庭一樹。一章と二章で違う小説を読んでる感覚がした。私は一章のほうが好み。マコとコマコの逃避行の様子は凄絶で凄惨で、だけどその中には歪んだ幸せがある。平和な一家を見てマコが泣き崩れるシーンがお気に入り。様々な経験と人々が描かれていて面白かったが、二章からはなんとなく惰性で読んだ感じがする。まさにコマコの余生を描いていたと思う。
Posted by
文芸病棟の一患者である人 だからこそ生み出せる物語 だからこそ滲み出る説得力 正しくないのはわかるし不安定であるのもわかる だけれどだからこそというものも確かにあるんだ
Posted by
何時もながらのずっしりとした読書感。ずっしりとした読後感。 なんとも言えない桜庭ワールドに吸い込まれてしまいました。
Posted by
迸る濃密な片想い、その感情が変容する様を徹底的に描き出す叙事詩。何度思い返してもラストシーンに胸が熱くなる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後半のほうがちょっとまとまらない感じがしたのですが、とにかく面白かった。作家という職業をかいまみることができるのも面白いし、なによりもめちゃくちゃな生活を送っている主人公なのに、なんとなく職業が作家というところでリアリティーがあるように感じてしまうのもすごくいいと思った。
Posted by
まったくぶっとんだ話なのだが妙な既視感にぐるぐるした。七竈の「娘はいつか母親を裁く」的なとこを思い出した、母親を憎みきれない人におすすめしたい。
Posted by
母親の入水まではとても面白くて一気に読んだが、それ以降は流し読み。 駒子の高校生活当たりで、伝奇小説的表現にいささか食傷してしまった。 「赤朽葉家の伝説」も、万葉と毛鞠のキャラが濃すぎて、瞳子の話の頃には読むのに疲れてしまったけど、今作も眞子のキャラ、人生が強烈すぎて、駒子の話に...
母親の入水まではとても面白くて一気に読んだが、それ以降は流し読み。 駒子の高校生活当たりで、伝奇小説的表現にいささか食傷してしまった。 「赤朽葉家の伝説」も、万葉と毛鞠のキャラが濃すぎて、瞳子の話の頃には読むのに疲れてしまったけど、今作も眞子のキャラ、人生が強烈すぎて、駒子の話になる頃にはお腹いっぱいになってしまう。
Posted by
退廃的で、じっとりしてる。 逃避行する二人が生きている場所はとても古い時代のような気がした そこが好き
Posted by