群島-世界論 の商品レビュー
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-20090527 群島とは、大陸的なるもの-近代国家や国語-の対極にある思考の一つの原理であり、制度的支配秩序の外部または裏面としての、時間・政治・言語の混淆した多様性を意味する。著者は、大陸的なるものに根ざすのではなく、海の潮流に身を委ねるように、群島的想像力により世界のVisionを反転させてみせる、独創的な文学論であり、J.ジョイスや島尾敏雄、D.ウォルコット、或いはカリブ海のクレオール詩人やゲール語で書くアイルランドの詩人たち、それらの文芸作品、遠く隔たった地で語られ書かれた言葉同士が、縦横に結ばれ共振する。
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近代より支配的となった、所有と契約に統らべられた大陸の論理を反転させた、贈与と信頼に基づく群島の世界観を綴った書物。 ジェームズ・ジョイス、ラフカディオ・ハーン、島尾敏雄、カリブの詩人達といった群島的な世界観を持った作家の、著作や生涯を辿りながら、群島の世界図を作成しようとする壮...
近代より支配的となった、所有と契約に統らべられた大陸の論理を反転させた、贈与と信頼に基づく群島の世界観を綴った書物。 ジェームズ・ジョイス、ラフカディオ・ハーン、島尾敏雄、カリブの詩人達といった群島的な世界観を持った作家の、著作や生涯を辿りながら、群島の世界図を作成しようとする壮大な試みが展開される。 詩的でイマジナリーな記述は、とてもスリリングかつ魅力的。 文体がかなり修辞的で入り組んでいるのと、500頁近い大著なので、時間と気の長さがある人向きの本です。
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