人間の運命 の商品レビュー
佐藤優さんの解説の一部、「無法をもって法とする」という言葉が印象的過ぎてまさにこの本を、というかロシアという国を的確にとらえてると思った。(佐藤優さん自身の言葉では無いけど) 戦争ってのがこんな身近な国なんかい。 と思うほど戦争が入る。そして身内の暴力がある。 しかし、子を養お...
佐藤優さんの解説の一部、「無法をもって法とする」という言葉が印象的過ぎてまさにこの本を、というかロシアという国を的確にとらえてると思った。(佐藤優さん自身の言葉では無いけど) 戦争ってのがこんな身近な国なんかい。 と思うほど戦争が入る。そして身内の暴力がある。 しかし、子を養おう・女性を救おうとする優しさもある。相反するような性質が同居している。 とんでもない国が隣にあるんだなぁと思う反面、ちと美しいとでも思ってしまった。もちろん暴力はもってのほかだ。やるのはお話の中だけにしてくれ。でもなんでこんな引き込まれるんかね。。。
Posted by
人間の運命…アンドレイと少年、この先幸せであってほしい。 他人の血…寂しい終わり方だけど、心に沁みる。
Posted by
他のロシア文学と少し感じが違う、優しく人間愛にあふれた短編集。あんまりクズなオヤジが出てこず、優しい気持ちになれる。ロシアの歴史が全然わかってないのと、ショーロホフが敵味方包み込み、断罪することなく包み込んで書くので、共産党と何が対峙していて、どちらが負けて、人々が何を守ろうとし...
他のロシア文学と少し感じが違う、優しく人間愛にあふれた短編集。あんまりクズなオヤジが出てこず、優しい気持ちになれる。ロシアの歴史が全然わかってないのと、ショーロホフが敵味方包み込み、断罪することなく包み込んで書くので、共産党と何が対峙していて、どちらが負けて、人々が何を守ろうとしてるのか、追いきれなかった。ショーロホフ自身はソ連体制の御用作家と言われていたらしい。
Posted by
角川文庫創刊60周年記念企画で、12月の編集長になった 佐藤優氏が、「編集長が選ぶ おすすめの角川文庫6冊」に 挙げている一冊。 共産党政府に敵対した人達が主人公の、問わず語り形式 の短編小説集。 「ロシア人を知るために読んだらよい小説を一冊だけ紹介 してください」...
角川文庫創刊60周年記念企画で、12月の編集長になった 佐藤優氏が、「編集長が選ぶ おすすめの角川文庫6冊」に 挙げている一冊。 共産党政府に敵対した人達が主人公の、問わず語り形式 の短編小説集。 「ロシア人を知るために読んだらよい小説を一冊だけ紹介 してください」と尋ねられると、氏はこの『人間の運命』を 紹介しているのだそう。 ワタシはモスクワに一度行ったことがあるだけなので、 ロシアとロシア人についてあまり先入観なく、この本を 読んだ。 果たして、ここに出てくるロシア人達は、そこはかとない 愛情と、それとはまるで正反対の執拗なまでの残虐性を 持ち合わせている人間として描かれていた。 どちらが強く印象に残ったかというと、ワタシにはその 残虐性の方がインパクトが強く、プーチン首相の顔を思い 出してしまった次第。 (別にプーチンさんが悪いと言っているのではなくて、 彼が冷酷悪役顔だということにすぎません。) 佐藤氏は、巻末の「新解説」の中で、「絶対的に悪い人間は 存在しない」というショーロホフのメッセージが伝わってくる、 と書いている。 言われてみれば、確かにこの小説の中では、共産党政府に 抗う登場人物たちは、政治的には否定されるはずなんだ けれど、一切断罪されていない。 けれど、予想外の残虐性が飛び出してきたおかげで、読んで いる間はこの点にはほとんど気づかなかった。
Posted by
我厌恶战争!我投票不要的战争!迈克尔(ミカエル・ショーロホフ)著作「静静的(憧・冬・冻)(河・江・川)」=doh river,新田龙雄著作「静静的首领」ww。翻译家是・・
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『人間の運命』は佳作。ショーロホフの文は読んでて心地よい。短い作品だが戦争とは人生とはと、考えされる作品。 『ドン物語』は全て読んだが、こちらは初期の作品。一読の価値あり。
Posted by
短編集。5編ともに、戦争で何かを失った人間の悲劇を描いている。男性による問わず語り形式という点が特徴的で、小説として奇をてらうところは無い。 命を助けた負傷兵に、戦争で死んだ息子の名をつけて養子に迎える話「他人の血」と、表題作が印象に残る。 「夫の二人いる女」は体制賛美的で鼻白ん...
短編集。5編ともに、戦争で何かを失った人間の悲劇を描いている。男性による問わず語り形式という点が特徴的で、小説として奇をてらうところは無い。 命を助けた負傷兵に、戦争で死んだ息子の名をつけて養子に迎える話「他人の血」と、表題作が印象に残る。 「夫の二人いる女」は体制賛美的で鼻白んだ。
Posted by
過去を克服するためには未来が必要なのではないか。アンドレイは愛する妻や子を失い、自身も捕虜としてドイツ軍に従事することで、人間として尊厳を徐々に失っていく。「p50しばらくの間、習慣で頭をすくめたものだ。殴られはしないか、とでも思うようにね。つまりドイツの収容所が、そんなくせをつ...
過去を克服するためには未来が必要なのではないか。アンドレイは愛する妻や子を失い、自身も捕虜としてドイツ軍に従事することで、人間として尊厳を徐々に失っていく。「p50しばらくの間、習慣で頭をすくめたものだ。殴られはしないか、とでも思うようにね。つまりドイツの収容所が、そんなくせをつけたわけさ…」過去に捉われた彼が出会った戦争孤児の少年。この少年がアンドレイにくっついて離れようとしないのもまた、彼もまた心に傷を負っているが故だろう。アンドレイも少年も、お互いがお互いに未来を見ていたのかもしれない。 アンドレイは妻に対して辛くあたることもある。けれども心の奥底では妻を愛しく思う、この二面性。他の作品、『子持ちの男』(止むに止まれず息子を殺す父親)や『るり色のステップ』(孫が目の前で犠牲になった過去を語る老人)でも、描かれるのは妻や息子など肉親に対する激しい暴力性と、それとは真逆の優しさだ。戦争という非常事態でこそ、この二面性が強く現れるのだろうか。それともこの二面性こそが、ロシア人の本質を表しているのだろうか。 ところで所々に出てくる「仕えただから」とか「飲むといいだ」とかは、方言を表しているのだろうか?(というか、田舎といったら何故東北っぽい言葉を使う?)原文は分からないが、仮に田舎であることが分かるような書かれ方だとしても、こんな言い回しは却って不自然でなんだかイマイチ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ロシア人を知りたいならこの本を是非読んでください。 優しい面と暴力性のある面が同居しているロシア人、それぞれ作品「夫の二人いる女」「他人の血」を読んでいくと随所にそれらが確認できます。 ロシア文学、普段から読み慣れてないので、他にも読んでみたい。
Posted by
非常に感傷的で大きな優しさと、冷酷なまでに過激な暴力性、誰しも持ちえる二面性な気もするけど、ロシア人はそれがより剥き出しになっている感じかしら。。
Posted by
- 1
- 2